
2025年は、生成AIが「試すフェーズ」から「組織や社会に組み込まれるフェーズ」へと明確に移行した一年でした。また一方では、著作権・監査証跡・ガバナンスといった「運用責任」が急速に現実問題として立ち上がった一年でもあります。
AIエージェントといった技術トレンドへの関心が高まり、AIが“考える・動く存在”へ進化していく可能性がより現実味を帯び、「使えば成果が出る」のではなく、どう設計し、どう再投資し、どう定着させるかが問われる局面へと入っていきます。
著作権、監査証跡、説明責任といったテーマも際立ち、生成AIの活用が広がるほど、「AIが出した結果を誰がどう引き受けるのか」という問いが現実の経営課題として浮上しました。AI規制やガバナンスは、もはや一部の先進企業だけの話ではなく、あらゆる企業にとって無視できない前提条件となりつつあります。
同時に、半導体・データ・量子技術といった基盤領域の動きも活発化し、AI競争はモデル性能だけでなく、供給制約や研究開発体制を含めた総力戦の様相を強めました。AIは「便利なツール」ではなく、経営戦略そのものに直結するテーマとして扱われ始めています。
The Insightでは、こうした一年を通じた変化を背景に、技術解説だけでなく、意思決定者が考えるべき視点・リスク・設計思想に焦点を当てて記事を発信してきました。
以下では、2025年に公開した記事をテーマごとに整理し、いま読み返す価値のある記事をまとめて紹介します。
2025年は、生成AIが「文章生成」から「タスク実行」へ広がり、エージェントが現場に入り始めた年でもありました。一方で、権限設計・監視・例外処理など、導入側の設計品質が成果を左右します。
企業にとって重要なのは「AIを導入すること」だけでなく、説明責任・監査可能性・コンプライアンスを前提に運用できるかです。2025年後半は特に、著作権や監査証跡の論点が顕在化しました。
進むAI法整備!AIモデルの説明責任とは 〜前編〜
https://www.paloaltoinsight.com/2025/11/26/ai-model01/
生成AIの活用が進む中で、なぜ監査証跡(ログ・履歴管理)が求められるのかを整理し、法規制やガバナンスの観点からその重要性を解説。
AIアドボカシーとは?NPOが支える人間中心のイノベーション〜前編
https://www.paloaltoinsight.com/2025/06/25/ai_advocacy01/
AI活用における人間中心・説明責任という考え方と、米国を中心としたAIアドボカシーの役割を整理。
AIアドボカシーの事例と課題〜後編
https://www.paloaltoinsight.com/2025/07/02/ai_advocacy02/
米国の事例から、AIの公平性や責任を巡る課題とガバナンスの論点を整理。
生成AI導入は「ツール配布」ではなく、業務プロセスと人の時間配分をどう再設計するかが本質です。特に、余剰時間の再投資や、組織導入時のリスク管理が焦点になります。
AIの競争力は、モデル性能だけでなく、半導体・データ・研究開発体制といった供給制約にも左右されます。経営レイヤーが中長期のリスクと機会を捉える上で押さえるべき領域です。
半導体サプライチェーンのチョークポイントを担う企業とその製品〜後編
https://www.paloaltoinsight.com/2025/04/23/semiconductor_supply_chain/
AI競争のボトルネックとなる重要企業と製品を具体的に解説。
Google Quantum AI Labとは?量子技術がAI開発を加速〜前編〜
https://www.paloaltoinsight.com/2025/04/02/google-quantum-ai-lab01/
量子技術とAI研究を融合させるGoogle Quantum AI Labの概要を整理。
Google Quantum AI Labの技術と競争環境 〜後編〜
https://www.paloaltoinsight.com/2025/04/09/google-quantum-ai-lab02/
量子AIを巡る技術的進展と、各社の競争環境を解説。
AIのマルチモーダル化はどこまで進むのか – 前編
https://www.paloaltoinsight.com/2025/01/29/ai_multimodal/
テキスト以外の情報を扱うマルチモーダルAIの進化と影響を整理。
マルチモーダルAIのカギとなるXR技術と課題 – 後編
https://www.paloaltoinsight.com/2025/02/05/multimodal_ai_xr/
XR技術との融合がマルチモーダルAIにもたらす可能性と課題を解説。
AI開発競争で注目のデータ収集ビジネスとは?〜前編〜
https://www.paloaltoinsight.com/2025/02/19/ai_development_race01/
AI開発を左右するデータ収集ビジネスの仕組みと役割を整理。
AI開発競争で注目のデータ収集ビジネスとは?〜後編〜
https://www.paloaltoinsight.com/2025/02/26/ai_development_race02/
データ収集を担う企業や事業モデル、直面する課題を解説。
2025年は、AIを「どう使うか」ではなく、「AIとどう向き合い、どう引き受けるか」が問われた一年でした。生成AIやエージェント技術は、確かに目覚ましい進化を遂げました。しかし同時に、法規制・著作権・説明責任といった論点が前面に出てきたことで、AIはもはや“便利な道具”ではなく、経営判断や組織責任と切り離せない存在になったことが明確になりました。
2026年に向けて重要になるのは、次の3つです。
ひとつ目は、AIを使う前提条件をどう設計するか。
ルールやガバナンスを後付けで考えるのではなく、最初から組み込んだうえでAI活用を進められるかが、企業の信頼性を左右します。
ふたつ目は、AIをどこまで任せ、どこで止めるか。
エージェント化が進むほど、「任せられる領域」と「人が引き受ける判断」の線引きが、より重要になります。技術選定以上に、設計思想が問われるフェーズに入っています。
そして三つ目は、AI競争の本質を見誤らないこと。
モデルの性能差ではなく、データ、半導体、基盤技術、そしてそれを使いこなす組織力。AIの勝敗は、目に見えにくい“土台”で決まり始めています。
変化が速い時代だからこそ、大切なのは「新しいかどうか」よりも、どう見極め、どう判断するかす重要です。すべてのトレンドを追うことはできません。だからこそ The Insight では、ニュースそのものよりも、考えるための視点や判断の軸を届けることを大切にしていきたいと思います。
2026年も、変化の中で判断するためのヒントを発信していきます。
パロアルトインサイトは企業のAI技術導入をサポートいたします。業務の効率化や自動化、DXの取り組みの一つとして、企業の課題に応じたAIソリューションをご提案させていただきます。AI導入における社内リスキリングもご相談を承っております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
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2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
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※石角友愛の著書一覧
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