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データドリブンとは?海外では既にAIドリブンな経営手法も進む
2022/07/25 ブログ 
by suzuki 

データドリブンとは?海外では既にAIドリブン経営も


▼目次

データドリブンとは?

-データドリブンマーケティングとは?

データドリブンの注目が高まっている背景

-消費者の価値観や購買行動が多様化した

-デジタルマーケティングが進化した

-費用対効果を意識した施策を選択できる

データドリブン経営でよくある失敗

海外ではデータドリブンからAIドリブン経営へ

-StitchFix

-ウォルマート

まとめ


インターネットが普及した現代では、各企業がデータを収集し、活用できるようになりました。しかし、せっかく収集しているデータをうまく活用できず、ビジネスにおける意思決定を経験や勘に頼っている企業も少なくありません。これからの時代、ビジネスを成功させるための手法として「データドリブン」な思考は欠かせない要素となってきます。

今回は、データドリブンな考え方とはどういったものなのか、さらに注目が高まっている背景や、失敗しやすいポイント、海外で進化するAIドリブン経営について解説していきます。データドリブンという言葉は聞いたことがあるものの、いまいち把握しきれていない方は、ぜひ今回の記事で理解を深めておきましょう。

■データドリブンとは?

データドリブンとは、経験や勘には頼らずデータの分析結果に基づき、施策立案やビジネスの意思決定などを行うプロセスのことを指します。データドリブンの「ドリブン」は日本語に直訳すると「駆動」を意味し、ビジネスに活用できる形まで分析したデータ、またはそのデータに基づく行動などを示しています。

これまでは意思決定を行う際、過去の経験や実績、勘などの要素も含まれてきました。経験則から出る知見も重要な要素ではありますが、インターネットの普及により、社会全体で情報の概念が発展したことで、各企業間でも膨大なデータを収集できるようになりました。そこで、データドリブンにおける考え方も徐々に取り入れられるようになっていったのです。

意思決定というと経営陣などの一部の人しか活用しないように考えてしまうかもしれませんが、実際には組織内における様々な立場の人が使える手法です。組織全体でデータドリブンな意思決定を採用し、データカルチャーが根付いていけば従業員の誰もがデータを活用し、適切な意思決定を行えるようになるでしょう。

-データドリブンマーケティングとは?

データドリブンマーケティングとは、マーケティングをより効果的に行うためにデータを活用して組み立てることを言います。これまではマーケティングの領域においても経験や勘などに左右され、意思決定などが行われることもありました。

しかし、情報化社会の現代では市場の移り変わりも激しく、これまでの状況が一変し、経験や勘が意味をなさないケースもあります。データドリブンなマーケティング手法なら収集されたデータを分析・検証しながら施策を構築していくため、市場の変化にも対応しやすくマーケティングの成功率を高めることも可能です。

 

■データドリブンの注目が高まっている背景

データドリブンの考え方や手法を取り入れる企業も増えてきましたが、なぜ注目度が高まったのでしょうか?続いてはデータドリブンの注目が高まっている3つの背景について解説していきます。

-消費者の価値観や購買行動が多様化した

データドリブンの注目が高まる背景として大きな要素となっているのが、消費者の価値観や購買行動の多様化です。以前は店舗に訪れていた消費者が何を求めているのか、何を見て購入を決めているのかなどは、ある程度自身の経験則から判断できていました。なぜなら消費者と店舗の接点が、テレビやチラシ、新聞などに限定されていたためです。しかし、現在はインターネットが普及しSNSも広まったことで、以前と比べて消費者が持つ情報量が格段に増加しています。この状態で以前の経験則を取り入れてしまうと、失敗するリスクが高まります。

また、消費者それぞれのニーズも多様化しているのが現状です。選択肢が増えたことで本当に顧客が求めているものがわかりにくくなってしまいました。そんな状況でも信頼できるのはデータです。事実に基づいた判断ができれば消費者の価値観・購買行動が多様化しても、リスクを回避しやすくなるでしょう。

-デジタルマーケティングが進歩した

ここ30年ほどでデジタル技術は大きく発展し、それに伴いデジタルマーケティング技術も進化を遂げてきました。例えばGoogleのような検索エンジンやWebサイト、SNS、メール、アプリなど、多岐にわたるデジタル技術を活用し、マーケティングが行われています。
デジタルマーケティングが進化を遂げたことで、企業側は膨大なデータを収集できるようになり、分析結果を施策に反映できるようになりました。最近では各種ツールから得たデータを活用し、マーケティング施策をより最適化させるデータドリブンマーケティングに取り組む企業も増えています。こうした背景から、注目度が高まったと言えるでしょう。

-費用対効果を意識した施策を選択できる

マーケティング施策ではそれなりにコストがかかってしまいます。消費者のニーズや行動が多様化しているため、むやみに予算を投下してマーケティングを行ってもうまくいかない可能性が高いのです。こうした無駄な予算投下を回避するためには、データドリブンによって市場や消費者のデータを収集・分析し、利用することが大切です。データを活用すれば自社が行うべきマーケティング戦略を把握でき、売上につながりやすい施策を打てるでしょう。

■データドリブン経営でよくある失敗

データドリブンとはこれからの経営・マーケティングには欠かせない要素になると考えられますが、その一方で導入しようとした結果失敗に終わってしまった企業も既に見られます。データドリブン経営でよくある失敗が、社内全体の理解を得ていない状態で進めてしまったことです。過去の成功体験にはこだわらずデータに基づいた施策を実施することに対し、少なからず否定的な考えを持った従業員も出てくるはずです。

しかし、データを蓄積し活用するためには全体での協力は必要不可欠と言えます。そのため、経営陣だけでなく従業員全体にデータドリブンの重要性を理解してもらい、協力体制が取れるようになってから実施する必要があります。また、準備が万全ではない状態で導入してしまうのも失敗でよく見られるケースとなっています。そもそもデータドリブンを取り入れる前に、データ分析にはどんなデータが必要か、どんな方法で取得できるのかなどを調査し、計画を綿密に立てておくことが大切です。

もし計画を十分に立てないままデータドリブン経営を続けてしまうと、本来であれば必要のないデータばかり溜まってしまい分析できない可能性も高いです。漠然と計画を立てるのではなく、細かいデータ形式にまで落とし込んでから計画を立てるようにしましょう。

■海外ではデータドリブンからAIドリブン経営へ

日本では今後データドリブン経営を導入する企業が増えていくと考えられていますが、海外では既にデータドリブンからAIドリブン経営への移行が進んでいます。AIドリブンとは、データの収集から意思決定に向けた提案・適切な商品の提示までをAIが行い、最終的な判断は人間が行うというものです。

AIドリブンによりデータを分析するところまでAIが結果を出してくれるため、より不確実性を排除することができます。また、最新データの分析で次に起きることをある程度予測し、変化する状況にも柔軟に対応していけるようになるのです。実際に海外の企業にはデータドリブンからAIドリブン経営へ移行したことで成功した企業もあります。

■AIドリブンな海外企業事例

具体的にどのような企業がAIドリブンな手法を取り入れ、成功しているのか解説していきましょう。

-StitchFix

アメリカのStitchFixは、身体データと好み、価格帯などのデータを元にAIとパーソナルスタイリストによって毎月5つの服とアクセサリーが送られてくる、ファッションサブスクサービスを展開する企業です。StitchFixは2011年の創業当時からデータ主導型のビジネスモデルを採用してきました。
StitchFixは最先端のAI技術を活用していますが、実は重視している部分は別にあります。それは、「ユーザー体験」です。昨今“カスタマーファースト”と言われているものの、AI技術を活用したところで実現できていない企業は多いです。

しかし、StitchFixはAIだけに頼らずプロのスタイリストを雇い、競業させることでより素晴らしいユーザー体験を与えられるように取り組みました。また、Stitch Fixの場合単純にレコメンドでAIを取り入れているだけでなく、需要予測や仕入れ、在庫管理、物流、トレンド予測など、あらゆるシーンで活用しています。経営面でもAI活用によって得たデータなどを元に最終判断を行えるため、より効果的かつ透明性の高い判断が可能です。

-ウォルマート

アメリカに本社を構える世界最大級のスーパーマーケットチェーンのウォルマートは、以前までAmazonなどECの猛追を受けて苦戦を強いられていましたが、現在はデジタル投資を積極的に行ったことで売上を大幅に伸ばしています。ウォルマートが行ったのは、データとAIを活用したマーケティングです。

世界に約1万900店舗と10のWebサイトを運営するウォルマートだからこそ、多くのデータを収集できています。例えば消費者が店舗やオンラインでどんな商品を購入しているのか、Twitterでは何がトレンドになっているのかなどをアナリティクスチームが収集し、このデータを用いたことでオンラインでの売上を10~15%も引き上げることに成功しました。

また、ウォルマートでは収集するデータの質にも注目しています。質の高いデータはユーザー体験を向上させるのはもちろん、健全な意思決定を導いてくれる基盤だと示しています。逆にいくらたくさんデータが集まったとしても、質が低いものばかりであれば、かえってビジネスに悪影響をもたらしかねないと考えているのです。

そのため、ウォルマートではデータクオリティーを保つためのポリシーまで掲げています。AIドリブンでもデータクオリティーは重視し、より質の高いデータを集める仕組みづくりに対して積極的に投資していることがわかります。

■まとめ

今回はデータドリブンとは何か、さらに注目が高まっている背景や失敗しやすいポイント、海外で進化するAIドリブン経営について解説してきました。現在は大手企業を中心に採用されているケースが多いものの、今後は中小企業にとってもデータドリブンの考え方や手法は重要となってくると考えられます。

海外でも既にAIドリブンな考え方を取り入れる企業が増えており、実際に成功を遂げています。データを取り入れた経営を考える際には、AIの利活用なども念頭に置きつつ考えていくといいでしょう。

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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