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ボストン小児病院が開発したヘルスマップ

2020/03/03 ニュースレター「Moonshot」 
by 関口 

HealthMapの取り組み

こんにちは。パロアルトインサイトの座間です。梅の開花が見られるこの頃いかがお過ごしでしょうか。

最近、専ら私の関心はコロナウイルスの拡大状況にあります。実は家族が暮らすエリアでも発熱された方が見つかったようで、すごく心配です。特に体力が下がっていらっしゃるご年配の方や、基礎疾患の有る方は、疲れをためないようにお過ごしください。今回は、アメリカの小児病院が始めたHealthMapの取り組みを紹介します。

このAIプロジェクトは、このプロジェクトは2006年にボストン小児病院のCIO(チーフ・イノベーション・オフィサーの)JohnBrownStain氏がリードするチームから生まれました。免疫機能が発達中の小さなお子さんにとって、ウイルス性の病は大きなリスクです。彼らは、世界中の行政公開情報やレポート、ニュースなどから(データ元リストはこちら)24時間365日、自動で情報を集める仕組みを構築し、統計的な手法を用い適切な情報のみを分別して、オンラインのマップに反映することに成功しました。どこで・どのようなウイルスが発生しているのか、直感的にわかりやすいインターフェースからモニタリングすることができます。病院発のプロジェクトですが、海外への旅行や出張の際のリスクチェックなどに使うユーザーもいるかもしれませんね。アメリカではインフルエンザが猛威を振るっていることもわかります。

また、今年の2月6日には、コロナウイルスの症例が出たときにどのように対応するべきかについて、サポートするアプリが同チームより発表されたことで注目されています。

前回のメールマガジンではアメリカのUberのダイナミックプライシング(前回記事URLにおける倫理的な問題について配信がありましたが、日本でもつい先日メルカリでマスクの取引についての自主的な規制が発表されました。

メルカリアプリでは、販売したい商品を登録する際に、売れやすい価格帯がAIによってレコメンドされる機能が搭載されています。(出品は行わなかったものの)実際にマスクの出品準備を試してみたところ、通常時の10倍以上の価格がレコメンドされたので驚きました。

リモートワークの生産性について

今回のウイルス予防として、先日NTTが従業員約20万人がテレワーク(リモートワーク)を推奨するニュースが発表されました。少し昔のハーバード・ビジネス・レビューの記事によれば、在宅勤務だけでなくフレキシビリティある働き方が認められる企業においては、従業員の知的生産が約4.4%向上するという報告があります。アメリカにおける特許をベースに価値を算出すると、この4.4%は毎年約1.3billions (1300億円)に相当するといいます。デジタル化によりリモートワークを支援するためのツールは拡充しており、柔軟な働き方による効果は経済面はもちろん、従業員が通勤コストを回避して望む場所で暮らすといった豊かさを生み出すこともできます。

とはいえ、本当に誰でもがテレワークによって生産性が上がるのでしょうか。アメリカで心理学について研究するAmerican Phycological Associationではテレワークは”正しく”行われたときに、生産性・創造性・道徳性を高めるという調査結果が報告されています。

ここで”正しく”と注意書きがある理由としては、私たちには社会的に孤立しないための工夫が必要という点にあります。一週間毎日リモート勤務した場合と、数日は出社した場合では後者がより生産性が高まるという研究結果から見られるように、社員間のコミュニケーションが失われたときには必ずしも仕事の生産性が向上しない場合もあるといいます。

同記事では、社員間の「親しさ」は、物理的な距離でなく、好きなテレビ番組などといった個人的な共通点が生み出すということが解明されています。テレワークがより進むときに、オフィスで交わされていたちょっとした雑談の代わりに、チャットツールなどがより使われるようになるのかもしれません。

私もパロアルトインサイトでリモートワークに取り組むようになってからは、シアトルのメンバーとのテレビ会議(と近況報告)をした後に、家族との朝食をとるようになりました。午前中に集中して業務に取り組めることや、夕方の時間帯に技術系の勉強会に参加しやすくなったのが利点だと感じています。

それでは良い一日をお過ごしください。

石角より一言メモ:

パロアルトインサイトは100%リモートワークの会社なのですが、経営者として感じることは「モートワークが適している人と、そうでない人がいるということです。個人差があると思いますが、人との触れ合いを大事にする人、Watercooler(お茶飲み場)でのおしゃべりを大事にする人もいます。しかし、私の経験からすると、お茶飲み場からイノベーティブなアイデアは生まれたことがなく、準備をして、自分の頭で考え一人で集中したワークの結果、それを他者とぶつけてイノベーションが生まれることが多いです。そういう意味でも、周りの人から「ちょっと、いい?」と言われない環境=リモートワークが集中する作業には不可欠だと考えています。

(ちなみにリモートワークとは、在宅勤務のことに限らず自宅近くのオフィスを借りる働き方もリモートワークです。今後、まちづくりのドライバーとして住宅街にオフィススペースを開発する動きが出てくるという話を聞きましたが、とても良いアイデアだと思います。)

特にエンジニアなどはこの環境づくりをすることが経営者としてとても大事であり、同じチームメンバーだとしても、皆んなが集中して作業している時間には気軽にチャットツールでも話しかけないようにする、そういう配慮が大事になってきます。

パロアルトインサイトでは、チームに加わった人におすすめしている本の一つにRuby on Railsを開発したカリスマエンジニアのDHH氏が書いたRemoteという本があります。DHH氏が経営している会社も100%リモートで、社員が世界中好きな場所から仕事をしています。徹底したリモート会社のルール作りに興味がある人にはおすすめです。IPOなどのエグジットを目指さない、新しい(ある意味伝統的な?)会社のあり方を貫いていることでも有名で、それについて私が以前ビジネスインサイダーで書いた記事はこちらです。

皆さんはどう思いますか?リモートワークに適した人や職業があるとしたらどんなものでしょうか?

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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