DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」
各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。
先日、Appleの新商品発表イベントが開催されました。出演者の長谷川は元々Appleに在籍していたこともあり、今回のイベントもお祭り気分で楽しみにしていたといいます。また、リアルタイムで試聴しながら実際に製品も購入したということで、何が大きく変わったのかを中心に解説しました。
Apple Watch の進化
今回のイベントで特に注目したのが、Apple Watchの新製品「Apple Watch Ultra」です。この商品の特徴はなんといっても、その耐久性の高さにあります。登山やスキューバダイビングをするときにも装着可能で、トライアスロンにも使うことができるようです。また、今までのApple Watchで最大のネックだった「充電持ち」が大幅に改善されており、最大で36時間使用可能と発表されています。
そのほか、衛星電波が受信できるようになったことで、広い地域で電波受信が可能になりました。石角も登山をする際、iPhoneだと繋がらないエリアが存在することに悩んでいたようで、今回の発表は非常に嬉しかったといいます。このように、ユーザーが抱えていた不満点をクリティカルに解消するような、そんな発表イベントになったようです。
リアルの体験価値向上がメタバースに繋がる
このPodcastでも度々メタバースの話が出ていますが、Appleはその中でもリアルワールドでの体験価値向上を目指していることがわかります。リアルワールドでのテクノロジーをどんどん発展させていくことによって、それがメタバースにも活かせる要素になることは間違いないでしょう。
またそれに伴い、アップルのシリコンが大幅にアップグレードされていることを指摘しています。今回発表された多くの製品で電池効率が向上しているのは、間違いなく独自シリコンの進化が関係しているでしょう。どれだけメタバースが発展していても、結局最後はハードが重要になるということを、Appleの新製品発表会を通じて感じることができたのではないでしょうか。
今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。
ぜひお気軽にご質問ください。
第36回で取り上げる「今週のホットニュース」は「Microsoft invests in Travis Kalanick’s CloudKitchens start-up」です。
ニュースの概要
このニュースは、Uberの創業者で元CEOのトラビス・カラニック氏が興した最新のベンチャー企業「CloudKitchens」に対して、マイクロソフトが投資をしたという内容になります。トラビス・カラニック氏はアメリカにおいて良くも悪くも有名人であり、問題児的立ち位置であることから、今回マイクロソフトが投資に踏み切ったことは非常に注目されました。
まず初めに、今回投資が決まった「CloudKitchens」とは一体どのようなビジネスモデルなのか説明します。新型コロナウイルスの影響でUberEatsが日本でも流行する中、その派生系と言われているのがCloudKitchensです。
これまで飲食物をUberEatsで販売する際には、既存のレストラン・料理店がUberEatsの配達員に対して配達をお願いするといった流れでした。しかしこのCloudKitchensでは、そもそも自分でリアルな店舗を用意する必要がありません。つまり、キッチンスペースをみんなでシェアしながら、UberEatsの配達のみで飲食ビジネスを始められるということです。
通常のレストランを新しく始める際には、最低でも25人の従業員や、1年ほどの開業準備が必要になります。しかし、このCloudKitchensを利用することによって、通常のレストランの約10分の1の面積・4人ほどの従業員からお店を始めることができます。また、最速でも6週間でのローンチが可能となっており、予算も約3万ドル(現在の日本円で約400万円)ほどで開業できてしまうのです。まさに「キッチンのクラウド化」とも言えるビジネスモデルでしょう。
石角は、このCloudKitchensが描くビジネスモデルに対して、1つの懸念点を指摘しています。それは、お客様との接点がアプリの中だけに限定されてしまうことです。
確かに起業家視点で見ると、CloudKitchensによって飲食店の起業に対するハードルは大きく下がることでしょう。しかし、CloudKitchensを利用して飲食店を経営する場合、必ずUberEatsを経由する必要があります。その中で、どのようにお店のブランドを構築していくのかといった課題や、手数料やアルゴリズムに対する不満が生まれる可能性は多いにあるでしょう。
そして長谷川も、お店が存在しないことによって一生懸命作っている姿が見れないことを懸念しています。やはり、実際にオープンキッチンで作っている過程を見れるということは、レストランにとってのバリューであると指摘しており、ここをどうやって乗り越えていくかが、CloudKitchens成功のカギになるのではないでしょうか。
ここまで、CloudKitchensについて説明するとともに、このビジネスモデルが抱える1つの懸念点について議論してきました。その上で、実際にCloudKitchensを創業したトラビス・カラニック氏の今後についても分析しています。
冒頭でもお話ししたように、トラビス・カラニック氏はアメリカにおいて問題児として有名です。それでも、今回のようにマイクロソフトから投資を受けることに成功しました。このことから、やはり復活に値するだけのカリスマ性を持っていたと言っても過言ではないでしょう。
しかし、すでにCloudKitchens内では様々な問題が引き起こっていると言われています。CloudKitchensを退職した人の話によると、いい企業文化ではなかったという声も上がっていることから、これから問題が発生しそうな予感があります。いずれにせよ、今後の動向に注目です。
「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川の紹介する「High Growth Handbook(日本語版:爆速成長マネジメント)」です。
この本は、スタートアップをスケールする時のハンドブックのような内容になっております。この出版社が出している全ての本が非常に面白いと話しており、システムエンジニアリングの話から化学的な本まで、興味深いトピックを扱っております。また、それに加えて本自体の紙のクオリティも非常に高く、お気に入りだと話していました。ぜひ興味のある方は、手に取ってみてください。
それでは、次回の放送もお楽しみに!
#36の実際の音源はこちらからお楽しみください。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
※石角友愛の著書一覧
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