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歌手・リアーナの下着ブランドが大成功 下着のサイズに隠れた“ビジネスチャンス”とは – ITmedia寄稿記事掲載

2022/05/18 メディア掲載実績 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

リアーナ(Savage X FentyのWebサイトより)

近年、米国ではヴィクトリアズ・シークレットのような老舗ランジェリーメーカーが苦戦する一方で、オンラインを中心としたランジェリーメーカーが注目されていることをご存じでしょうか。

リサーチ会社の調査によると、2019~24年のオンラインランジェリー市場の潜在成長差は644.8億米ドルとのことで、20年の市場は前年比17.27%の成長を記録し、20~24年まではほぼ18%のCAGRで成長すると予想されています。

中でも、歌手として知られるリアーナの下着ブランドが注目を集めています。Fenty Beauty(フェンティビューティー)という化粧品ブランドの創業者としてビリオネアになったリアーナが18年に作ったSavage X Fenty(サベージフェンティ)という下着専門のECサイトは、前年比200%の成長を遂げたうえ、VIP会員制プログラムも前年比150%の伸びを記録して話題になっています。

実は、このブランドでは、下着のサイズ選びにAIを活用しており、注目を集めている要因の一つとなっています。今回はリアーナのブランドを中心に、ランジェリー業界で活用されるAI技術について紹介したいと思います。

さまざまなサイズに対応するブランド

リアーナ(Fenty BeautyのWebサイトより)

リアーナのランジェリーブランドSavage X Fentyは、自信と包容力(インクルージョン)をテーマに掲げています。あらゆる性別、体のサイズを想定して作られていることが特徴です。化粧品ラインであるFenty Beautyも同じ路線で人気を博しており、例えばファンデーションの色味だけでも50種類もあり、さまざまな肌色の人のために作られています。

Savage X Fentyは、これまでランジェリー業界で一般的であった細身のモデルではなく、多様なサイズのモデルをキャスティングすることで、よりリアルな一般女性の支持を獲得して瞬く間にオンラインランジェリー業界の主要企業となりました。米国では、ラスベガスなど5店舗を展開しています。

この新店舗開店において大事な位置付けになっているのが、黒人起業家により作られたAIカンパニーであるFit:Match(フィットマッチ)社のAI技術です。

iPhoneを使い“ぴったりサイズ”を測定

Fit:MatchのWebサイトより。店員がiPhoneで体をスキャンする。デバイスでスキャンするため、クラウドで情報が管理されることはないという

「買い物客に最高の体験を提供する方法」として採用された同社のAI技術はどのようなものか、詳しく見ていきたいと思います。

Fit:Matchのボディースキャン技術は、顧客の身体のサイズに合わせた商品を見つけるために役立てられています。報道によると、Savage X Fentyの試着室にこのAI技術が導入されており、顧客は、プライベートな空間でiPhoneを使ってたった15秒でボディースキャンができるとのことです。21年9月から、アップルの新しいLiDAR技術が全ての新型iPhoneに導入され、簡単に3Dスキャンができるになりました。

この技術が導入された背景には、そもそも、下着のサイズ選びで苦労する消費者が多かったことが挙げられます。Fit:MatchのWebサイトによると、80%もの消費者が間違ったサイズのブラジャーを使っていると分かっています。

一般に、ブラジャーのサイズはバストトップとアンダーバストの採寸をしてサイズを選定しますが、この従来の測定方法には課題があると言われています。例えば、消費者が採寸用のメジャーを持ち合わせていないため、そもそも寸法が測定できないこと、採寸したくない消費者がいること、正しい測り方が分からないこと、体形の変化に伴い測定結果が変わることなどです。また、そもそも2Dで測定した寸法が必ずしも3Dである体にフィットするとは限らない点も見逃せません。

そこで、Savage X Fentyでは、こうした課題を解決し、より消費者の身体にフィットした下着を提供するために、Fit:Matchのボディースキャン技術を使って3Dデータを取得することにしたのです。

これまで、あらゆる体形やサイズの何千人もの女性の寸法をスキャンし、実際にブラジャーを試着してもらうことでデータを集めたということです。こうして集められたバストスキャンデータは、AIのトレーニングに使用されたほか、実際に最も体にフィットしたブラジャーのサイズに基づいてグループ化され、3Dサイズチャートとしてまとめられました。

日本での取り組みとどう違う?

日本の下着業界大手ワコールも、お客の3Dサイズを計測しぴったりサイズの下着を提案するサービスを提供していますが(関連記事)、店舗で専用のブース型の機械を使っての計測となるため、iPhoneを使って計測するこのサービスと比べると、今後利用できる人は限定的と言えそうです。

Fit:MatchのWebサイトより

Fit:MatchのWebサイトより

また、AIのトレーニングデータ収集に関しては、以前日本でもZOZOがボディースーツ「ZOZOスーツ」を200円で販売したことが話題になりました。「着るだけで自分の身体のサイズを測定してくれるボディースーツ」として多くのアーリーアダプターが購入しましたが、実際にはZOZOスーツを着用した状態で自分のスマホで写真を何枚も撮らなくてはならない工程が顧客にとっては障壁の一つとなり、浸透しませんでした。

ZOZOスーツは顧客に採寸工程を任せる形でボディーデータを収集する形をとりましたが、顧客を巻き込んでデータ収集をするのは不確定要素が多いことが分かります。例えば、測定方法に個人差が出るため集められたデータの正確性が検証できない、測定自体をしない人が多い、測定環境や撮影環境がコントロールできないことなどです。

Fit:Matchでは、数千人の女性の寸法を独自にスキャンしてAI開発のための訓練データ収集をしたということで、このような不確定要素を極力少なくして、データを集めたのではないかと考察できます。

こうした工程を経て開発されたAIが、新規顧客のボディースキャンデータと3Dサイズチャートを照合し、的確なサイズを提案してくれるというわけです。また、新規顧客のボディースキャンデータとおすすめサイズとの差分(きつい部分、緩い部分)も提示されることから、店員が顧客に商品をおすすめする際に、より質の高いコミュニケーションをとるきっかけにもなります。

・赤い部分:サイズ表のフィットモデルより大きい形状→きつい部分
・青い部分:サイズ表のモデルより小さい形状→緩い部分

“ぴったりサイズ”に大きなビジネスチャンス

実際に、Savage X Fentyの共同創設者であるクリスティーン・ペンダーヴィス(Christiane Pendarvis)氏とナタリー・グズマン(Natalie Guzman)氏は、店舗でのFit:Match技術採用に関して以下のように述べています

Fit:Matchと提携することで、Savage X Fentyにいらっしゃるお客さまが絶対的な自信を持ってご自身にぴったりなサイズの商品を購入し、着用できるようになることを非常にうれしく思います。

私たちは、お客さまにとって正しいサイズを見極めることがより重要になるような幅広い品そろえを提供しており、全店舗でFit Xperienceを展開し、ショッピング体験の革新をリードできることに興奮しています。

ランジェリー業界は、その他のアパレル商品と違い、商品の性質上インスタグラムなどでの大々的なマーケティングや消費者間の口コミなどで広がりにくい要素があります。

しかし、大々的に語ることが少ない業界だからこそ、サイズ選びなどの課題に関して大きなソリューションが生まれないままであったことも事実です。

8割の消費者が間違ったサイズのブラジャーをつけているというデータは衝撃的ですが、そこにビジネスチャンスを見いだし、B2Bでアパレル企業にAI技術を展開するFit:Matchのような会社が今後増えるかもしれません。

Savage X FentyのWebサイトより

将来的には、B2CのECアプリにこの技術が実装されることも考えられます。顧客が店舗に足を運ばなくても、自宅でスマートフォンを使って測定し、自分にぴったりのサイズがレコメンドされるということが実現するかもしれません。

リアーナのブランドのように、どんなサイズの人でも受け入れるというメッセージは時勢に合ったものだと言えます。そのメッセージを体現するため、消費者の体に合わせたサイズを簡単にレコメンドするAI活用は、注目を集め成長を支える要因になるでしょう。

報道によると、Savage X FentyはIPOも視野に入れているとのことで、今後さらに注目が集まると予想できます。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/18/news031.html

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。また、毎日新聞「石角友愛のシリコンバレー通信」、ITメディア「石角友愛とめぐる、米国リテール最前線」など大手メディアでの寄稿連載を多く持ち、最新のIT業界に関する情報を発信している。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧

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