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アマゾンを追撃するウォルマート テック投資の密度-ビジネスインサイダー寄稿

2022/08/23 メディア掲載実績, ビジネスインサイダー 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

アマゾンを追撃するウォルマート テック投資の密度 – ビジネスインサイダー寄稿

REUTERS/Nacho Doce

こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。

今回は、アメリカでは誰もが知る巨大小売チェーン・ウォルマートの多角的な技術投資についてご紹介します。

7月下旬に業績見通しを下方修正していた同社ですが、2022年8月16日に発表した5〜7月(第2四半期)の決算は、売上高が8%上がり市場予想を上回るものになりました。これにより、同社の業績見通しは従来の予想から引き上げられ、株価も上昇しました。

この結果について、ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は「(9月から始まる)新学期に向けた商戦が好調なほか、燃料価格の低下や割安な商品を求める高所得層による購入によるものだ」と説明しました。同社は引き続き、年末商戦に向けて好位置を確保するとの見通しを示しています。

困難な状況にもかかわらず好調なウォルマートですが、近年「テクノロジーカンパニー」として大きく成長していることをご存知でしょうか。

今回は、そんなウォルマートの積極的な技術導入についてご紹介したいと思います。

「Walmart+」はアマゾンプライムのライバルになるか

ニューヨーク・マンハッタンのガソリンスタンドで給油する人たち。
REUTERS/Andrew Kelly

ウォルマートは、サブスクリプションサービス「Walmart+(ウォルマート・プラス)」を持っています。同サービスは2020年9月に導入した定額サービスで、会員になると以下の特典を受けられるものです。

会員価格でのガソリン購入:エクソン、モービル、ウォルマート、マーフィーなどの各ステーションで、1ガロン(約3.8リットル)あたり最大10セントの割引を受けられる。

無料配送サービス:食料品や日用品などの商品を店頭と同じ価格でアプリから注文でき、当日配送。最低注文金額もない。店頭で購入した商品も自宅まで無料で配送してもらえる。

スキャン&ゴー(無接触購入システム):お店のなかでアプリを起動し、購入したい商品のバーコードをスキャン。会計の際は専用の支払機でQRコードをスキャンすれば、アプリに登録済みのカードですぐに支払いを済ませられる。レジ待ちの時間や人との接触を削減できる。

アーリーアクセス:ブラックフライデーのオンラインセール、商品発売日などの特別なプロモーションやイベントのお知らせを通常より早く受け取れる。

Walmart+の特典解説ページより。
撮影:Business Insider Japan

ここまで見ると気がつくと思いますが、Walmart+は、アマゾンがプライム会員サービスで成功したことを受け、ウォルマートでも物販以外の新たな収益源を増やすことを目指して始まったサービスです。

加入料は月額12.95ドル(約1700円)または年間98ドル(約1万3400円)。上記の特典のほかにも、音楽ストリーミングサービス「Spotify(スポティファイ)」を6カ月間利用できるなど、随時魅力的な特典を設けて集客強化を図っています。

Walmart+とアマゾンプライムを比べると、Walmart+にはウォルマートの実店舗で利用できる特典が多く、年会費が安いのが特徴です。(アメリカのアマゾンプライム会費は月額14.99ドル、年額139ドル。)

とりわけ、Walmart+に入ることで受けられるガソリンの割引きは、自動車大国のアメリカの消費者にとって 非常に魅力的です。こうしたガソリンの割引施策はコストコも実施していて、2022年には「給油だけでもコストコのメンバーになる価値がある」という記事も出たほどです。

とはいえ、報道では、2021年の時点で3200万人の会員数がいるだろうと書かれており、グローバル市場を持つアマゾンプライム会員数(2億人/2021年3月発表)と比べると6倍以上の差があるのが現状です。

しかし、2022年の8月15日にWSJの報道で、ウォルマートがパラマウント・グローバル社のストリーミングサービス「Paramount+(パラマウント・プラス)」をWalmart+の会員向けに提供することで両社が合意したことが明らかになりました。Paramout+は最新四半期で4300万人を超えたと報道されており、ウォルマートがアメリカ国内での有料会員獲得に更に注力する動きを見せていることが伺えます。

リアル店舗の撤退が続くAmazon、米国事業を閉じたb8ta

ニューヨークのAmazon Bookstore(2019年撮影)。
REUTERS/Brendan McDermid

比較されることが多いアマゾンとウォルマートですが、一時期注目を集めたアマゾンの実店舗ビジネスは閉鎖が続いています

ロイターの報道によると2022年3月、アマゾンはアメリカとイギリスで展開している実店舗の書店(Amazon Bookstore)、ポップアップストア、玩具や家庭用品を扱うショップ(Amazon 4-star)等の68店舗を閉鎖する予定であると発表しました。

この実店舗閉鎖の理由について、アマゾンはメールで「現在展開中の無人コンビニやスーパーを含むその他の実店舗に技術提供や経営資源を集中させ、長期的にビジネスを革新し、拡大する能力を維持するためである」と述べているということです。

渋谷に「b8ta Tokyo – Shibuya」。日本事業は独自に継続し、事業を広げている。
撮影:小林優多郎

また、商品を売らない体験型店舗を運営し、顧客の店舗内体験に関するデータを商品を製造したメーカーに売るという「リテールアズアサービス(Retail As A Service)」として注目を浴びていたシリコンバレーのスタートアップ「b8ta(ベータ)」も2月初めにアメリカでの事業を閉じました(2022年8月現在、渋谷や新宿、有楽町に店舗を構えるb8ta Japanは引き続き存続中)。

b8taアメリカのCEOであるVibhu Norby(ヴィブ・ノービー)氏によると、同社は地主との間で店舗存続の合意が得られなかったため、今回の決定を下したといいます。背景にはもちろん新型コロナウイルスのパンデミックがあるでしょう。

b8taはパンデミックが落ち着いてからも客足が十分に回復しなかったことを受け、2021年の時点で店舗の半数以上を閉鎖しており、その流れで、完全閉鎖にまで追い込まれてしまったと想像できます。

ウォルマートの技術投資、VR/ AR/ AIチャットボット/EVにも

これに対し、「毎日低価格」を売りに商品を売る実店舗に強みを持つ米ウォルマートでは、コロナ禍でも多岐に及ぶ技術投資が積極的に行われています。

ARへの投資:

例えば、2021年に導入されたのは、AR(拡張現実)を利用して倉庫から商品を見つける機能です。従業員が倉庫の在庫棚にAR搭載のスマートフォンを向けると、ピックアップしたいアイテムに緑色のチェックマークがつき、簡単に探し出せます。

これまで商品1点を見つけるのに平均2.5分を要していたところ、この機能の導入後は42秒と、所要時間を3分の1以下に短縮できるようになったといいます。

また、この機能は店頭の在庫情報とも連動しており、倉庫の棚をスキャンするだけで店頭に補充すべきアイテムも知ることができ、欠品による機会損失を削減することが期待されています。

従業員向けのAIチャットボット:

同じように従業員の作業効率化を図るためのツールとして、AIチャットボットが導入されています。ウォルマートでは、お客向けではなく、従業員の作業効率化のためのツールとしても使われています。

例えば、従業員はウォルマートのバーチャルアシスタント「Ask Sam」を使って、探している商品がどの通路にあるかといった質問をタイムリーに解決しているといいます。

バーチャル試着機能への投資:

また、買い物客は、モバイル端末からバーチャル試着機能を利用することが可能です(ウォルマートはこの機能を実装するため、2021年にジーキット(Zeekit)というイスラエルのスタートアップ企業を買収しています)。

この機能では、約50人のモデルの中から自分の身長や体型、肌や髪の色に近いモデルを選択し、ECサイトやアプリ上で好みの服を試着させることが可能です。また、「Text to Shop」というサービスを使えば、アプリ上でチャットをするだけでネット注文を済ますこともでき、利便性が高まっています。

VRを使って社員研修:

ウォルマートでは、社員研修にVRも活用しています。

2016年、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くソフトウェア企業Strivrとタッグを組んで始まったVR研修の最新トレーニングは「Be Kind」と呼ばれています。

従業員が買い物客とやりとりをする上で、冷静さを保ち、熱心に耳を傾け、状況をナビゲートし、解決策を決定する技能を訓練するものです。

コロナ禍で顧客とのコミュニケーションにこれまで以上の注意を払う必要が生じてきた中で、こうしたトレーニングが同社にとって非常に重要な位置付けとなっていると担当者は述べています。

EVトラックへの技術投資:

また、2022年7月、ウォルマートが新興EVメーカーであるCanoo(カヌー)の「ライフスタイル・デリバリー・ビークル」(LDV)と呼ばれる小型の商用EVを4500台購入する契約に合意したというニュースも話題になっています。

出典:Canoo

同車種の貨物スペース容量は約3.4立法メートル。運転席の視界を広くしたり、運転手が貨物スペースにスムーズに出入りできるような工夫も施されているといいます。

ウォルマートの幹部がワシントンポストに述べたところによると、同社のこうした変化は長年にわたる大規模な技術投資の成果であり、また近いうちにさらなる変化が次々に訪れるだろう、としています。

実際に、3月の発表によると、ウォルマートは2022年度新たに5000人以上の技術者を雇用し、アトランタとトロントに技術ハブを開設する予定だということです。

ウォルマートの戦略を日本の小売りが生かすには?

アマゾンが実店舗の一部撤退をする一方で、ウォルマートは「実店舗の存在」が強みです。

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パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。また、毎日新聞「石角友愛のシリコンバレー通信」、ITメディア「石角友愛とめぐる、米国リテール最前線」など大手メディアでの寄稿連載を多く持ち、最新のIT業界に関する情報を発信している。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧

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