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ソーシャルコマース事業を拡大させるTikTokの狙いとは
2022/11/18 ブログ 
by kawakamitakuro 

ソーシャルコマース事業を拡大させるTikTokの狙いとは

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

ソーシャルコマース事業を拡大させるTikTokの狙いとは

今回の放送では、視聴者から頂いた質問に回答するところからスタートしました。

いつも放送を聞いています。そこで1つ質問なのですが、みなさんが「この人は他の人と違うな」と感じる人間の行動や特徴はありますか?前回の放送で再生回数が1位だった「優秀な人材の見つけ方」という回で、みなさんの採用基準について触れられていたのを聞きましたが、会社で一歩抜きん出た存在を目指す上で、具体的にどのような仕事以外の様子を見られているのか知りたいと思いました。

 

他とは違う経験をしているか

出演者の長谷川は普段から技術者と面接をしているため、その時に特に印象的だと感じる人の特徴について話していました。それは「他の人とは違う、難しいことを成し遂げているか」という点です。やはり、これまで経験してきたことのスケールが大きかったり、なかなか他の人が成し遂げられないような実績を持っていると、一目置いてしまうと話します。

また、これは仕事以外の経験でも構いません。例えば、過去に何かしらの競技で全国大会に出場したなど、他の人が経験していないエピソードがあると、気になってしまうようです。いずれにせよ、実績ありきで見てしまう部分があるため、これまでの経験をいかに魅力的に語れるようになるのかが大切かもしれません。

 

動きが速い人

山崎は「動きの速さ」が優秀な人の特徴だと話します。一緒に仕事をしたとしても、どんどん物事が動いていくため、仕事をしていて楽しく、無駄がありません。また石角もこの特徴に共感しており、実際に会議中に出たアイデアをその場で資料にまとめて、完成させていた人がいたと話していました。このように、仕事に対するスピーディさは非常に重要です。

また山崎は他にも「専門的な知識以外にも多くの知識を保有している人」というのを挙げています。経営やITに関するスキルだけではなく、哲学や環境問題など、幅広い知識を保有している人は非常に魅力的です。また、それらの知識をうまく抽象化して繋げられる人は、非常に優秀であると感じます。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

TikTokがソーシャルコマース事業を拡大させる理由

第41回で取り上げる「今週のホットニュース」はTikTok going big on US e-commerce? Job listings offer clues – ABC Newsです。

ニュースの概要

このニュースは、TikTokがアメリカで出した採用ページから、ソーシャルコマース事業の拡大を図っていることを取り上げた内容になります。TikTok採用ページには「アメリカにおける物流や倉庫関連の人材を採用する」と記載があり、本格的にソーシャルコマース事業を拡大させていくようです。まさに、EC最大手であるAmazonに対して勝負を仕掛けていく姿勢が伺えます。

 

ソーシャルコマースの持つ可能性

まず初めに、ソーシャルコマースとは何かを解説します。ソーシャルコマースとは、FacebookやInstagramといったソーシャルネットワークプラットフォーム上において、ブランドやインフルエンサーのページからアプリ内で商品を販売する形態を指します。ユーザーは画面内で商品を購入し、すぐにそのSNSに戻ってこれる点が特徴的です。

Amazonなど通常のECサイトであれば、購入者は能動的に商品購入ページに出向いて商品を購入する必要があります。しかし、ソーシャルコマースの場合にはそのアプリ内で全て完結してしまうのです。つまり、商品の認知・発見・調査・企画・そしてチェックアウトまで、全てのカスタマージャーニーがそのソーシャルネットワーク上で行われるため、新しいタイプのEC体験ができるといえるでしょう。

アクセンチュアのレポートによると、2025年までに全世界で12兆ドル(約176兆円)規模の市場になると言われており、EC全体の約16.7%を占めると予測されています。まさに、大きなイノベーションが起こる領域と言っても過言ではないのです。

 

YouTubeとの違い

次に、TikTokという動画配信プラットフォームとYouTubeを比較してみましょう。やはり1番大きな違いとしては、動画尺の短さが挙げられます。

長谷川は、この特徴とECの利点を組み合わせることにより、通販というよりはテレフォンショッピングに近いスタイルで商品が販売できるのではないかと分析しています。次から次へとおすすめの商品が動画で紹介され、その中からすぐに買いたい商品を購入できるというスタイルは、日本人にとっても親和性が高そうです。ただし、それを実現するために物流まで管理するというのは少しハードルが高いのではないかという見方もしています。

 

デジタル広告は細分化されていく

石角はソーシャルコマースについて、リアルタイムにソーシャルな体験ができる点が魅力的だと話します。友人と一緒の商品を買ってその場でいいねをしたり、商品に関するやりとりをチャット上でできるというのは、これまでのECにはなかった特徴として非常に興味深いです。

またTikTok上の動画がどれも面白く、思わず最後まで観てしまう魅力を持っているため、結果的に商品を購入してしまうことが十分にあるのではないかと分析しています。これまでの動画広告よりも短い尺であることも踏まえると、衝動的に商品を購入してしまうことが増えるかもしれません。

これはある意味、新しいデジタル広告の手法になる可能性が高いでしょう。このように、デジタル広告は今後さらに細分化されていく可能性があります。

 

商品販売の民主化が進むのか

ソーシャルコマースにおいてもう1つ考えることがあります。それは「何を売るか」ということです。

すでに存在する商品をインフルエンサーがTikTok上で紹介し販売するのが、今のデジタル広告の主流です。しかし、ソーシャルコマースが発展した先には、インフルエンサー自身がクリエイターとなって自分の商品を売る時代が来るかもしれません。つまり、若者に人気のインフルエンサーが自分でコスメブランドを立ち上げて、ソーシャルコマース上で販売するということも可能なのです。このように、商品販売の民主化が進んでいく可能性は大いにあるでしょう。

実際、世界的に人気のYouTuberであるMrBeast氏は、ゴーストレストランでハンバーガー店を立ち上げています。そして今では、約300店舗まで拡大しているようです。このように、インフルエンサーがどこかのブランドとタッグを組んで商品を開発し、それを販売するというのは現実的に可能な時代となっているのです。

ソーシャルコマースは、商品販売の民主化を進めるきっかけとなるのでしょうか。今後もLevel 5では、TikTokをはじめとしたソーシャルコマース事業について注目していきたいと思います。

 

今週のおすすめコンテンツ「リディームチーム: 王座奪還への道」

「今週のおすすめコンテンツ」は、石角の紹介する「リディームチーム: 王座奪還への道」です。

こちらのコンテンツは、2004年のアテネ五輪で惨敗したバスケットボール男子アメリカ代表チームが、2008年北京五輪で金メダルを奪還するまでのドキュメンタリーです。石角は特に、コービー・ブライアント氏のリーダーシップに痺れたといいます。バスケット好きは必見の内容となっていますので、ぜひ観てみてください。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#41の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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