DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」
各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。今回の「Level 5 by Palo Alto Insight」の概要を文章で読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。
DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」
これまでの放送で、リスナーの皆様から沢山の質問・ご感想を頂いております。本当にありがとうございます!
今回の放送では、「情報をインプットするのに使っているメディアや、お薦めのウェブサイトなど教えてください。」という質問に出演者全員が回答しました。
長谷川貴久「Hacker News」
Tech系・技術系の記事が多く、面白いプロダクトの情報なども入ってくるニュースサイト。
有名なメディアの記事だけではなく、個人のブログなどさまざまなところをソースにしているため、多様性のあるメディアとして評価しています。
山崎壯「Twitter」
知らない人はいないSNSサービス。Twitterアカウントをそれぞれのテーマごとに所持することで、収集したい情報を迅速に、最新の状態で見れることを利点として挙げていました。
石角友愛「Apple News / 雑誌」
アメリカの場合は、右か左か、保守かリベラルかというように偏っていることが多いので、なるべく様々なメディアを利用していると話していました。その中でも、Apple Newsは石角の興味が湧くようなコンテンツを幅広く取り揃えており、なおかつ普段見ないようなジャンルの情報も提供しているため、よく利用しているといいます。
また、実際の雑誌も購読して読んでおり、紙媒体での情報収集の良さも語っていました。
第5回で取り上げる「今週のホットニュース」は「職場での徹底した透明性はどのくらい?」です。
ニュースの概要
最近アメリカで重要視されている「ラディカルトランスペアレンシー」というバズワードを取り上げた記事になります。これは直訳すると「徹底した透明性」という意味です。
Facebookが起こした「ケンブリッジアナリティカ問題」以降、アメリカにおいて情報の透明性が重要視されました。そこで近年、NETFLIXなどの企業を中心に、社内での情報の透明性が高まっています。特にNETFLIXでは、社員の給料なども全て公開しているそうです。
石角はこの「ラディカルトランスペアレンシー」を実現させる目的に、以下の2つを挙げています。
1つ目の「人事やリーダーシップの目的」については、NETFLIXが印象的です。前述した通りNETFLIXでは、社員の給料がバイネームでわかるような透明性を実現しています。これにより、同僚の給料が確認できたり、パフォーマンスに対する責任感が生まれるのです。
また日本において、アメリカの巨大IT企業は全て同じように見られがちですが、実は人事制度一つとっても全く異なります。Appleでは、誰がいくら貰っているかはほとんど分からず、自分の職位すらも曖昧であることが多いそうです。
そしてNETFLIXが透明性にこだわる理由として「イノベーション」が挙げられると話します。上司に対して何か意見を出すとき、リスクフリーで言える環境であればあるほど、様々なアイデアが生まれてきます。そのため、なるべく全ての人が同じ情報をもち、同じレベルで仕事をすることを重要視しているのかもしれません。
それでは、日本企業においてこうした「徹底した透明性」は実現可能なのでしょうか。山崎は、中途半端にやると大事故に繋がりかねないのではと話します。
いきなりNETFLIXのような文化を取り入れようとすると、社員の中には「なぜそこまでオープンにしなければならないのか」という不満が生まれかねません。そのため、まず初めにやるべきことは「安心や信頼の醸成」になります。経営者や幹部層から徹底的にコンセプトのすり合わせを行い、それらをしっかりと理解させた上で社員全体に浸透させていく必要があるのです。
また日本における文化的な側面を見ても、アメリカと全て同じようにやることはリスキーだと話しています。大切なのはバランスで、意思決定のプロセスや幹部層の給料は公開しつつも、キープするべきプライバシーは考える必要があるということです。
石角が示した2つの目的のうち、マーケティングについて長谷川は「過程を見せることで、より多くの人に会社を知ってもらい、トラフィックが入ってくるのではないか」と話します。
例えばアイドルにおいても、成長過程そのものを差別化要因にすることで、完成する前にファンを作っておくことができます。このような「過程を見せること」によるリターンが期待できるのではないかということです。
また、特にその要素が反映されるのが「価格設定」であるともいいます。例えば、実業家Mark Cubanの新しい医薬品販売のスタートアップでは、中間マージンや価格競争がないことを売りに、医薬品を可能な限り低い価格で販売しています。ここでは、なぜその価格で提供できるのかを公開することによって、信頼性を高めているのです。
このように、過程を公開することによって信頼やファンを獲得することができるのではないか、だからこそ面白いのではないかと話しています。
「今週のおすすめコンテンツ」は、石角の紹介する「How to Avoid a Climate Disaster」です。この本はマイクロソフト創業者で、実業家・慈善活動家としても知られるビルゲイツの最新著書になります。日本語訳は「地球の未来のため僕が決断したこと」といい、地球全体の未来に向けたビルゲイツが掲げるマニフェストのような1冊です。
この本の冒頭で、我々が知らなければならない数字はたった2つとビルゲイツは語ります。それは、「510億」と「0」です。現在、世界では年間およそ510億トンのグリーンハウスガスが排出されており、それをゼロにしなければならないという、強いメッセージが込められているのです。
このように、地球温暖化に関する問題をうまく理解できていない人に対して、わかりやすく説明してくれている1冊となっています。それも、かつてマイクロソフトで培ったビジネスの視点をベースに、核心に迫る内容で説明してくれているのです。決して環境問題だけではなく、全ての物事における本質の部分をしがらみなく語っている本と言っていいでしょう。ぜひ興味のある方は、1度読んでみてください!
それでは、次回の放送もお楽しみに
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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