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DEEP LEARNING & AI ASSISTANT SUMMIT:2日目
2018/01/29 ブログ 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

DEEP LEARNING & AI ASSISTANT SUMMIT:2日目

こんにちは、CTO長谷川です。Deep Learning Summit2日目の報告です。

Deep Instinct社のCTO、Eli David氏は、自社でディープラーニングを活用してコンピュータのウイルスやマルウェアの検知をしています。Deep Instinct社は、マルウェア検知という新領域にディープラーニングを活用していることから、2017年にNVIDIAから「Most Disruptive AI Startup賞」を受賞しています。毎日、約100万の新しいマルウェアやウイルスが新たに開発される中で、どのようにディープラーニングを活用しているかを説明していました。まず約2億ファイルの学習データを準備し、ファイルがウイルスかどうかを判別する分類器をディープラーニングで開発しています。従来の方法と比べてディープラーニングが優れている点は、特徴量の生成などを行う必要がなく、生のファイルを学習データにそのまま使えるという点です。また、従来型の方法で開発された検知システムは、時間が経過するに連れてその効力が著しく低下しますが、ディープラーニングで開発したDeep Instinctの検知システムは時間が経過しても効力が保たれるそうです。そして、マルウェアの中でも更に7種類のマルウェアを識別する分類器を開発しています。これは、ファイルの中で頻出する単語5万個を抽出し、それを分類器に当てるだけでかなりの精度で識別できるようになるようです。

プレゼンテーションの後も面白い質問がいくつも出ました。例えば、マルウェアを潜伏させる手法の一つとして、ファイル自体を暗号化して検知ソフトが察知できないようにする仕組みがあります。そのような暗号化されたファイルはどう検知するのかという質問がありました。それに対しDavid氏はハッカーが暗号化する仕組みが2通りあることを説明しました。まずは、ファイルが全て暗号化されていて、ファイル自体の暗号を解いて別ファイルになってからウイルスが作動する仕組みです。これについては、暗号が解かれた先にもう一つのファイルができるので、その新たなファイルに検知システムを流せば良いだけとのことでした。次に、より高度な手法として、ファイルが部分的に暗号化されていて、新たなファイルを作らずにファイル実行時に暗号を解きながらウイルスを作動させる仕組みです。これについては暗号化されていない部分だけを見ながら判別しなければいけなくて、その場合の精度は若干落ちるようですが、そういうファイルについても90%以上の精度で検知できるらしいです。


プレゼンの後も質問を受けるEli David氏

Daphe Koller氏は、スタンフォードの教授をしながらCourseraというMOOCの創業し、現在はCalicoという医療系のベンチャーを経営しています。彼女はインタビュー形式でのセッションを受けていました。「当時、Courseraという概念を周りに説明した時にどんな反応があったか」という質問に対し、「大学の最重要資産とも言える授業の内容を無償で公開する大学なんてあるわけがないと笑われたが、スタンフォードやUPennなど先進的な考え方をする大学は、無料で公開することによってより認知度が広がり、質の高い学生や研究者を連れてこれると考えてくれて、助かったし、その考え方は正しかったことが今となっては立証された」と答えていました。機械学習の民主化については、様々なツールが出てきて、個人の研究者でも簡単にディープラーニングができる環境が整ってきていることは素晴らしいが、モデルが本当に正しく機能しているかを理解せずに使うことは危険だとも言っていました。最後に、女性でありながらこの業界でキャリアを形成することの大変さの例として、Coursera時代で実際にあったメールのやり取りの話をしていました。とある大企業との商談をするに当たって、その企業の社長に次のようなメールを出しました。「初めまして、CourseraのCOOのDapheです。アシスタントのJamesをCCしましたので、彼と会議の日程を決めてください。」そして返事が、「初めましてDapheさん、是非Jamesの予定が空いている日程候補をいくつか挙げてください」と、彼女がアシスタントだと勘違いしたメールが来た話をしていました。


インタビュー形式でのDaphne Kollerとの話

最後に会場ではベンチャー企業の支援やリクルーティングの仕組みも整っていて、人材募集用の掲示板や、VCがベンチャー企業にアドバイスをするためのセクションなどが設けられていました。


人材募集掲示板

ベンチャー企業支援パネル。Andreesen Horowitz, Trifecta Capital, Toyota Ventures, 500 Startupsなどが名前を連ねる

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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