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イーサリアムが大規模アップグレード – The Mergeが与えた衝撃
2022/10/10 ブログ 
by kawakamitakuro 

イーサリアムが大規模アップグレード – The Mergeが与えた衝撃

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

イーサリアムが大規模アップグレード – The Mergeが与えた衝撃

今回の放送も、視聴者の方からいただいたコメントに回答するところからスタートしました。いつも沢山の質問をいただき、ありがとうございます。

第34回放送で紹介されていたおすすめコンテンツ「Shut Up and Run」を読みました。恐怖や怒りに打ち勝つために走り始めたという話を聞き、私も負の感情をいかにしてコントロールするか考えながら走ったところ、有意義な気持ちでランニングを終えることができました。

しかし、石角さんのようにお仕事をしながら運動を継続することがなかなかできません。そこで、運動継続の秘訣や運動をしてよかったと思えたエピソードなどがあれば、ぜひお聞きしたいです。

 

Apple Watchを使った散歩

出演者の長谷川は、Apple Watchを活用することによって継続して運動ができていると話します。また運動する際にも、15~30分程度の散歩など、あえて軽い運動にすることで継続できているようです。

Appleに勤務していた頃も、オフィス内をぐるぐると15分だけ散歩するなどの工夫をしており、軽いゲーム感覚で運動を楽しんでいたといいます。このように、まずは軽い運動から始めて習慣化することが大切ではないでしょうか。

 

試行錯誤を繰り返して習慣化する

石角は、常にポジティブに自己評価ができるようになることが、運動をすることの大きな理由だと話します。そのため、1日に10回腕立て伏せをすることを目標にするというよりは、なりたい自分や目指している姿を想像して、その自分になるために継続することが大切です。

また、やる気やモチベーションに頼るよりも、自分にとって継続できる環境が何か考えることが重要だと話します。試行錯誤を繰り返しながら、運動を習慣化できるように取り組み続けることが大切です。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

The Mergeが世の中に与えた衝撃

第37回で取り上げる「今週のホットニュース」はThe Ethereum Merge Is Complete. What Investors Should Know About How It Will Influence the Priceです。

ニュースの概要

このニュースは、日本時間9月15日木曜日に暗号資産のイーサリアムが大規模なアップグレードである「The Merge(マージ)」を完了したという内容になります。イーサリアム財団によると、マイニングに必要なエネルギー消費量は新システムの導入により99.95%も削減されると発表されており、マーケットからも注目が集まっています。

 

ブロックチェーンとは

初めに、暗号資産について知らない方に向けて「ブロックチェーン」とは何かを長谷川が説明しました。ブロックチェーンとは、ビットコインなどの暗号資産における基礎技術のことであり、この仕組みによって暗号資産が成り立っているといっても過言ではありません。

例えばみなさんが、暗号資産を買いたいと思ったり、暗号資産を使って商品を買うとしましょう。その時に、その購入情報は10分ごとに生成されるブロックに保存されます。そして、その保存したブロックを1本の鎖(チェーン)によって繋げていく事により、情報が次から次へと保存されていくのです。この仕組みこそが「ブロックチェーン」と呼ばれる仕組みになっています。

そして、このブロックチェーンについてより理解を深めるために必要な考え方が「分散型台帳」というものです。実は、世界には「ノード」と呼ばれる情報を保存するサーバーのようなものが設置されており、ここにビットコインなどで行われた取引情報が台帳として保存されています。これこそが、先ほど話したブロックチェーンの考え方を実現させている機能なのです。

 

ハッシュ関数が果たす役割

ここまで、ブロックチェーンについて大まかなイメージと共に理解してきました。その上で、分散型台帳という考え方についても触れてきましたが、ここで1つ気になることがあります。それは、それぞれのノードが同じ台帳を持っており、それが分散された状態であれば、悪意ある者が台帳の中身を改ざんしてしまうのではないか、という懸念です。

しかし、これら取引の改ざんリスクは「ハッシュ関数」という特殊な関数によって解消されています。このハッシュ関数とは、規律性のない一定の長さ(64桁)の文字列が生成される関数のことを指し、この文字列のことを「ハッシュ値」と言います。このハッシュ関数を使えば、商品を買った時の取引情報なども全て64桁の文字列(ハッシュ値)に変換することができるのです。

また、このハッシュ値というのは不可逆的であるため、生成することは簡単でも、逆にハッシュ値から元データを割り出すことはできません。そのため、このハッシュ関数こそがブロックチェーン技術を実現する上で不可欠となるのです。

 

マイニングによる電力消費量を抑える

それでは、今回のニュースである「The Merge(マージ)による電力消費量の減少」とはどういうことなのでしょうか。実は、このブロックチェーンにおける「ブロックの繋げ方」に、その理由が隠されているのです。

ブロックとブロックを繋げていく作業には、ある規則が存在します。それは、新しいブロックを前のブロックの最後につなげるには、規則に沿った鍵を見つける必要があるということです。この規則に沿った鍵を見つける作業を「マイニング」と呼びます。

ブロックは10分ごとに1つ生成されています。そのため、10分ごとにマイニングの作業が世界中で行われているのです。それも、最初に鍵を見つけた人に報酬が支払われるため、マイニングという作業自体が競争の中で行われているという事になります。しかし裏を返すと、1番最初に鍵を見つけられた人以外は、無駄な電力を消費している事になるのです。

そのような、無駄な電力消費を抑える仕組みこそが、この「The Merge(マージ)」なのです。このイーサリアムの大型アップデートによって、マイニングをする人があらかじめ指定されるようになり、競争の中で鍵を見つける必要がなくなりました。そのため、無駄な電力消費が行われなくなり、電力消費量が抑えられるようになった、という事なのです。

 

ヴィタリック・ブテリンという天才

イーサリアムは、大型アップデート「The Merge(マージ)によって、Bitcoinなどの他の暗号資産と比べて大幅な電力消費量の減少を達成しました。しかし、このような画期的な考え方を取り入れたイーサリアムは、一体誰が作り出したのでしょうか。

実は、イーサリアムを考案した人物はヴィタリック・ブテリン氏という人物であり、当時イーサリアムを立ち上げた時は、まだ19歳という若さでした。当時からホワイトペーパーを公開したり、そこからイーサリアムをビットコインに次ぐ暗号資産に成長させたりなど、まさに天才と称されています。電力消費量の減少は、世界が抱える環境問題に対しても大きな影響を与えるだけではなく、マーケット全体に大きなインパクトを起こしたのです。

 

今週のおすすめコンテンツ「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(日本語版)」

「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川の紹介する「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(日本語版)」です。

こちらのコンテンツは、Satoshi Nakamoto氏が2008年に書いた論文になります。まさに、今の暗号資産の原点となるコンテンツとなっており、世の中に対して大きな衝撃を与えました。リーマンショックなど、激動の中で生まれたこの考え方は、今の暗号資産について理解する上でも非常に重要です。ぜひ一度、読んでみてください。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#37の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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