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アメリカの小売り大手がデジタルヘルス市場に参入する背景とは
2023/01/12 ブログ, PAIoneer, PAIoneer PRO 
by suzuki 

Amazon、Walmart、CVS
アメリカの小売り大手がデジタルヘルス市場に参入する背景とは

アメリカでは、医療を受ける診療所の買収が広がっています。これは、医療業界の急速な経済的変化、医療費の増加、医療改革などが影響していると考えられており、大規模な保険会社や病院グループが小規模な診療所を買収することで、より効率的な医療サービスを提供を目的とした買収が増えています。

近年の特徴的な動きとして、アマゾンや、ウォルマートといった巨大な資本を持った小売企業がヘルスケアビジネスを買収する動きを見せており、注目が集まっています。

過度なインフレが続くアメリカでは、医療費の上昇は問題視されており、患者側の負担や事業主の負担は年々大きくなっています。この問題を解消して業界の覇権を握るべく力を注いでいる各社の動きについて紹介します。

アメリカのデジタルヘルスケアビジネスの現状

Markets and Marketsが発表した2023年の最新レポートによると、米国のデジタルヘルスケア市場は、2022年時点で3,946億ドルで、2027年までには9,745億ドルの規模に達すると予測されています。

この成長の背景には、コロナによる電子処方箋の浸透や、オンラインでの遠隔診療のような技術の向上、デジタルヘルスサービスや製品を提供する医療機関の増加によるものとされています。デジタルヘルスケア業界は、遠隔医療や遠隔患者モニタリング、医療情報技術(HIT)、電子処方、オンライン医療サービスなど、幅広いサービスが含まれます。

また、米国のデジタルヘルスケア市場の成長は、糖尿病や肥満など、常時監視と長期的なケアを必要とする慢性疾患の普及が進んでいることも要因となっています。このため、患者の状態管理を支援するデジタルヘルスケアソリューションに対する需要が高まっています。 さらに、医療保険制度改革法(ACA、通称オバマケア)の導入拡大により、医療機関はコスト削減、患者ケアの質を向上させるためにデジタルヘルスケアソリューションを導入するようになりました。

ACAは、メディケイドの適用拡大、個人が保険に加入するための補助金の支給、医療保険市場の創設など、さまざまな条項を通じて、安価な医療保険へのアクセスを向上させることを目的としています。これにより、アメリカ国民の医療へのアクセスを向上させる上で大きな成功を収めました。医療提供者へはコスト削減によるインセンティブも与えるられており、医療費の削減にも寄与するだけでなく、新しいソリューションの導入が進む一翼を担っています。

アマゾンによるワンメディカルの買収

アマゾンは22年7月、ヘルスケアサービスを展開するOne Medicalを過去3番目に巨額な約39億ドル(約5400億円)で買収すると発表し、世間を驚かせました。これは、Amazonがかねてから取り組んでいたヘルスケアサービスの拡充に向けて、再び挑戦するという強い意思表示になります。

日本のように国民皆保険のような社会保障制度がないアメリカでは、国民に健康保険加入義務は実質的にありませんが万が一に備え、医療保険に加入するのが一般的になっています。そんなアメリカの医療保険では、かかりつけ医の登録が必要となります。多くは保険会社のネットワーク内からかかりつけ医を選び、ユーザーが医療機関を受診する際にはそのかかりつけ医を利用するというシステムになっています。

日本とは違い、緊急時を除き、病気や、ケガ、健康診断、健康相談もかかりつけ医を受診します。特定の疾患とわかっていて専門医に受診してほしい場合も、まずはかかりつけ医を受診して、専門医への紹介状を書いてもらう必要があります。

アマゾンはそんな診察予約や薬局への処方薬の受け取りといった体験を「再発明することを目的としている」と宣言しており、これに非常に期待がかかっています。

先日、オレゴン州の保健機関がアマゾンによるOne Medicalの買収を承認したため、取引完了に必要な最後のステップの一つが完了しました。買収は今後数週間のうちに最終決定される見込みと言われています。

アマゾンはワンメディカルを買収することで、遠隔医療、デジタルヘルスツール、プライマリーケアサービスなど、既存のヘルスケアサービスをさらに拡大していく計画です。また、今回の買収により、ワンメディカルは巨額の資金を得ることになり、新たな市場へのサービス拡大していくことが期待されてます。

巨大小売企業がヘルスケアに注力する背景

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AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
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※石角友愛の著書一覧

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