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クリスプサラダのDXアプローチ- 日経クロストレンド

2022/04/06 メディア掲載実績 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

サラダ文化の導入で成功したクリスプ モバイルオーダーでCX向上 – 日経クロストレンド ダイバージェンス時代のDX戦略 第14回

ポストコロナを迎える今、各業界をリードするイノベーターたちはDX(デジタルトランスフォーメーション)をどう考えているのか。人工知能(AI)開発と実装を現場で見ているAIビジネスデザイナーの石角友愛氏がトップ経営者や専門家と、具体的かつグローバルな議論を展開する。今回はカスタムサラダ専門店「クリスプ・サラダワークス」を展開するクリスプの宮野浩史氏を迎え、日本の外食産業が抱える課題について議論した。(対談は2021年12月10日)

石角友愛氏(以下、石角) 宮野さんは米国のハイスクールを卒業されたそうですね。私も16歳で米国に渡ったのでとても親近感を覚えています。

宮野浩史氏(以下、宮野) 僕は15歳で留学をしました。もともと日本の高校に進学したのですが、学校にあまりなじめなくて1年生の1学期で中退し、居酒屋でアルバイトをしていました。たまたま知り合いが米国でホームステイを受け入れていたため、行ってみることにしたんです。決して裕福な家庭ではなかったのですが、親も高校は卒業してほしかったんでしょうね。サンフランシスコから1時間ほど北に行った、とてものどかな地域にある、1学年5人程しかいない小さな学校に入りました。

石角 最初に起業したのがハイスクールを卒業してすぐだと聞いています。どういった経緯があるのでしょうか。

宮野 ホームステイ先のホストファーザーは中国にルーツがある人なのですが、日本生まれで日本語を話すことができました。僕は「第二の父」と慕っていました。そのホストファーザーはいろいろな事業を手がけていて、僕が高校を卒業するときに「新しく天津甘栗の販売事業を始めるから、一緒にやらないか」と誘ってくれたんです。

石角 ホストファーザーの補佐ということでしょうか。

宮野 いいえ、ビジネスパートナーという立場でした。「取り分は君の方が多くていい。仕事は教えるから自分でやってみろ」と言われ、ビジネスの基本をレクチャーしてもらいながら日系スーパーの入り口付近で天津甘栗を焼いて売りました。

石角 私もカリフォルニアの日系スーパーで、一時期よく天津甘栗を買っていました。きっと宮野さんのお店だったんでしょうね。もしかしたら当時すでに会っていたのかもしれません(笑)。

宮野 本当ですか? すごい偶然ですね(笑)。甘栗は日本の中華街などでもよく売られていますが、買っている人はほとんど見かけたことがありませんでした。でも僕のお店は多いときで1日に30~40万円も売れたんです。「同じものでも、場所を変えるだけでこんなにも売れ方が違うのか」と驚きました。

石角 そのときの体験がクリスプ・サラダワークスの開業につながったのでしょうか。

クリスプの宮野浩史氏は、米国で天津甘栗を販売した経験からさまざまなヒントを得たという

宮野 そうですね。日本に戻ってきたときに「米国では当たり前だけれども、日本にはない食べ物かつ自分が食べたいと思うものを売ろう」と考えました。そこで思いついたのがブリトーとサラダです。最初に「フリホーレス」というブリトーとタコスの専門店を開きました。そしてそちらの事業は売却し、2014年にクリスプ・サラダワークスを開業しました。

石角 米国ではサラダは日常的に食べるものですよね。21年には人気サラダチェーン「Sweetgreen」の運営会社が米国で上場して話題になりました。

宮野 Sweetgreenは僕もベンチマークにしていました。ただ日本にはサラダがメインという食文化がなかったからか、クリスプ・サラダワークスのオープン前は「サラダだけで大丈夫ですか?」「パンは置かないんですか?」と周囲にはかなり心配されましたね。ところがいざお店をオープンしてみると、顧客として想定していた米国人や米国に住んでいたことのある日本人以外にも、日本のビジネスパーソンなどたくさんの人が買いに来てくれたんです。

石角 日本だとサラダは定食に添えられている程度で、食事のメインと位置づけられることはほとんどないですね。それを考えると、クリスプ・サラダワークスに買いに来た人たちは、今まで何を食べていたんでしょうか?

宮野 私も疑問に思って毎日来るお客さんに聞いてみたところ、「コンビニのおにぎりとカップサラダを買っていた」と。うちのサラダは1000円以上しますが「値段の問題ではなく、軽く食べたいと思ったときにコンビニサラダくらいしか食べられるものがなかった」と言われました。

僕も食べることは好きなのですが、お酒はほとんど飲みません。だからお酒も飲まないのに1人で居酒屋に入るのは気が引けて、ついファストフードを食べてしまっていました。でも健康のことを考えると少し値段が高くてもいいので、おいしくて身体に良くてパッと食べられるものがほしかったんです。クリスプ・サラダワークスはそういった人たちのニーズにフィットしたのだと思います。

モバイルオーダーでCX向上を実現

石角 コロナ禍でテークアウトのお店が増えましたが、御社はかなり早い段階でアプリからのモバイルオーダーを取り入れていた印象があります。これはどういう経緯があるのでしょうか。

宮野 14年の開店当初、想定以上に人気になり、入店までに1時間ほどお待ちいただく状況でした。並んで買うこと自体を一つの体験として楽しむ方もいますが、店の前まで来たものの行列を見て帰ってしまう常連さんもいて、本当に申し訳ない気持ちを抱えていました。そこでクイックに買いたいお客さんのために取り入れたのが、アプリを使ったモバイルオーダーです。ちょうど米国でスターバックスがモバイルオーダーを始めて、話題になっていた頃でした。

石角 米国でモバイルオーダーの導入によって一番成功しているのはスターバックスでしょうね。ただ当時、日本ではほとんど導入事例がなかったと思います。導入にはどういうメリットがあると考えていたのでしょうか。

宮野 モバイルオーダーには2つの役割を期待していました。1つは「お客さんの待ち時間を減らすこと」。もう1つは「顧客体験の向上」です。店が人気となったためスタッフを増やしたのですが、新人スタッフは常連さんの顔が分かりません。そのため常連さんに対して初来店のお客さんと同じようなコミュニケーションをしてしまっていました。それってすごくもったいないですよね。ですがアプリで注文履歴が分かれば、新人スタッフでも常連さんを認識できて「いつもご来店ありがとうございます。ドレッシングはいつも通りの数でよろしいですか?」といった一人ひとりに合わせた接客ができます。

クリスプ・サラダワークスで利用できるモバイルオーダーアプリ「CRISP APP」。サラダのデリバリー注文も可能になった

石角 そういった対応はすごくうれしいですね。店のファンづくりにもつながると思います。アプリは自社開発ですか? それとも外部のサービスを活用されたのでしょうか?

宮野 最初は既存のサービスの利用を考えていましたがイメージに合うものがなく、外部に委託して開発してもらいました。今は社内にエンジニアもいるため、完全に自社管理です。

石角 そこは大事なポイントですね。弊社でもAI関連でさまざまな企業をサポートしていますが、プラグアンドプレイのAIを導入すると予測モデルのつくり方などがブラックボックス化してしまい、データもサービス側が管理するため、自社の資産になりません。今後のデータの活用を考えると、アプリ開発を内製化できていることは、非常に大事なことだと思います。

大きくなるほど評価が下がるジレンマとは

宮野 弊社がモバイルオーダーなどのDXを進めた背景には、日本の外食産業が抱える課題があります。それが「店の規模が大きくなるほど、店に対する評価が低くなる。価格が下がる」という点です。

例えば「吉野家」の牛丼は今は388円(税込み 426円)ほどですが、高級店で1000円で出しても売れるほどのクオリティーだと思います。これはかなりもったいないですよね。売り方を変えたらもっと高く売れるはずなんです。

石角 弊社のあるカリフォルニアのパロアルトには定食チェーンの「やよい軒」があります。日本にある店とは雰囲気が違っておしゃれで値段も高いのですが、いつもにぎわっています。これもまさに売り方を変えて成功した例なんでしょうね。

宮野 まさにその通りだと思います。日本の外食チェーンはどこもクオリティーの高い食べ物を出しているのですが、効率や価格の安さばかりを追求しがちです。ですが僕はもっと体験などのバリューの創出にリソースを割くべきだと思います。

例えばGoogleは10年前に比べて会社の規模が大きくなり、ユーザー1人に与えるバリューも大きくなっています。だから無料のGmailだけでなく、有料サービスである「Google Workspace」は契約する価値があると思えます。

石角 私も、もうGoogle Workspaceがないと仕事ができないですね。課金するだけのものを提供してもらっていると感じます。

宮野 本来は、会社の規模が大きくなれば、それだけ客に提供する価値も高くなるはずです。だからGoogleのように有料でもそれが受け入れられます。ところが、外食産業では店が大きくなるほど、価格を下げなければ売れなくなってしまう。その結果フリクション(摩擦)が生じ、無駄が大きくなり、もうからなくなってしまうんです。

石角 普通は、特にIT業界などでは、事業規模が大きくなれば、規模の経済の効果やネットワーク効果が生じますが、外食産業ではそうならないということですね。これは大きなジレンマですね。そこで効率化や顧客満足度の向上を図るために必要なのがDXの推進ということですね。

〈後編に続く〉

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00509/00013/

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。また、毎日新聞「石角友愛のシリコンバレー通信」、ITメディア「石角友愛とめぐる、米国リテール最前線」など大手メディアでの寄稿連載を多く持ち、最新のIT業界に関する情報を発信している。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧

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