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コロナ禍の米・巨大スーパーを救ったデジタル投資-ビジネスインサイダー 寄稿

2020/09/08 メディア掲載実績, ビジネスインサイダー 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

コロナ禍の米・巨大スーパーを救ったのは「デジタル投資」・・・日本はどうなる?-ビジネスインサイダー 寄稿

コロナ禍の米・巨大スーパーを救ったのは「デジタル投資」・・・日本はどうなる?

こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。今回はコロナ禍でも業績が伸びている小売業界について、そのオンライン戦略に関して書きたいと思います。

これはNYTで半年ほど前に出た「アメリカ人の消費がコロナウイルスの影響でどう変わったか」という記事ですが、相対的な流れは現在と変わっていないと思います。スーパーマーケットやECサイト、DIYなどのホームリノベーションに関する業界は業績が伸びています。

大手小売りがコロナ後も業績好調の理由

中でも私が注目しているのは「ビッグ・ボックス・リテーラー」と呼ばれる大手小売です。アメリカの2020年第2四半期の小売消費の約30%は、Walmart, Amazon, Target, Costco, Lowe’s, Home Depot の5社によるものでした。コロナ下で大手小売が飛躍しているのが分かります。

小さいチェーンなどがビジネス閉鎖に追い込まれる中、消費先が大手に流れているという背景も挙げられますが、その需要増をマネタイズすることができる準備が整っていたかどうかが、コロナよりずっと前から取り組んでいたデジタルトランスフォメーションとITインフラの構築が勝敗を分けたと言えます。

WSJの8月末の報道によると、Walmartの今期のEC事業は前年比で97%増え、Lowe’sのEC事業の売り上げは前年比で135%、TargetのEC事業の売り上げは前年比で195%でした。

その売り上げに大きく貢献しているのが、オンラインで購入して店舗にピックアップしに行く「カーブサイドピックアップ」、そしてアマゾンプライムのような「サブスクサービス」が挙げられます。

例えば、Walmartはあまりにもカーブサイドピックアップが好調のため、今年2月からカーブサイドピックアップ専用駐車場の敷地を30%増加したということです。

「カーブサイドピックアップ」流行から学べること

カーブサイドピックアップはコロナより数年前から大手小売が実施していた取り組みで、オンラインで購入して一番近い店舗まで取りに行く、というオムニチャネル型の購入モデルです。

詳細はサービスにより異なりますが、多くの場合店舗入り口に一番近い場所にピックアップ専用駐車場が設けられており、そこに駐車してテキストメッセージを指定の番号に送ると、店員さんが車まで荷物を運んできてくれます。そして、車のトランクに全て積んでくれるケースが多いです。

待ち時間は長くて5分、子連れの利便性、時短にも

私も食料品などの生活品の購入は毎週金曜日にまとめてオンラインで購入、カーブサイドピックアップで指定した時間に取りに行きますが、待ち時間は長くて5分、車のトランクを開ける作業も荷物を詰め込む作業も全てマスクと手袋を付けた店員がやってくれるため私は車から一歩も出る必要がありません。

小さい子どもがいる場合、車から出るためだけに子供をチャイルドシートから降ろして抱っこするなど(お昼寝中の場合起こさないといけないなどの留意点もある)と大変な作業工程があり、コロナ下でのリスクも気になります。それが全て解決されるので一度この買い方に慣れてしまうと前のやり方には戻れません。

また、毎週の買い出しはほとんど決まった商品の購入になるため、オンラインであれば「再注文」ボタンを押せば完了。大幅な時間短縮にも繋がります。

例えばバナナを購入する際も「どちらかと言えば緑より黄色が強い」バナナを5本、というような具体的な指定ができるため、オンラインで購入してがっかりした、という体験も最小限に抑えられるようになっています。

九死に一生を得た家電小売り「ベストバイ」

コロナ前は過小評価気味だった家電系の小売大手「ベストバイ」も、2020年3月に店舗全てを閉鎖し赤字になるかと思われた矢先、閉鎖した全ての店舗でカーブサイドピックアップを開始。家電製品への需要が高まったこともあり、先日の決算発表で前年比でオンラインの売り上げが242%だったと報告、株価が今年だけで30%ほど上がりました。

ベストバイのオンラインサイトでビデオゲームを購入したら、当日にカーブサイドでそのゲームが手に入ります。

さすがのアマゾンプライムでも(アメリカ国内では)当日配送は難しいため、消費者は商品がどれだけ今すぐ必要かという緊急性や、ピックアップ先の店舗がどれだけ近くにあるかという利便性によってサイトやサービスを使い分けているのです。

マッキンゼーが語る「粘着性が高いビジネス」の意味

マッキンゼーのシニアパートナーのコーリ氏が「カーブサイドピックアップは非常に粘着性が高い」ビジネスであり、今後の小売業界のオムニ戦略における店舗の意義が変わる可能性がある、と述べています。コロナ後も新しい消費の仕方として定着するのではないかと考えます。

例えば、店舗設計のあり方が変わるとも言えます。

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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