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アマゾンも踏み込んだ「従業員が中絶する権利」その背景 – ビジネスインサイダー 寄稿

2022/05/31 メディア掲載実績, ビジネスインサイダー 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

中絶をめぐる「ロー対ウェイド裁判」が覆る可能性を示唆する最高裁意見のリークを受け、全米規模でデモが起こっている。写真は5月14日、ニューヨーク・ブリックリンにて中絶権行使派のデモの様子。
REUTERS/Caitlin Ochs

アマゾンも踏み込んだ「従業員が中絶する権利」その背景 – ビジネスインサイダー 寄稿

こんにちは。パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナーの石角友愛です。

本日はアメリカで今、大きな注目を集めている中絶制度に関して、民間企業、とりわけ先進企業がどんな動きを取っているかを解説します。

中絶制度をめぐっては、これまでも多くの議論が交わされてきました。ある意味で、アメリカで最も政治的に重要な議題の1つとも言えます。この背景には、1973年の「ロー対ウェイド」(いわゆる、ロー対ウェイド裁判)に対する最高裁判決が、女性の人工中絶権を認める歴史的な判例となっていることを知っておく必要があります。

判決では、妊娠3カ月までは全面的に、また条件付きの場合、6カ月まで女性の人工中絶権を認める内容となっています。つまり、特定の時期までは、「女性が人工中絶を選ぶ権利は憲法により保障されている」と認める内容です。

これには判決当時から、アメリカ国内の世論は賛成派と反対派に大きく分断されていました。

具体的には、受精が成立した瞬間、または心拍確認の瞬間から人権を認めるべきだとし、中絶に反対する保守派と、女性の選択権を堅持しようとするリベラル派が長年、この判決を巡り争ってきたのです。

連邦最高裁判例のリーク「事件」

5月3日、最高裁の多数意見の草案がリークした直後に、抗議に集まった人々。背景の建物はワシントンD.C.にある連邦最高裁判所。
REUTERS/Yana Paskova

こうした中で、2022年の5月初旬、この連邦最高裁判例について、現在の最高裁内で書かれた多数意見の草案が外部にリークされるという「事件」が起きました。そもそも、最高裁文書が漏洩(ろうえい)するという異例の出来事に加え、リークされた草案が現行の判例を覆す内容になっていたことが発覚し、アメリカ国内で大きな動きが起こる発端となりました。

もっともトランプ政権以降、共和党が強い州では中絶に関して、独自の法律を通す動きが強まっていると言われています。例えば、ハートビート(心臓音)法案(妊娠6週目以降の中絶を禁じる法案)という法案を通す共和党派の州が増えており、米国プランド・ペアレントフッド※などにより提出された報告書によると、2019年に入ってから41州で250以上の中絶制限法案が提出されているということです。

※Planned Parenthood Federation of America、PPFA。 全米家族計画連盟、中絶手術を提供する団体

こうした州の中では、性的暴行などによる望まない妊娠における中絶をも違法化しようとする動きが出てきています。

例えば、CNNの報道によると、オクラホマ州の法案では、たとえレイプや近親相姦の被害者であっても、受胎の瞬間からほぼすべての中絶が禁止され、中絶手術を行った医師に対しても最高で10年の禁固刑を含む厳しい罰則を課しています。

また、ケンタッキー州の法案では、FDA(Food and Drug Administration:連邦食品医薬品局)に認められているにもかかわらず、州民が郵送による薬物中絶を受けることを禁止しています。

テキサス州では、最高裁に至った別のケースで、「自警団」訴訟制度を創設しています。

これは、妊娠6週目という早い時期であっても、心拍が検知された後に中絶を援助したり手術を提供したりした者(妊娠した本人以外の人物)に対する、民間訴訟を許可するものです。

今までは、異なる州でこのような動きがあったとしても、憲法で守られた確固たる権利として最高裁の「ロー対ウェイド」の判決があることで、大きな抑止力となっていました。しかし、この判決が覆されたとしたら、今後保守派の州では独自の極端な中絶禁止の法案を通す動きが、より活発になる可能性があります。

ある調査では、全米50州のうち、過半数を超える26もの州で、中絶手術が禁止になる可能性があるとも指摘しています。

赤い州が最高裁判決が覆された場合に人工中絶手術を禁止するであろう州。
出典:Guttmacher Institute

テレワークも背景の1つ。スタバらが乗り出した「社員の中絶」への支援

このような背景を踏まえ、民間企業では、コロナ禍で進んだリモートワークを背景に、「中絶が実質的に禁止になる可能性がある州に住む社員」に対して、どんな支援をするかが今大きな課題になっているのです。

なぜなら、そのような州に住む社員が人工中絶手術を受けるためには、リベラルな州まで移動しなければならないケースが出てくるからです。

アマゾン、スターバックスの対応:

スターバックスの従業員資源担当副社長代理であるサラ・ケリー氏による従業員向けのメッセージ(英文サイトを機械翻訳して表示しています)
出典:Letter to Starbucks Partners
https://www.paloaltoinsight.com/membership-checkout/?level=4
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パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

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石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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