第202回 丸の内Square Academy

パロアルトインサイト CTO 長谷川貴久 登壇

「第202回丸の内Square Academy」が3月にオンラインで開催され、米シリコンバレーを拠点に企業のAI活用・導入を支援するパロアルトインサイトのCTOで第一線のデータイエンティストとして活躍する長谷川貴久氏が登壇。経営者が知っておくべきソースコード共有サービス「GitHub」の使い方をはじめ、GitHubにまつわる三井住友銀行（SMBC）のソースコード流出問題、日本版COCOAの失敗から見る落とし穴と対策などについて講演した。

長谷川氏は冒頭で、「今パロアルトインサイトというAI会社のCTOを務めていますが、2017年から現在まで100件ほどのAIプロジェクト提言や開発に携わり、それぞれのプロジェクトについてGitHubでコードを管理しています」などと自己紹介。さらに「最近の開発でGitHubを使わないという選択肢の方がありえないと思うくらいGitは開発においても本当に必要なインフラ」と、プログラムのソースコードなどの変更管理がスムーズにできるGitの有効性を強調した。

さらに、Gitが開発される以前の変更管理について次のように語った。
「中央集権型のバージョン管理といっており、1個のデータベースに全ての変更の履歴が残り、開発者はこのデータベースをやり取りすることによって管理していました。しかし、唯一のデータベースがなくなってしまうとすると全てが白紙になります。つまり、開発者は、それぞれにどんな変更があったかどうかも分からなくなるのです。また、管理する立場の人物が権力を持つようになり、独裁的な管理になってしまいがち。このほか、いろいろネットワークの不具合ですとか、開発者が飛行機に乗っていたりして、ネットの環境がないところで、仕事をしたい場合も集中型だとどうしても仕事の速度が遅くなってしまうといった、いろいろな従来の集中型管理の弱みというのが出てきました」（長谷川氏）

このように従来の中央集権型バージョン管理の代わりに出てきたのが、分散型バージョン管理システムの「Git」だという。
「オープンソースのOS「Linux」のオペレーションシステムを発明したリーナス・ トーバルズ（英語:Linus Torvalds）氏によって、Linuxカーネルのソースコード管理に用いるために開発されたのが『Git』。現在のメンテナンスは日本人の濱野純 （英語: Junio C Hamano）氏 で、2005年7月から担当しています。従来の中央集権型のバージョン管理ではなく、各ユーザーがデータベースを持つことができるという分散型バージョン管理システムです。全履歴を含んだリポジトリのスナップショットをとれるので、過去に簡単に戻れるということが特徴として挙げられます」（長谷川氏）

続いて、ソースコード共有サービス「GitHub」についてこう説明した。

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