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バイデン米政権で巨大ITに逆風?鍵は2人の強硬派

GAFAと米政府のIT規制ー毎日新聞・経済プレミア 「石角友愛のシリコンバレー通信」
バイデン米政権で巨大ITに逆風?鍵は2人の強硬派

2021/03/19 メディア掲載実績, 毎日新聞 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

バイデン米政権で巨大ITに逆風?鍵は2人の強硬派

バイデン米政権に移行して私が一番注目していることに、IT政策、とりわけGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のようなビッグテック企業に対する規制強化がどうなるかということがある。

ビッグテックへの規制強化はトランプ前政権下から始まっていた。例えば、トランプ政権下の司法省は、グーグルに対して「独占的立場を利用して競争を抑制し、イノベーションを阻害した」として、反トラスト(独占禁止)訴訟を起こした。バイデン政権でもこのようなスタンスは変更されず、訴訟は続くと考えられている。

アマゾンのパラドックス

バイデン政権では、グーグルやフェイスブックといった1社に絞って集中攻撃をするというより、アマゾンやアップルなどを含めた巨大IT企業全体に対して規制を強めると考えられている。さっそく2020年12月9日には、アメリカ連邦取引委員会(FTC)がフェイスブックを反トラスト法違反の疑いで提訴した。

そのFTCの委員としてバイデン大統領が2021年3月9日に任命したのが、コロンビア大ロースクール准教授のリナ・カーン氏だ。32歳の期待の星であり、彼女が2017年にエール大ロースクール在学中に発表した「Amazon’s Antitrust Paradox(アマゾンの反トラスト・パラドックス)」という論文は業界に大きな影響を与えた。

価格のつり上げがなければOK?

彼女はその中で、短期的な価格面のメリットとして定義される「消費者福祉」の考えや、消費者価格が上がらないことに焦点を当てた現在の米国の反トラスト法の枠組みでは、アマゾンのようなプラットフォーマーのビジネスモデルの競争制限を説明できないと主張した。

通常は、独占状態にある会社がその立場を利用して価格をつり上げ、消費者に害をもたらすような行為がよくないこととされている。しかし、それは裏を返せば、消費者にとって価格が上がらないのであれば問題ではない、というようにも取れる。

グーグルに対する反トラスト訴訟に対しても、多くの消費者が「グーグルのサービスは使いやすいし無料なのだから、消費者は何も害を被っていない。それなのに、なぜ訴えられるのだろうか」と思ったかもしれない。

政策見直しにつながるか

しかし、カーン氏は論文で「プラットフォーム市場の経済学は、企業が利益よりも成長を追求するインセンティブを生み出す。これは投資家に報いるための戦略であり、これらの条件下では、略奪的な価格設定(利益を無視した低価格、または無料)が非常に合理的になる」と主張し、略奪的価格設定の市場リスクを現在の反トラスト法は「過小評価している」と指摘した。

つまり、価格のつり上げだけに注目していては、無料のサービスで利用者を増やし、膨大なデータを得て巨大化するプラットフォーマーの市場支配力は見えてこないということだ。今後は、消費者価格と消費者福祉という概念の中に、プラットフォーマーの経済的インセンティブの背景を取り込んだ政策の見直しや議論が行われるかもしれない。

「ネット中立性」提唱者も任命

実は、バイデン政権はもう一人、ビッグテック規制強化を訴える法律の専門家をホワイトハウスに招き入れている。コロンビア大ロースクール教授のティム・ウー氏だ。ウー氏は現在、バイデンチームに経済政策に関する提言をするホワイトハウスの経済顧問に任命されている。

ウー氏といえば、2003年に発表した論文「Network Neutrality,Broadband Discrimination(ネットワークの中立性とブロードバンドの差別)」で、「ネット中立性」という概念を広めた功労者である。

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AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

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設立 :2017年
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石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
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