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AmazonリアルタイムマーケティングにAI技術を活用してみて2

2019/09/05 ブログ 
by 辻 智範 

こんにちは。パロアルトインサイト、データサイエンティストの辻です。ニューラルネットワークをAmazonリアルタイムマーケティングに使用した事例を以前のブログで掲載しましたが、今回はさらなる高みを目指し、今までのモデルをさらにリアルタイムで対応できる強靭なシステムに改良したお話をします。

以前のプロジェクトではAmazon上での商品の売り上げ、利益率を2倍以上アップすることに成功しました。新プロジェクトの協議を進め、eLcrews社(旧エルフィード社)のECビジネスをさらに伸ばすためには、売り上げの他に販売価格を予測することで商品の仕入れ価格に反映させ、より効率よく利益を確保する必要があると考えました。しかし価格予想が少しでも間違えてしまうと、仕入れ価格・利益に影響が出てしまうため今ままでのモデルよりも価格の精度をより一層高める必要がありました。そのためより精度が高く、またAmazon内のシステム変更にも迅速に対応できる強靭なモデルを作ることを課題とし開発に取り組みました。

前回のプロジェクトではアンサンブルモデルという複数の予測アルゴリズムを使う価格予測モデルを開発しました。その中の1つのKNNモデルでは、大量の過去のデータを使い予測を行うため、古いデータに依存し新しいデータを取り込むのに時間がかかる傾向がありました。このためにデータの質が下がり、アンサンブルモデルの効果が弱くなるケースが発生しており、よりリアルタイムに対応するためにはより少ない、最新のデータで予測を行う必要がありました。しかしながら単純に最新のデータのみを使うとデータ数が少なくなり予測データが不足するというジレンマを解決しなければいけません。そこで、これまでのプロジェクトの経験を使い、より価格予測に関係のあるデータのみを選別し学習データの質をあげることに成功しました。

下記の正解率フローはアルビアルダイアグラムと呼ばれるもので、予測値の結果を正解・不正解にあらかじめ定めた基準に分けてフローを示したものです。このような分析を行うことで、どのような場合に予測が外れるかを細かく分析します。これによりKNNモデル自体の精度を高め、アンサンブル全体の効果も迅速に回復できるよう汎用性を高めることができました。

結果以前よりもより安定した学習データを使用できるようになり、ポイント還元率の変更などに素早く対応し、より短い時間で予測値を変更できるアルゴリズムが出来上がりました。ここでの重要なポイントはKNNモデルの根幹部分には大きな変更を加えなかったことです。いかに事前に学習データを分析してより価格と関連性の高いデータを選別すること、必要なデータはデータ変換を行うことが大切かがわかります。

今回のプロジェクトを実行した事で、カートを取れる商品の数が約3倍になり、売上高も約1億円近く伸びる結果となりました。またAIをアルゴリズムに使用することにより価格の自動修正が行われ、メインテナンスに必要な作業も軽減しました。

最後に、AI開発は課題を明確にし、アジャイル開発をする手法が非常に大事だと思います。目の前にある課題をクリアすることで次のステップが明確になり、早期のROIを実現しつつビジネスを展開を可能にします。AI開発を経験した事がない企業様もAI導入の結果を確認しつつ、より良いビジネス戦略を立てる事ができます。eLcrews社とのプロジェクトは学習データの蓄積をしながら、フェーズを得てモデルを構築してくアジャイル開発をしており、今後AIプロジェクト導入をお考えのお客様にモデルケースとして是非参照していただきたいプロジェクトです。

プロジェクトの軌跡

* 線形モデルはeLcrews社により開発されたモデル

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