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マサチューセッツ工科大学(MIT)は、トランプ前政権が大学に対して提案した「学術的卓越性のための協定」を拒否した最初の大学となった。この協定は、研究資金や政策面での優遇と引き換えに、国際学生の受け入れ制限、学費凍結、性別の定義固定、そして保守的意見の尊重を義務づける内容だった。MITは、自由な学問と科学的功績に基づく資金配分という原則に反するとして、明確に拒否の姿勢を示した。
MITの学長サリー・コーンブルース氏は書簡で「研究への資金提供は、科学的な功績に基づくべきであり、政治的条件に左右されるべきではない」と述べた。これに対しホワイトハウスは「この機会を逃す大学は、学生の利益を損なっている」と反発。他の8大学には、ダートマス大学やペンシルバニア大学などが含まれ、対応は保留または内部検討中とされている。
今回の提案は、学問の場に政治的思想を持ち込む試みとして多くの教員や自由な学問を支持する団体から批判を受けている。バージニア大学の教員組織は「協定は大学の独立性を脅かし、憲法違反の恐れもある」として学長に拒否を求めた。全米大学教授協会もMITの決断を支持し、他大学にも追随を呼びかけている。
一方で、テキサス大学のように協定に前向きな姿勢を見せた大学も存在する。今後、大学と政府の関係性、そして学問の自由と社会的責任のバランスは一層注目されるだろう。資金と価値観の板挟みの中で、各大学がどのような選択を下すのか。その行方は、高等教育の今後を占う試金石となる。
記事元:https://www.nytimes.com/2025/10/10/us/mit-rejects-white-house-compact.html
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