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「AI×心理学」テック企業がCBOを求めるワケ
2022/11/15 ブログ 
by suzuki 

「AI×心理学」テック企業が経営の根幹に
心理学・行動経済学の意思決定を組み込む理由とは?

AIが浸透し、DX時代が到来する中で、最新のデジタル技術の導入はもちろんですが、より人間の行動に寄り添ったビジネスドメインの開発も必要となってきます。こうした専門知識のビジネス導入は既に海外企業では実践されており、近年では「行動経済学」や「心理学」のビジネス導入に目を向ける経営者が増えている印象です。

そんな中、行動科学を経営の根幹に組み込むCBO(Chief Behavior Officer)を採用する企業も増えています。そこで今回は、海外のテック企業を中心にCBOなどの心理学・行動経済学のバックボーンを持った人材を求めているという背景と、実際に配置した最新の企業事例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

■なぜ、ビジネス現場で行動経済学・心理学が求められる?

行動経済学とは、心理学に基づく理論を応用し経済行動を分析するための学問です。例えば「人間がどのような心理状態にある時、どのように行動するのか」を研究しています。行動経済学自体はアメリカを中心に1990年代から発展した分野になりますが、注目され始めたのは2002年・2013年・2017年に行動経済学者がノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけであるため、まだ比較的歴史の浅い学問と言えます。

従来の経済学では、「人間は合理的な生き物で、自分の利益が最大化するように行動する」ことを前提としていました。しかし、行動経済学はその逆で、「人間は非合理な意思決定をするもの」という前提で分析されています。

例えば、いつまで経っても成功していないのにある程度の投資したが故に引っ込みがつかなくなり継続しているプロジェクトなどは、まさに非合理な意思決定をしている一例です。こうした非合理性は企業にとって利益につながらないものに対して、行動経済学をもとにしたメソッドを取り入れることで、企業内の非合理的な意思決定を未然に防ぐことが可能です。

さらには、消費者やユーザー、従業員が何を選ぶのか、どう行動するかがある程度予測できるため、目標とする行動へと誘導したい場合にも役立ちます。こうした背景から、アメリカのビジネス現場では行動経済学や心理学のバックボーンを持った人間を求めているのです。

■テック企業を中心にCBOを配置する企業が増えている

行動経済学をビジネスに取り入れる動きが強まっている中、アメリカではテック企業を中心に「CBO」を配置する企業が増えてきました。これまでCBOというと、Chief Branding Officer(最高ブランディング責任者)やChief Business Officer(最高営業責任者)などが一般的でしたが、ここでのCBOはChief Behavioral Officer(最高行動責任者)のことを指します。

CBOは、行動経済学や心理学に基づく知見を活用し、消費者・顧客・従業員の行動変化に取り組みます。大きな役割としては、行動科学・心理学の知見を活かしながら企業のマーケティング戦略を考えることです。戦略の中で生まれた仮説をデータやAI技術を駆使し、検証していきます。アメリカでは元々行動科学について研究してきた専門家に依頼し、社内に置くことが一般化してきました。例えばGAFAを含む以下の企業は、行動経済学に関連するポジションを用意し、採用しています。

では、実際にCBOを配置した海外企業の事例をご紹介していきましょう。

■日本のビジネスに「行動経済学」は浸透するか

世界的な大企業をはじめ、今後行動経済学の需要はかなり高まるものと考えられます。しかし、その一方で世界ではCBOの配置など、行動経済学にスポットを当てている企業が多くみられますが、日本企業ではまだそこまで適用されていない状態です。なぜ日本では未だに行動経済学がビジネスに浸透していないのでしょうか?その理由に以下のようなものが考えられます。

■おわりに

今回は、海外のテック企業がCBOを求めている背景と実際に配置した企業事例などをご紹介してきました。海外では行動経済学を既に自社商品・サービスに落とし込んでいる企業も見られます。研究知見とビジネスを橋渡しする役割を担うCBOという役職を配置することで、専門知識をビジネスへと応用しています。

行動経済学や心理学は人間の感性を理解するために重要な研究分野と言えます。特に商品・サービスへのAI活用が広まっていく中で、人間の感性により近づけるためには行動経済学・心理学は必要不可欠です。将来的に日本企業でもCBOのようなポジションが浸透し、行動経済学・心理学とAI技術がうまく融合させていくことが重要となるでしょう。

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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