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投稿日:2023/01/23 更新日: 2023/01/23 by kawakamitakuro

ABFを手がける味の素の半導体事業 – 副産物ビジネスの持つ可能性

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

ABFを手がける味の素の半導体事業 – 副産物ビジネスの持つ可能性

今回の放送は、ワールドカップで日本対スペイン戦が行われた後に収録されました。出演者の石角もたまたま日本に帰ってきたタイミングで、朝4時に起きて観戦していたといいます。ドイツに勝った上でスペインにも勝利し、グループリーグを首位通過するという素晴らしい成績を残した日本には、各国から賞賛の声が上がっています。

 

サッカー日本代表がスペインに勝利

石角だけではなく、出演者全員がリアルタイムで観戦したというこの試合。日本時間の早朝4時という早い時間にもかかわらず、視聴率は非常に好調だったようです。長谷川はアメリカから中継を観ており、アメリカでは昼の1時にキックオフだったことから、余裕を持って観戦できたといいます。

初戦のドイツ戦で勝利したものの、コスタリカに敗れてしまった日本にとってこの試合は非常に重要な1戦となりました。前半はスペインがゲームを支配し、得点も決めたことから、コスタリカ戦のように負けてしまうと思った人が多かったかもしれません。しかし、後半開始早々から立て続けに2得点を挙げて逆転に成功し、結果的にはグループリーグ首位通過を決めました。

山崎は、逆転することができた日本代表のメンタリティに感動したといいます。普通であれば、一度リードを許してしまうとメンタル的にも厳しい状況になると思いますが、そこで諦めずに勝利を掴み取ったというのは、日本の地力が勝った瞬間といえるでしょう。

 

VARにおけるテクノロジーの面白さ

今大会から初めて導入されたVARですが、このテクノロジーが今回の試合を大きく左右したと言われています。日本の2点目はボールがラインから出たか否かで長い時間分析が行われ、結果としてゴールが認められました。まさに、テクノロジーによって人が判断できない部分まで分析できるようになったといえるでしょう。

様々なシステムの組み合わせによって実現されているVAR。Level 5 でも、AIの分野について取り上げる機会が多いことから、今後詳しく分析しながら深掘りしていきたいと思っています。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

味の素の事例から見る副産物ビジネスの可能性

第48回で取り上げる「今週のホットニュース」はAjinomoto Hastens Chipmaking Film Expansion, Mulls Bigger Outlayです。

ニュースの概要

このニュースは、味の素の副産物ビジネスである「半導体事業」が好調であることを取り扱ったBloombergの記事になります。味の素といえば「うま味調味料」というイメージが強いですが、実は半導体事業も積極的に進めているのです。このケースをもとに、日米における副産物ビジネス成功のカギについて議論しました。

 

味の素が開発する「半導体」とは

味の素といえば、調味料から冷凍食品まで幅広く食品を販売してきた企業として有名です。そんな企業が手がける「半導体」とは一体どのようなものなのでしょうか。

味の素が手がける半導体は、ノートパソコンやスマートフォンの頭脳に当たるマイクロプロセッサーユニットの絶縁体として使われています。通称「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」と呼ばれており、味の素の子会社である味の素ファインテクノ株式会社が手がけています。今では、このABFがなければ高性能電子機器の製造が難しくなるほど、世界的に重要な材料となっているようです。

以前の放送で取り上げたTSMCやインテルでもこの半導体が使われており、接続性の良さや品質の高さから高い評価を受けています。特に、高性能なコンピューターを作る世界においては、シェアをほぼ独占しているといっても過言ではありません。それほどに、味の素の半導体は評価されているのです。

 

背景には長い歴史があった

そんな味の素の半導体ですが、実は長い歴史を経て開発されました。1970年代、アミノ酸に関するノウハウを応用し「エボキシ樹脂」に注目して基礎研究を続けた結果、1990年代にパソコン用半導体基盤の絶縁材料に応用することに成功したのです。このように、70年代からの研究が今になって実を結んだというのは、非常に長期的なリターンを見越した味の素の戦略だったといえるでしょう。

山崎は、基礎研究を続けながらも、それらを異なる分野の応用研究まで発展させていく姿勢に感銘を受けたと言います。これだけ大きな食品事業がある中で、コンスタントにABFの研究開発にリソースを割いたというのは、会社として明確な戦略がなければ成り立ちません。その点、メイン事業の売り上げに左右されず、大切だと思う分野を育ててきた味の素は天晴れでしょう。

 

そのほかの副産物ビジネス

味の素だけではなく、日本において多くの副産物ビジネスが広がっています。サッポロビールでは、サッポロ黒ラベルの製造工程で廃棄されるホップの茎や葉を活用して和紙を作り、そこから糸を紡いでデニム生地を制作しているようです。このデニムは軽くて通気性がよく、レザーパッチには黒ラベルのシンボルである星のロゴもついています。副産物ビジネスであると同時に、SDGsの観点からも社会性を感じる素晴らしいプロダクトです。

アメリカにおける副産物ビジネスとして有名なものは、やはり「AWS」でしょう。AWSは、Amazonがメイン事業を進める過程で作られたフレームワークであり、それらを外販したことで大きなシェアを獲得してきました。今となっては、EC事業以上に利益を挙げている分野となっています。

長谷川は、AWSの副産物ビジネスを分析した上で、利益率の高さに注目しています。自分たちが使う商品だったからこそ、ユーザーのニーズを熟知することが可能となり、結果として非常に質の高いプロダクトが完成したのかもしれません。このように、自然とユーザー目線になれる状況が生まれる点は、TECH系の副産物ビジネスの持つ強みと言えるでしょう。

 

副産物ビジネスによって生まれる難しさ

ここまで、副産物ビジネスの魅力について分析してきました。しかし、副産物ビジネスが成功することによって、逆に難しくなった点もあるのではないかと石角はいいます。例えば、味の素におけるメイン事業は食品であったことから、半導体事業に転換していく際の人材確保や給与水準の設定などは、難しいポイントになるかもしれません。

また、消費者にとって味の素のイメージはやはり「調味料」や「冷凍食品」でしょう。そこでいかにしてバランスをとりながらブランディングを進めていくのかという点も、とても重要になります。Amazonのように、AWSに一気に舵を切る姿勢を見せていくのか、それとも違うアプローチからブランディングを進めていくのか。いずれにせよ、味の素の今後の動向に目が離せません。

Level 5 では引き続き、味の素を含めた副産物ビジネスの動向に注目していきたいと思います。

 

今週のおすすめコンテンツ 新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」

「今週のおすすめコンテンツ」は、山崎の紹介する新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」です。

こちらのコンテンツは、「君の名は」や「天気の子」という大ヒット作を生み出した新海誠監督の最新作になります。新海誠監督といえば綺麗な描写が特徴的ですが、今回の作品も全体を通して非常に美しい作品だったようです。音楽は3度目のタッグとなるRADWIMPSが担当しており、その世界観には多くの人が引き込まれるでしょう。興味のある方は、ぜひ一度映画館で観てみてください。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#48の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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