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出会い系アプリのAI活用事例 – ビジネスインサイダー寄稿

2021/02/02 メディア掲載実績, ビジネスインサイダー 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

出会い系アプリのAI活用事例 ー ビジネスインサイダー寄稿

アメリカの市場は2000億円規模。AIベースのデートアプリは婚活をどう変えるか

撮影:今村拓馬

出会いアプリのAI活用事例

こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。

今回は日本政府が少子化問題に歯止めをかけるために取り組んでいる「AI婚活」について、アメリカではどのように婚活や恋人探し市場でAIが活用されているかという比較・考察をしていきます。

国内で広がる自治体主導の「AI婚活」

AIをマッチングに導入した「AI婚活」。少子化と婚姻件数減少への歯止めが期待されている。
撮影:今村拓馬

まず、日本政府が2021年度予算の概算要求に少子化対策費用として20億円を計上し、地方自治体がAIを活用した婚活システムを導入する際の費用の3分の2を支援すると発表した背景についてです。

大きな要因として、「少子高齢化問題と婚姻件数の減少」が挙げられます。

日本で2019年に生まれた赤ちゃんはわずか約86万5000人と、統計開始以来最少を記録しました。そして、婚姻件数の数は2000年に約80万件だったものが、2019年は約60万件に減少。25歳から34歳の日本人が結婚しない理由の第1位は「適当な相手にめぐりあえない」で、ある調査では男性45.3%、女性51.2%がそのように回答しています。(厚生労働省「結婚と出産に関する全国調査」、2015年)

婚活支援へのAI導入は、実際に複数の地方自治体で運用が進んでいます。愛媛県では国立情報学研究所の宇野毅明教授を中心に心理学者やデータサイエンティストなどと「結婚支援ビッグデータ活用研究会」を設立し、機能の開発や効果の検証などを進めています。

えひめ結婚支援センターの「結婚支援ビッグデータ活用研究会」が発表しているレポート。
撮影:伊藤有

実際にAIシステムを導入し、ビッグデータを活用してからは、マッチングの成立割合が13%から29%に向上したとのこと。

また、埼玉県では、2018年にAIシステムを導入し婚活サポート「恋たま」を始めました。すでに約4500人が利用しており、今まで69組が成婚に至っていて、そのうち半分の33組がAIシステムが提案した相手とのことです。

AIが有効なのは「出会いの母集団を増やす」こと

結婚の数を増やせば少子化問題が解決できるわけでは、必ずしもありません。が、少なくとも、適当な相手とのめぐり合わせという一番最初のステージでの母集団を大きくすることができれば、その後のコンバージョンレート(初デート実施、交際開始、結婚の確率)も理論上は高めることができます。

単に母集団を大きくすればよいというわけではなく、「より次のステージに進む確率が高い人」をめぐり合わせることが大事なのです。そして、その「人選とレコメンドエンジンにAIを活用する」というのが今回のAI婚活の基本コンセプトだと考えています。

そういう意味では、ネットフリックスで再生ボタンを押す確率が高いであろう映画をレコメンドするエンジンや、アマゾンで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というレコメンドエンジンとあまり変わりはない、とも言えます。

このようなレコメンドエンジンの良いところは、「ユーザーが能動的に指名検索しなくてよい」ということです。決断疲れをしている現代人にとっては、調査を重ねて指名検索するよりも「いかがですか?」とオススメされたものから選ぶほうがストレスフリーです。

また、能動的検索の場合、過去の検索やヒューリスティック(※)な基準による希望条件の絞り込みで幅を狭めがちですが、第1ステージでの母集団を大きくしたい場合はこのような絞り込み検索では逆効果です。

※ヒューリスティック:経験則などを中心とした発見法のこと

そういう意味では「わざわざ積極的に指名検索しようと思わなかったが、いざオススメされてみたら良いと思う」という風にユーザーに思ってもらえるような「守備範囲の半径」を自然に広げることができるのが、AIレコメンドエンジンの良いところだと思います。

実際に埼玉県で運用されている婚活システム「恋たま」の利用者の中に、「自分では多分選ばなかった人とマッチングしたけれど、会って話してみたら良い人だった」という反応があるのも理解できます。

Tinderは主に3つの要素でユーザーを見ている?

アメリカのデートアプリ市場は2000億円規模。一番人気のTinderは600万人を超えるユーザーを持つ。
Shutterstock/BigTunaOnline

アメリカでは婚活市場は基本的には民間企業が積極的にサービス展開をしており、日本のように政府が補助金を出すという取り組みはあまり耳にしません。けれども、デートアプリ市場は盛り上がっています。

アメリカだけで20億ドル(2000億円規模)の市場で、2019年のアメリカのデートアプリユーザー数は約2500万人。一番人気はTinderで、若い世代を中心に660万人ほど(2020年度Q3決算資料より)のユーザーがいます。

Tinderの評価額は100億ドルと推定され、2019年の収益は11.5億ドル、マッチグループ(親会社)の総収益20億5000万ドルの56%にもおよびます。Tinderの収益は、2015年から2019年の間に123%の年平均成長率(CAGR)で大幅に増加しており、人気の背景には機械学習の活用が挙げられます。

どんなユーザーにどんなユーザーをレコメンドするかのアルゴリズムには、大きく分けて3つの柱があります。もちろんレコメンドアルゴリズムの詳細は公開されていませんが、非公式のTinderユーザーによるFAQウェブサイトそのほかの情報を参考にまとめました。

以下は、あくまで可能性の話ですが、当たらずも遠からずではないかと思っています。

(1)好みのセグメンテーション

(2)サイト上での行動

(3)ユーザーステータス

このようなランクシステムがあるとするならば、それを体系的に理解してアプリの使い方を攻略することができるユーザーが、結果的に露出も高くなりシステムから評価されるようになるのも興味深いところです。

アプリ内の「嫌がらせ防止」にもAI活用

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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