2025年4月、米国司法制度のもとでGoogleに対する大きな節目となる判決が下されました。バージニア州の連邦裁判所は、Googleがインターネット上の独立系ウェブサイトにおける広告販売市場で「意図的に独占力を取得し、維持した」と認定し、反トラスト法違反とする判決を下しました。これは2024年8月に下された「検索市場における違法な独占」の判決に続くものであり、Googleが今後裁判所命令により事業構造を大きく変更せざるを得ない状況が、ますます現実味を帯びています。
今回の裁判で問題となったのは、Googleの広告技術(アドテク)事業です。Googleはこれまで、広告主がインターネット上の広告枠を購入し、出版社がその広告枠を販売する両方の側面において圧倒的な市場支配力を持ってきました。米司法省(DOJ)は、Googleがこの二面市場での支配力を活用して競合他社を排除し、広告費を押し上げてきたと主張しています。
この広告技術分野の裁判に加えて、Googleは検索市場でも独占と認定されており、今後さらなる事業の分離・売却が現実になる可能性があります。司法省は検索市場の是正措置として、Chromeブラウザの分離、そしてAppleなどとの検索エンジンのデフォルト契約の終了を要求しています。Chromeそのものは収益を生み出さないものの、Google検索やGoogle Mapsといった収益事業への入り口として重要な位置を占めており、その分離はGoogleのビジネスモデルに大きな再編を迫るでしょう。
また、検索市場に関するもう一つの裁判も控えており、Googleの中核事業全体が法的に再編される可能性を含んでいます。これは、デジタル広告に依存する現代の情報流通のエコシステムそのものが、透明性と競争性を再評価される転機であるとも言えるでしょう。こうした法的な動向がテクノロジー業界の競争環境や広告のコスト構造にどのような影響を及ぼすのか、今後も注視する必要がありそうです。
記事元:https://www.theinformation.com/articles/googles-breakup-likely-second-antitrust-loss?shared=23e0a9550e227ae7&rc=8ivgkj
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