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コロナ禍でも生き残るビジネスの法則とは- ビジネスインサイダー

2020/07/28 メディア掲載実績, ビジネスインサイダー 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

コロナ禍でも生き残るシェアビジネスの新法則…
「人と接触しない休止資産」は都市に眠っている

ビジネスインサイダー 寄稿記事 掲載

 

ウーバー

Uberは2020年5月に計6700人のレイオフを発表しました。コロナ禍でUberやAirbnbなどの物理的接触が多いシェアエコビジネスは大打撃を受けています。
Getty Images/Justin Sullivan

こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。今日は、ニューノーマル社会で変わりつつあるシェアリングエコノミービジネスについて考察したいと思います。

コロナウイルス感染拡大の影響で打撃を受けたとされるシェアエコビジネスですが、ここで現状をまずおさらいします。

やはり一番打撃を受けているのが、UberやLyft、Limeなどの移動系アプリと(Uberの移動サービスは4月中に80%減少、純損失が190%も増加した)、Airbnb(先日社員の25%を解雇することを発表)に代表される旅行系の会社、そして不特定多数の人が集まるWeWork(1000人以上を解雇する予定との報道)などのコワーキングスペースです。

また、洋服などのシェアも外出が減り需要がなくなってきているだけではなく、衛生面が問題になりつつあります。例えば高級ドレスをレンタルするレントザランウェイなどはリテール事業に関わる全社員を30分のZoomで解雇したりと、コロナウイルスの影響を大きく受けています。

一方で成長しているのが、宅配系(UberEats、DoorDash、Instacart)です。

ウーバーイーツ

反対に、UberEats、DoorDash、Instacartなどの宅配系サービスは、リモートワークの増加や移動規制などが追い風となり、成長しています。
Getty Images/DigiPub

オンラインでの注文が成長している背景もあり、利益こそ出ていないものの、UberEatsは2019年の同時期と比べ54%売り上げが増加し、その勢いで7月には類似サービスを提供するPostmatesを26億ドルで買収することを発表しました。

今後も長く続くコロナウイルスとの戦いの中、リモートワークが一気に増加したことや、移動自体が制限されていることもあり、本業のUberを利用する人の増加は見込めないため、Uberはフードデリバリー強化に軸足を移しました。

同じように人(と、その人がもつ時間やスキル)をシェアする「ギグエコノミー」領域にも変化があります。

例えばThumbtackなどの家具組み立てなどの肉体労働をしてもらう人をクラウドソースあるいはマッチングする会社は、物理的な接触があるため需要が減速しています(コロナの影響で250人の社員を解雇したとの報道)。

しかし、デスクワークをする人をクラウドソースするFiverrなどは、多くの解雇された人がフリーランサーとして登録しており、例えばロサンゼルスエリアではビデオ編集や音楽編集などのフリーランス登録者数が2020年3月に2倍になったと言われています。

しかし、相対的に見てシェアリングエコノミーやギグエコノミーが受けた打撃は大きく、ある調査によると今後1〜2年でシェアリングエコノミーやギグエコノミーの経済が30%は減少するという試算が出ています。

シェア経済の本質は「アイドルエコノミー」

街並み

新型コロナウイルスによって、いろいろな常識が崩れた世界。そんな中シェアリングエコノミーはどう変化していくのでしょうか?
撮影:竹井俊晴

そんな中、ニューノーマルの世界でシェアエコビジネスはどう変わるのでしょうか。今後伸びると考えられるシェアリングエコノミーの領域はどこでしょうか。

以下に、私が作成したニューノーマル・シェアリングエコノミーマトリックスを紹介します。簡略化したものなのであくまで大枠を理解するための参考にしてください。

ニューノーマルシェアリングエコノミーマトリックス

ニューノーマル・シェアリングエコノミーマトリックス。赤丸で囲った領域で今後ビジネスが増えていくことが予想されます。
出典:石角友愛

赤丸で囲った方の領域で今後よりシェアエコビジネスが増えるのではないかと私は考えています。

すなわち、アフターコロナのシェアリングエコノミーは、

  1. デジタル的資産をシェアするプラットフォーム
  2. 非接触で行えるサービス領域

という2つのキーワードが大事になってくると考えています。

シェアリングエコノミーの本質は、「アイドリング(休止)状態にある資産を活用してマネタイズする」というアイドルエコノミーにあります。

例えば、使っていない部屋を他人に貸す、使っていない車や服を貸す、などです。特定の客に貸せば単なるレンタルですが、規模の経済とネットワーク効果により、プラットフォームにすることでシェアリングエコノミーが成り立ちます。

今までは共有されるものが「物理的資産」だったものが、ニューノーマルではより「クラウド化」「オンライン化」「リモート化」が進み、デジタル的資産に移行するのではないかと考えられます。

「クラウド資産をシェア」するサービスの是非

ネットフリックスを見る人

賛否両論であるものの、自分がサブスクしているサービスを他人とシェアするという新しいモデルも存在します。他にも、自分が実は持っている「デジタル資産」を共有するプラットフォームが今後新たに誕生してもおかしくはないでしょう。
Getty Images/wutwhanfoto

その一例が、自分が毎月支払っているサブスクサービスを他人とシェアする、サブスクリプションのシェアリングエコノミーという新しいビジネスモデル。これは言わば、「自分のパスワードをデジタル資産と見なして成り立つ」ビジネスです。

現在、コロナの影響でオンラインコンテンツなどを見る時間が増え、ある報道では2019年を通してアメリカ人は平均640ドルをデジタルコンテンツサービスなどのサブスクリプションに支払ったとされます。

コロナ後はサブスクリプションが増加傾向にあり、消費者としてもいつかは「いろいろなサブスク料を支払い過ぎている」という閾値に到達してもおかしくありません。

また、あるアンケート調査では、13~24才のアメリカ人の80%が、過去に家族以外の人に自分のオンラインサービスのログイン情報を共有した、または他人の情報を使ったことがあると答え、69%が過去にネットフリックスを他人のパスワードで見たことがあると答えています。

スタンフォード大学を中退し、ピーター・ティール氏の運営するティールフェローシップを卒業したジョン・バッカス氏が始めたJamというアプリの会社は、パスワードをリンクに変えて友人と共有するソーシャルネットワークです。

Jamはローカルデバイスで暗号化されているため、データ漏洩のリスクが少ないと言います。パスワードサービスに共有機能が付いていることは珍しくありませんが、JamはSNS的要素が強く、どのアプリのパスワードをどの友人と共有するかを選べたり、将来はサブスク費用を割り勘する機能をつける可能性もあります。

また、それをもっとオープンにした形で、「全く知らない他人に対して、自分のパスワードを暗号化した形でシェアする」というサービスも出てきています(DoNotPayという会社が数カ月前にローンチしました。

ただし、現時点はブラウザー拡張機能がブロックされたため、活発な動きはないと思われます)。

こうした「サービスをシェアするサービス」は、現段階では各サービスの利用規約に反していることや、プライバシーの問題に触れることなど、法的なリスクを伴うほか、消費者の心理的壁も大きいと言えます。

しかし、多くのシェアエコビジネスは、立ち上げ当初は既存サービスではありませんでした。消費者の理解を促し、キャズム(一般的に普及するか、しないかの分水嶺)を超える努力をし、法整備が追いついていない環境で成長を目指してここまで来たのです。

シェアリングエコノミーとは、そもそも「既得権益で守られていた伝統的な縦割りビジネスに対する創造的破壊(ディスラプション)」でもあるので、今まで気づかなかった自分が持っている「デジタル資産」を共有するプラットフォームが生まれてもおかしくないとも言えます。

「自分や会社のコンピューターをシェアする」新たなビジネスの芽

並ぶパソコン

使用されていないPCのコンピューティングパワーを別のユーザーに貸し出す「コンピューティングパワーのマーケットプレース化」をする企業が増えつつあります。
Getty Images/AFROG DESIGN UNIT

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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