DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」
各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。今回の「Level 5 by Palo Alto Insight」の概要を文章で読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。
DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alot Insight」。
放送が始まってから沢山のコメントをいただいております。本当にありがとうございます!
第1回放送で紹介した「ど冷えもん」も、日本に在住の方であれば見かける機会もあると思いますので、ぜひ何か買ってみてください。
第3回で取り上げる「今週のホットニュース」は「Microsoft、687億ドル相当の現金取引でアクティビジョン・ブリザードを買収へ」です。
ニュースの概要
このニュースは、Microsoftが米ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザードを687億ドル(日本円で7兆8700億円)相当の現金取引で買収したというニュースです。
アクティビジョン・ブリザードといえば「コール オブ デューティ」シリーズなどでも知られている米国を代表するゲーム会社になります。MicrosoftはこれまでもLinkedInやGithubなどを立て続けに買収してきましたが、今回の買収はまさに過去最大規模であり、一気に世界第3位のゲーム会社に浮上する見通しです。
また、Microsoftは自社製ゲーム機であるXboxのサービス拡充を見据えており、今回の買収によってアクティビジョン・ブリザードの有名タイトルをXbox向けとして販売することもできます。これにより、ソニー(PlayStation)などのライバル企業に対して競争力を高めることができるでしょう。
長谷川はこの件に関していい買収であると思う反面、アクティビジョン・ブリザードが抱えるゲーマーゲート問題について指摘しています。これは、ダイバーシティなどの観点から度々批判されている問題で、企業文化に問題があるのかもしれません。
また山崎は「現金取引での687億ドル買収」について注目しました。現代のオンラインゲームにおける市場規模が20兆円であることを踏まえ、8兆円の現金買収がどれだけ凄いことかは容易に想像できます。これだけの市場を獲得していながらMicrosoftに買収されたというのは、アクティビジョン・ブリザード側にも何か理由があったのかと、考えさせられるニュースだったと話しています。
石角はこのニュースについて、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の増加でゲーム市場が盛り上がっている中、いい取引だったとみています。しかし、Xbox事業部との関わり方や、メタバースの実現に向けてどのように取り組んでいくのかという部分はまだ分からないため、今後どのように進めていくか興味があると語っていました。
ゲーム会社のニュースに関連して「Roblox」の話題も挙がりました。Robloxとは、ユーザーがゲームをプログラムしたり、作成したゲームを実際にプレイしたりできる、オンラインゲーミングプラットフォームのことです。全世界にユーザーが1億5000万人いると言われており、2021年に上場しました。
長谷川は、とある機会にRobloxの会社で機械学習の講演を行ったといいます。しかし、ちょうどその講演をした日に、サーバーがダウンしてしまうハプニングが起こったのです。結果として、ユーザーは73時間ゲームにログインすることができなくなりました。
今の子供たちにとってRobloxで遊ぶことは、昔でいう近所の友達と公園で遊ぶことと非常に近い感覚です。その傾向は、新型コロナウイルスの蔓延によってさらに拍車がかかりました。まさに正真正銘のメタバースであると言っていいでしょう。そのRobloxに73時間ログインできないことは、多くのユーザーにとってダメージだったのです。
また、近年ではFortniteもユーザー数を増加させています。Fortnite上でTravis ScottやAriana Grandeがライブを行なってことでも話題になりました。しかし、このライブ中にも接続が切れてしまったりなど、まだまだメタバースには問題点があることが伺えます。
そんなメタバースにおいて、興味深い話があったと石角は話します。それは「メタバース上のリアルエステート(不動産)を買って、実際の飲食店などにリースしている」というRepublic Realmのケースです。これにより、ユーザーは現実世界ではなくメタバース上で、マンハッタンの五番街などでショッピングができるのです。
そうなると、現実世界でコンテンツを持っている人達は、メタバース上でもマネタイズができるのではないかと山崎は考えます。メタバース上でブランド品を販売するにしてもライセンスが必要になってくるので、結局はお金をかけないといけない。そこに、メタバースが自由であることとのジレンマが生じるのではないかと話しています。
それでは、日本においてメタバースは波及していくのでしょうか。山崎は、日本におけるゲーム市場の盛り上がりを踏まえて、メタバースは伸びていくのではないかと考えています。これは、ゲーム市場で獲得したユーザーをメタバースに誘導していくことにより、シェアが拡大していくのではないかという予測です。
また、Facebookなどの世界的大企業と競争することはなかなか難しいとしつつも、テーマを絞っていくことで一定のポジションが獲得できるのではないかと話します。「どうぶつの森」が流行したことも踏まえて、デジタルにお金をかけることへのハードルも国民全体として下がってきていると感じるため、可能性は多いにあると語っています。
「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川が大好きなシリーズ「マトリックス」の最新作である「マトリックス レザレクションズ」です。2021年に公開したこの作品は、実に18年ぶりとなる最新作で、公開当時は大きな話題となりました。出演者3名ともすでに観ており、そのブレない世界観に懐かしさと安心感を抱く作品になっています。
また作中に出てくる変身シーンは、まさに今回の放送で取り扱ったメタバースの先駆けともいえるのではないかと山崎は語ります。そして、初代マトリックスのストーリーを振り返ってみると、メタバースに対する重要な示唆が隠されていました。
それは、メタバースでいくら自由な世界を作り出したとしても、そこに苦しみや痛みがなければリアルではないため、人間はなかなか受け入れることができないということです。なんでもできる世界観ではなく、ある一定の制約があることで初めてメタバースはうまくいく。このようなことを、マトリックスを通して感じることができるかも知れません。
次回の放送もぜひお楽しみに!
#3の実際の音源はこちらからお楽しみください。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
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