新型コロナウイルス感染の第2波の懸念が米国で広がっている。6月に入り感染が拡大している州の多くが、経済活動の再開を急いだ街だ。フロリダ州は州知事の命令で再開を急ぎ、5月上旬には飲食店などが営業を再開したが、6月中旬以降、新規感染者数が急増。6月27日には日別の新規感染者数が過去最大の9500人を超え、経済活動再開を規制せざるを得ない状況になった。
そのフロリダ州保健衛生局で、地理情報システム担当のデータサイエンティストとしてコロナウイルス感染可視化ツールを開発していたレベッカ・ジョーンズ氏がフロリダ州から解雇されたのは5月のことだ。背景として、再開を急ぐ州が感染者数などのデータを改ざんするように指示し、それをジョーンズ氏が拒んだことが指摘されている。ジョーンズ氏は解雇された後、自身でデータ可視化ツールであるダッシュボードを公開してフロリダの人に正確なデータを届けるとともに、街が再開するために満たされるべき基準を公表し、検査を受けられる場所の情報などを共有して勇気ある告発者として全米で話題になっている。
ジョーンズ氏によると、フロリダ州が経済活動を再開するには時期尚早過ぎることを示したデータを当時の上司たちに見せたところ、そのデータは公開しないよう求められたという。また、再開の基準値を満たしているように見せるため、感染者の割合を人口の18%から10%に下げて表示するように指示をされたとのことだ。
政治的思惑で客観的なデータが塗り替えられる危険な体制があったことが明確になったと同時に、時には期待に反する内容であっても、正確なデータを抽出し可視化することの重要性が明らかになった出来事である。
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