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AI業界における熾烈な人材と技術の争奪戦が、新たな局面を迎えました。AIスタートアップのCognitionが、わずか数日前にCEOをGoogleに引き抜かれたばかりのWindsurfを買収すると発表しました。このニュースは、GoogleがWindsurfの共同創業者兼CEOであるVarun Mohan氏を2.4億ドルのライセンス契約を伴って迎え入れた直後というタイミングも相まって、大きな注目を集めています。
Windsurfは、AIを活用したコーディング支援ツールを開発するスタートアップであり、特にエンタープライズ向けの開発環境と営業組織を強みに成長してきました。今年4月にはOpenAIが約3.0億ドルで買収する動きもありましたが、主要出資者であるマイクロソフトの反対により交渉は破談。その後Googleが主要人材を確保し、残された知的財産とチームをCognitionが引き継ぐという、異例の再編劇が実現した形です。
Cognitionは、AIエージェント「Devin」を開発する企業として注目されており、ソフトウェアエンジニアリングの効率化を図る技術に強みを持っています。今回の買収では、Windsurfの知的財産やブランド、そして残留する従業員がすべてCognitionに統合され、CEOのスコット・ウー氏は全従業員のベスティング即時確定や経済的配慮を明言。Windsurfの企業文化を尊重しながら、即戦力としてチームに迎え入れる姿勢を示しています。
この買収劇は、巨大企業がAI人材を囲い込む一方で、スタートアップ同士の戦略的連携が新たな選択肢となりつつあることを示しています。OpenAIによる大型買収が頓挫した後の決断であることも踏まえると、Cognitionの動きは極めて戦略的であり、今後のAI開発競争において重要な転機となる可能性があります。企業にとっても単なる技術力だけでなく、人材の維持・活用戦略が競争優位の鍵となることが、今回の一連の動きから明確に浮かび上がってくるかもしれません。
記事元:https://www.cnbc.com/2025/07/14/cognition-to-buy-ai-startup-windsurf-days-after-google-poached-ceo.html
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