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MBAの10年後を予測する – 価値はさらに高まっていくのか
2022/11/25 ブログ 
by kawakamitakuro 

MBAの10年後を予測する – 価値はさらに高まっていくのか

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

MBAの10年後を予測する – 価値はさらに高まっていくのか

イーロン・マスク氏がTwitterを買収してから1週間が経ちました。この短い期間でも多くの改革を進めており、すでに社員の半分を解雇するというニュースも話題になっています。そんなTwitterの一連のニュースから「コンテンツモデレーション」に関する問題について興味深いツイートを発見したので、それを取り上げながら議論するところから放送がスタートしました。

 

Redditの元CEOが語るコンテンツモデレーション

初めに「コンテンツモデレーション」について説明します。コンテンツモデレーションとは、不特定多数のユーザーによって投稿されたインターネット上のコンテンツ(書き込み・画像・動画)を監視する「モニタリング業務」のことです。ヘイトスピーチのような問題のあるコンテンツの場合、それらを規制するためにコンテンツモデレーションが必要となるのです。

しかし、コンテンツモデレーションには問題がありました。それは、コンテンツモデレーションを監視する人たちの疲労やストレスです。現状のやり方では、コンテンツを監視するために多くの監視員が必要になります。そして、それら監視員は沢山の不適切な投稿を確認することになるため、疲弊したりストレスを抱えてしまうことが多かったのです。

そこでRedditの元CEOであるイーシャン・ウォン氏が、これらの問題の解決方法についてツイートしています。それは「コンテンツが出された時の人々の反応をデータ化し、客観的に危険なコンテンツを把握する」といった方法でした。つまり、データをもとにコンテンツモデレーションを行うことで、人海戦術から脱却できるということなのです。

 

AIや機械学習が解決のヒントになる

このように、コンテンツモデレーションの分野とAIや機械学習の分野は親和性が高いです。多くの人員を割いてきた部分だからこそ、技術との組み合わせで解決できることがあるのではないでしょうか。今後、イーロン・マスク氏がいかにしてTwitterを改革していくのか、この問題を含めて注目です。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

海外MBA留学の10年後を予測する

第44回で取り上げる「今週のホットニュース」はMBA 2022 – Business school rankings from the Financial Timesです。

ニュースの概要

今回は視聴者からいただいた質問をもとに、「海外MBA留学の10年後を予測する」というテーマで議論しました。

現在、外資系の会社でアラフォーのサラリーマンをしています。今回、会社で早期退職を実施することになり、キャリアに対して向き合う機会がありました。選択肢として、会社に残ること・転職すること・留学することを考えています。また、パネラーのみなさんの影響もあり、海外でのMBA取得にも興味があります。今の会社でも、MBAホルダーやビジネスレベルでの英語力をもった方は、会社の意思決定に関わる機会が多いと感じるからです。

人生100年時代で学び直しが必要ということもわかっているのですが、どこかで海外留学することに迷いや弱気な自分がいます。ちなみに早期退職制度を利用するので、お金には余裕があります。また、仕事に関してはやりがいもあり、給料・福利厚生も含めて恵まれている状況です。持っているスキルとしては、営業職・TOEIC700・プログラミングも多少できる程度です。

差し支えなければ、みなさんのMBAに対する考えやキャリアについてアドバイスいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

 

ミッドキャリアMBAという選択肢

出演者の山崎は、ミッドキャリアMBAという選択肢を提案しています。ハーバードビジネススクールに通う学生の多くは25~35歳であることから、アラフォーだからこそ活用できる選択肢の1つかもしれません。一度外資系の企業に転職し、そこで成果を出した上で企業に所属しながら留学することも選択肢の1つです。

また、MBA留学においてTOEICや英検のスコアは使えないため、必ずTOEFLを受ける必要があります。留学する以上、ある程度の語学力を備えておくことは重要なので、まずは1度TOEFLを受けてみて自身の英語力を把握してはいかがでしょうか。

 

不確実性の元での楽観性

長谷川はリスナーに向けて、強化学習における格言を紹介しています。それは「不確実性の下での楽観性」という言葉です。

「いくつか選択肢がある場合、良い方向に転んだ時に大きなペイオフが待っている選択肢を選ぶべき」という意味を持っており、今回の質問者様の状況にも当てはめることができるのではないでしょうか。転職や留学など複数の選択肢が存在するのであれば、うまく行った時のペイオフが最も大きい選択肢を選んでみるのが良いかもしれません。

 

MBAで総合能力を上げる

ここまで質問に対する回答をしてきましたが、そもそも海外MBA留学はこの先どうなるのでしょうか。石角は、MBA留学の価値は今後さらに高まっていくと予測しています。

新型コロナウイルスによって、Amazonなどの有名企業でのMBAホルダー採用が加速しています。これは、予測できない事態に対応できるだけの思考力・戦略立案能力・実行力を兼ね備えている人材を求めているからです。MBAでは1つの学問だけではなく、ビジネスを中心として様々な学問を体系的に学ぶことができるため、総合的な能力を育てることができるのでしょう。

また、ケーススタディやグループワークも盛んに行われています。この経験から、発言力やコミュニケーション能力・人を説得する力が身につけられるでしょう。自分の意見をうまく投げ込むこと自体が非常に大切なスキルになるため、MBA取得は大きなアドバンテージになるかもしれません。

 

オンラインの問題点と重視される項目

長谷川は、10年後のMBAでは更にオンライン化が進んでいるのではないかと予測しています。ジョージア工科大学ではすでにオンラインで修士号が取れるプログラムも用意されており、ビデオレクチャーの質も非常に高いようです。

しかし、オンラインにも問題点があると指摘します。それは「ライブ感の実現」です。先述した通り、MBAではケーススタディやグループワークが盛んに行われます。そこで今のオンライン会議ツールだけでは、議論の熱までは伝わり切らない可能性があるのです。

そこで注目されるのが、Level 5でも度々取り上げられているメタバースです。メタバース上で実際のキャンパスを完全再現し、雰囲気まで限りなく寄せることができれば、オンラインでも内容の濃い経験ができるかもしれません。できるならば、授業が終わった後に教授の周りに集まる生徒の様子まで再現してほしいです。

また、the Financial Timesが出している2022年の世界MBAランキングをみてみると、評価基準にソーシャル&ガバナンスという項目が追加されていることが分かります。このことから、ダイバーシティなどの視点はMBA選定における大切な要素になるかもしれません。

 

今週のおすすめコンテンツ「How Will You Measure Your Life?」

「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川の紹介する「How Will You Measure Your Life?」(日本語訳「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」)です。

こちらのコンテンツは、ハーバードビジネススクールの教授であるクレイトン・クリステンセン氏が書いた本になります。「どうやって自分の人生をはかるのか」というテーマをもとに、クリステンセン氏の珠玉の言葉が詰まった一冊となっていますので、興味のある方は、ぜひ一度読んでみてください。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#44の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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