
AIの普及を背景に、半導体製造をめぐる競争はこれまで以上に激しくなっています。半導体メーカーの競争といえば、回路の微細化というイメージを持つ方も多いと思います。しかし、現在の競争軸はそれだけではないようです。
後編では、世界の先端企業に共通するコア技術の条件と、日本企業が半導体産業で存在感を高めるための可能性を整理します。

主要半導体メーカー3社の取り組みを俯瞰すると、半導体覇権を左右するコア技術には、次の3つの条件があると考えられます。
AI半導体の性能が高まるほど、競争の制約は演算能力そのものから、データ移動、メモリ容量、通信、消費電力など周辺領域へ移っていくことが予想されます。
つまり、開発企業には現在の課題を解決するだけでなく、技術進化の先で何が次の制約になるのかを見極め、その解消手段を先に確立することが重要になります。TSMC、SK hynix、NVIDIAも、それぞれ実装、メモリ、接続という異なる領域から、AI半導体の次のボトルネックを想定し、先回り対処する形で競争力を築いています。
単に高性能化を進めても、同等品へ容易に置き換えられる技術・製品では長期的な優位性を築くことにつながりません。
SK hynixは顧客のAIチップや用途に合わせてベースダイや構造を最適化する「Custom HBM」を進めています。NVIDIAはNVLink FusionをCPU、カスタム半導体、IP企業まで使えるエコシステムへ拡大しています。両社は製品単体の性能差に加え、顧客との共同設計や周辺技術との統合まで行い、他社への切り替えを難しくしているのです。
コア技術には、必要な品質と数量を安定して市場へ供給できる「量産性」も求められます。いかに試作段階で優れた性能を発揮しても、歩留まりや生産能力、供給体制に課題があれば、市場でのプレゼンスは低下していきます。
実際、TSMCは先端半導体や先端パッケージングの生産能力を拡大し、SK hynixもHBM需要に対応するため大規模な工場投資を進めています。ファブレスのNVIDIAも、製造企業やサーバーメーカーなどと連携し、新世代製品を世界へ供給する体制を構築しています。
つまり、量産時にも品質と性能を維持し、市場の需要に継続して応えられることが、半導体のコア技術の条件の一つとなるのです。

ここまで見てきた世界の先端企業は、AI半導体の性能を左右する領域で独自の技術を磨いています。では、日本企業はどうなのでしょうか。日本が半導体産業で再び存在感を高めるには、同じ技術を追うだけではなく、これから必要とされるコア技術を確立し、それを競争力につなげられるかが重要です。そこで注目されるのが、Rapidusと半導体素材企業の動向です。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
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※石角友愛の著書一覧
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