アメリカ最新AI情報満載!セミナーや講演情報など交えて毎週水曜配信 無料ニュースレター 下記へメールアドレスを入力し無料で登録
CLOSE
パロアルトインサイト/ PALO ALTO INSIGHT, LLC.
ニュースレターNEWSLETTER
パロアルトインサイト/PALO ALTO INSIGHT, LLC. > ニュースレター「Moonshot」 > 激動のシリコンバレー1週間

激動のシリコンバレー1週間

2019/03/11 ニュースレター「Moonshot」 
by 関口 
こんにちは、CTO長谷川です。

シリコンバレーでは激動の1週間でした。

まず、ザッカーバーグがプライバシーを重んじるソーシャルネットワークのビジョンを公開しました。中でも面白かったのは、ソーシャルネットワークに対する人々の姿勢が変わってきたことを背景に、メッセージングなどのプラットフォームを中心としたプライベートなネットワークに注力していくということでした。これまでのフェースブックのスタンスと180度違うなという印象を受けました。これまではというと、フェースブックはソーシャルネットワークをよりオープンにするということをものすごく大事にしてきたと思います。匿名性を排除することによって、コンテンツの質が高くなるし、人と人との繋がりがより一層深いものになる。

コンテンツに賞味期限をつけるというのは非常に良いアイデアだと思いました。誰もが振り返ると恥ずかしいとか知られたくない過去とかを持っているはずで、それがたまたまフェースブックに載ったからと言ってそれが一生残るのは良くないことだと思います。そして事実、SnapChatなどの短時間コンテンツアプリはその思想をベースに発展しています。

そもそもプライバシーとグローバルなソーシャルネットワークというのは両立できるものなのでしょうか。ここは文化人類学的な観点からも洞察が必要になってくると思います。良く弊社の石角が言う「AIバイリンガルな人材が重要」と言うのも、このフェースブックの失敗から見て取れると思います。特に2000年代後半の、破竹の勢いで伸びていた時のフェースブックは、それこそソフトウェアエンジニアの中でも超優秀なトップ1%が行くような場所でしたが、その当時からより視野が広い人材を取り入れていたらこういう事態になっていなかったと思います。

例えば、当時の技術者の動画をいくつか覚えていますが、「数億ユーザー規模のソーシャルネットワークでそれぞれのユーザーが毎日写真を投稿していると、どのようにその写真を永続的に保管し早くサイトに表示できるかを日々考えている」というようなことを言っていた技術者がいたことを覚えています。確かに技術的に(しかも当時のクラウドの状況では)大変難しい問題ですが、そこには「果たして一生写真を取っておくことがユーザーに取って幸せだろうか」といったような会話は一切なかったのだろうなということを推測します。ジュラシックパークの有名なセリフをとると「彼ら(科学者たち)はそれが達成できるかどうかの実現性に夢中になってしまっていて、ちょっと立ち止まって自分たちがしていることが正しいのかを問うことはなかった」のかもしれません。

それを今になって大きく舵を取って方向性を変えようとしているザックはすごいなと思いますが、多少手遅れ感も否めません。今やフェースブックは完全に悪役になってきてしまっているからです。メディアや政治家からは叩かれるし、優秀なエンジニアも行きづらい場所になってきています。こないだ参加した勉強会の中で、会場の約100人くらいのエンジニアに「この中でフェースブックに就職したいと思う人」という問い掛けに手を上げたエンジニアはごく数名でした。もちろん金銭面では高い報酬を支払うので、それでも人材には困らないと思いますが、一昔前の金融と似たような状況になってきていると思います。

そんな中でマサチューセッツ州の衆議院議員のエリザベスウォーレン氏が、「巨大IT解体」を唱えていることをニューヨークタイムズが取りあげました。アマゾンもニューヨークに拠点を作ることを断念したことが話題になりましたが、確かにフェースブックを筆頭に、「ビッグテック」に対する風当たり、そしてシリコンバレーに対する風当たりも強くなってきた感じがします。

皆様はどう思いますか?プライバシーとSNSの両立は可能でしょうか?ビッグテックは解体されるべきでしょうか?

最後に、和む話題で、ティムクックがツイッターで自分の名前を「ティムクック」から「ティム?」に変更しました。実はこの変更には裏話があって、トランプ大統領との面談で、大統領がアップルは米国で多くの雇用を生み出していることを讃えているときに間違えてクック氏のことを「ティムアップル」と呼んでしまった直後に、このようにツイッターで名前を変更したらしいです。ネットではこれが大ウケして、「ジェフアマゾン」や「マークフェースブック」などの名前も作られたようです。

ではまた。

長谷川パロアルト

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

NEWSLETTERパロアルトインサイトの
無料ニュースレター

毎週水曜日、アメリカの最新AI情報が満載の
ニュースレターを無料でお届け!
その他講演情報やAI導入事例紹介、
ニュースレター登録者対象の
無料オンラインセミナーのご案内などを送ります。

BACK TO NEWSLETTER
« »
PAGE TOP