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AIエージェント導入事例、企業活用の現在地を解説 〜前編〜
2026/07/29 ブログ, PAIoneer PRO, The Insight 
by kawakamitakuro 

AIエージェント導入事例 企業活用の現在地を解説 〜前編〜 従来の生成AIが文章作成や要約、情報検索などを支援するのに対し、AIエージェントは社内データの収集、申請処理、顧客対応、IT運用といった複数の業務を自律的に進めます。 AIエージェント導入は企業にとって、人件費や作業時間の圧縮、定型業務の効率化、対応速度の向上など大きなメリットをもたらしてくれます。一方で、誤処理、情報漏えい、権限の逸脱、責任の所在が曖昧になるといったリスクも注意しなければなりません。 前編では、AIエージェントの基本的な特徴と、企業で進む最新の導入事例を紹介します。 目次 AIは「使う」から「任せる」へ AIエージェントの現在地 Anthropic|チームの仕事を管理 Mantel|複数の情報をまとめる LTM|人事手続きを進める LINEヤフー|顧客対応を自律化する Iberdrola|複数のAIを連携させる AIは「使う」から「任せる」へ 従来の生成AIは、人間が作業ごとに指示を出し、生成された内容を確認する必要がありました。高い処理能力を持っていても、何をするか、どの順番で進めるかを決めるのは人間です。 一方でAIエージェントは、「何をするか」「どの順番で進めるか」を自律的に決定し、実行までします。人間が一つずつ業務指示をする必要はありません。たとえば、問い合わせ対応であれば、関連情報を確認し、問い合わせの内容を分類し、対応方針を選び、必要に応じて人間へ引き継ぐところまで一連の業務を担ってくれます。 現時点では、クラウドサービスや社内システム上で動くAIエージェントが中心です。しかし、フィジカルAIやロボティクスが進化すれば、製造、物流、店舗運営、設備管理など、現実社会での判断と実行を担うようになってくるでしょう。 次章では、企業が実際にどのような仕事をAIエージェントへ任せ始めているのかを、具体的な導入事例から確認します。 AIエージェントの現在地 今、実際のAIエージェントは、どのような仕事を担っているのでしょうか。ここでは最新のAIエージェントの事例を紹介していきます。実はすでにPOC段階を経て、業務実装は大きく進んでいます。 Anthropic|チームの仕事を管理 Anthropicは、Slack上で利用する「Claude Tag」の社内版を、開発やサポート業務に組み込みました。すでにプロダクトチームが作成するコードの65%が社内版Claude Tagによるものだとされています。コーディングだけでなく、製品データの調査、サポートチケットへの対応、不具合の原因分析にも活用されているようです。 注目すべき特徴は、社員が個別に使うのではなく、Slackのチャンネル内で共通のAIエージェントに仕事を任せている点です。このため、ワーカーごとにアクセスできるチャンネルやツールを限定し、利用上限や実行履歴も管理することができます。業務委任と権限管理を一体で進めることが可能です。 Mantel|複数の情報をまとめる コンサルティング企業のMantelは、Googleの「Gemini Enterprise」を使い、SOW(作業範囲記述書)の初稿を作成するAIエージェントを開発しました。複数の社内システムをまたいで成果物を作る実務的なAIエージェント事例です。 AIエージェントは、顧客情報、Googleスライドの提案内容、Googleドキュメントの議事録を横断して必要な情報を集めます。これにより初稿作成に伴う手作業を20〜75%削減することに成功しています。一方で、正確性を確認する最終工程は人間が担います。ガバナンス対策もしっかりと取られているようです。 LTM|人事手続きを進める LTM(インドのITコンサルティング企業)は、Microsoft Copilot Studioで人事AIエージェント「RAIma」を構築しています。RAImaはSharePoint、ServiceNow、社内人事システムと接続し、人事制度への質問に答えるだけでなく、休暇申請、座席予約、備品申請、サービスチケット作成などを実行します。 RAIma導入後の社員とのやり取りは約50万件に達し、生産性は15%程度向上したといわれています。AIが情報検索の窓口から、社内手続きを進める実行主体へになりつつあることが分かります。 LINEヤフー|顧客対応を自律化する LINEヤフーは、Salesforce製のAIエージェント「Agentforce」をYahoo! JAPANのカスタマーサポートに導入しています。チャットでは月間2万5,000件のFAQ対応を行い、利用者の質問内容に応じて、社内ナレッジや注文データ、ケース履歴などをもとに回答します 。 メール対応では、問い合わせの分類、回答作成、送信までを自律的に進め、月間4万8,000件の問い合わせを処理しています。複雑な案件は、関連情報を添えて担当者へ引き継ぎを行います。 Iberdrola|複数のAIを連携させる スペインのエネルギー企業Iberdrolaは、企業向けの構築・運用プラットフォーム「Amazon Bedrock AgentCore」を使い、IT運用を支援する複数のAIエージェントを構築・導入しています。 各エージェントは、システム変更申請の必須項目確認、過去の障害情報の収集、インシデントの分類、適切な変更手順の提案など、異なる役割を担当します。必要に応じて複数のエージェントが連携し、数千件規模の変更申請や障害チケットの処理を支援します。 Palo Alto Insightでは、AI導入・AI戦略の検討段階から、企業の状況やリソースに応じたAI導入を支援いたします。ぜひお気軽にご相談ください。 お問い合わせはこちらから。https://www.paloaltoinsight.com/contact/…

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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