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グーグル・メタを差し置いて、アマゾンの広告事業が伸び続ける3つの理由 – ITmedia寄稿記事掲載

2023/02/28 メディア掲載実績, 日経クロストレンド 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

グーグル・メタを差し置いて、アマゾンの広告事業が伸び続ける3つの理由 – ITmedia寄稿記事掲載

米国のテック業界で不景気が続き、リストラなどのニュースが絶えません。今回は特に、広告事業の現状について取り上げます。

グーグル本社(提供:ゲッティイメージズ)

広告と聞くと、真っ先にグーグルとメタ(旧:フェイスブック)を思い浮かべる人が多いと思います。2月2日(米国時間)に発表されたAlphabetの決算によると、グーグルの総広告収入は前年同時期の694億ドル(約9兆1500億円)から678億ドル(約8兆9000億円)と、同社史上2度目の減少となりました。

最近では、YouTubeの広告費の縮小によりYouTuberが稼げなくなったという問題がよく取り上げられていますが、YouTubeだけの問題ではなく、検索事業も含めた広告収入全体が減少していることがポイントです。具体的には、YouTube広告が86億ドルから80億ドル、検索広告が433億ドルから426億ドル、グーグルが他のWebサイトに表示する広告は93億ドルから85億ドルにそれぞれ減収しています。

米国時間2月1日に発表されたメタの決算にも同様の傾向が見られ、広告収入は前年同期の326億ドルから312億ドルに減少しました。

なぜ、こんなことに?

商品などの認知を促すその他大手4マス広告(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)と比べると、購買に直結しやすいネット検索の広告(アドワーズなど)はこれまで、不景気に伴うコスト削減の影響を受けにくいと言われていました。そのため、テック各社の広告収益の減少は米国で驚きを持って報道されています。

一方で、そもそもこの縮小傾向は一過性のものではなく、インターネットの広告市場自体がもはや飽和状態にあり、低成長市場になっていることに起因しているという意見もあります。例えば、メタではコロナ禍の2020年最終四半期において、広告収入31%増という大幅な成長を記録していましたが、現在の成長率はわずか約2%と言われています。グーグルも苦戦しており、例えばYouTubeでの広告収入の合計は79.6億ドルで、前年の86.3億ドルから7.8%減になっています。

メタの最高財務責任者(CFO)のスーザン・リー氏が、「予想通り、第4四半期の収益は広告需要の低迷による圧力を受け続け、不確実で不安定なマクロ経済情勢の影響を受け続けていると考えている」と述べた上で、すぐの需要回復は見込めないという見解を示したことからも、広告需要の低迷トレンドが深刻だと分かります。

なぜここまで不調なのか? 謎を解く鍵は「アマゾン」

一体インターネット広告市場に何が起きているのでしょうか。本当に、需要自体がなくなってきているのでしょうか。その謎を解く鍵となるのがアマゾンの広告事業の動向です。

アマゾン本社(提供:ゲッティイメージズ)

2月2日に発表された同社の業績報告によると、アマゾンの広告サービス部門の第4四半期の売上高は116億ドルで、前年同期比19%増となりました。これは、前述のグーグルやメタと比べると、かなり大きな成長率であることが分かります。

そもそも、アマゾンの広告シェアは、インターネット広告全体の何%を占めているのでしょうか。米調査会社インサイダー・インテリジェンスが実施した世界各国のデジタル広告収入シェア調査の結果によると、オンライン広告市場全体におけるアマゾンのシェアは7.3%であることが分かっています。なお、グーグル、フェイスブック、インスタグラムがそれぞれ28.8%、11.4%、9.1%となっており、シェア自体はまだ多いとは言えないものの、決して小さくないことが分かります。

インサイダー・インテリジェンスによるマーケットシェア予測

シェア分布からも分かる通り、インターネット広告市場は細分化されており、今後も続く不景気を考慮するとシェアの奪い合いがさらに激化すると予想されます。

同調査会社が数年前に発表した米国市場における今後のマーケットシェア予測によると、23年にはアマゾンのシェアが14.6%、グーグルのシェアは26.4%に下がり、フェイスブックとインスタグラムを合わせたメタのシェアは24.1%で横ばいになると考えられており、何年も前から、アマゾンが米国市場で唯一成長する広告ビジネスだと予測されていたことが分かります。

なぜ、アマゾンの広告ビジネスは伸びるのか

なぜ、この景気低迷局面でもアマゾンの広告ビジネスは成長し続けているのでしょうか? その理由を考察し、以下の3つにまとめました。

(1)広告投資の効果測定がしやすい

アマゾン最高財務責任者のブライアン・オルサフスキーは、同社の第4四半期の決算説明会で、「販売業者、ベンダー、ブランドは、常に競争の激しいホリデーシーズンに顧客を獲得するために、アマゾンの広告機能に引き続き注目しています」と述べており、経済環境が不安定になってきている中、広告主がより売り上げに直結する効果的な広告媒体をシビアに選ぶ傾向が強まっていることが一つの要因であることが分かります。

つまり、不景気により広告宣伝費予算を削減している企業も多く、マーケターが広告費をより具体的に検証する段階に入っている中、メタやSnapといったソーシャルメディア企業よりも、買い物客のデータをそれぞれの広告費とより簡単かつ効果的に関連付けられるアマゾンに価値を見いだしていると言えるのです。

また、メタやSnapはモバイルユーザーが多く、Appleがユーザー向けの新しいプライバシー機能を導入したことで、広告効果測定と広告トラッキング技術の再構築を余儀なくされていることもアマゾンが優位となっている要因の一つと言えます。

(2)TikTokなどの競合が少ない

YouTubeの広告収入が約8%も減少した要因として、TikTokにシェアを奪われたということが言われています。実際にTikTokの広告収入の推移を見ると、21年時点で40億ドルだった広告収入が22年には3倍近い110億ドル以上に成長し、Twitterとスナップチャットの合計収入を上回る見込みとまで言われているほど好調であることが分かります。

競合するソーシャルメディア(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

もっとも、TikTokを脅威とするのはYouTubeだけではなく、フェイスブックやインスタグラムといった他のあらゆるSNSも同様です。

認知を高めることが主な目的の広告の場合、アイボールシェアが集まっている媒体に広告費が集約されますので、TikTokの急成長によりシェアが分散された結果、別のSNSの収入が減ってしまうという構図です。しかし、アマゾンの広告は購買を促す広告のため、現時点では他と比べてTikTokが大きな脅威にはなっていないと考えられるのです(ただし、TikTokやInstagramは今後もソーシャルコマースに注力すると考えられており、アマゾンも安泰ではないでしょう)。

一方で、グーグル検索広告はアマゾンにとって競合と言えます。しかし、グーグルショッピング広告などは購買に直結するタイプの広告とはいえ、購買行為自体は各リテーラーのWebサイトにリディレクトされた後に行うため、すぐにでも商品を購入したい購買意欲が強いユーザーにとっては、ワンステップ少ないアマゾン上で検索し、即購入というステップの方がより魅力的です。実際に、米国では「商品検索ならグーグルよりアマゾン」と69%が回答しているという報道もあります。

アマゾンの広告は、グーグルと同様に、広告主が特定の検索キーワードに入札し、検索結果の上位に自社の製品リストを表示するというアプローチを採用しており、仕組み自体は似ていますが、アマゾンで商品を検索する人はすぐにでも商品を購入しようとしているのに対し、グーグルで検索する人は、ただ商品を検索、調査、比較している可能性もあり、結果的にROAS(Return On Advertising Spend:広告の費用対効果)に差が出てくると考える広告主が多いのかもしれません。

(3)アマゾンが広告商品を多く表示させている

グーグル検索結果の上位がほとんど広告で埋め尽くされているという問題は数年前から指摘されていますが、実はアマゾンでも同じことが言われています。アマゾンで商品を検索すると、結果の上位はほとんどがスポンサードと書かれている広告商品の場合も多く、「アマゾンでは基本的に全てが広告になっている~アマゾン・プライムよりもうかる裏ビジネスの内幕」という記事が出るほどで
す。

アマゾンで検索すると、上位のほどんどが「スポンサード商品」の場合も多い(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

アマゾンの直近の四半期では、販売された全商品の58%がサードパーティーセラーからの商品で、アマゾンにとって非常に重要な位置付けだと言えます。

サードパーティーセラーは、アマゾンの「マーケットプレイス」を通じて商品を販売する中小企業を中心とする数十万のオンライン販売業者を指します。このサードパーティーセラーが自社商品をより頻繁に、より良い場所に表示させ成功するためには、売り上げの10%から20%をアマゾン広告に費やさないといけないと、上記記事で明かされています。とはいえ、アマゾンマーケットプレイスの成長により、例え広告費を払ってでも自社商品をトップに表示させたいと考えるセラーが増えているのです。

また、グーグル検索が広告で埋め尽くされると、どのWebサイトが一番信頼できるか分からない可能性もありますが、アマゾンの場合、スポンサー商品だとしても、星の数とレビューの数という過去の消費者の生の声があることで、ユーザーもさほどスポンサー商品かスポンサー商品でないかは気にならない可能性もあるでしょう。

このように、アマゾンの広告ビジネスはアマゾン全体で見ればまだ小さい事業ですが、成長率には特筆すべきものがあり、マーケットプレイスとの強い親和性があることも分かります。

顧客中心主義を唱えてきたアマゾンが、広告商品ばかりを表示させることでユーザー体験がどう変化するかは考慮すべき点ですが、今後も変化し続けるインターネット広告市場に引き続き注目したいと思います。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2302/28/news069.html

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

※石角友愛の著書一覧

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