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ホワイトハウスが、州政府によるAI規制を押し戻すための大統領令を準備しているとの報道が注目を集めています。草案によれば、司法省に対し州のAI関連法を憲法上の観点から提訴するよう指示する内容が含まれており、カリフォルニアやコロラドで進む透明性義務化や差別防止規制が主な標的となる見通しです。正式発表前の段階とはいえ、連邦政府が強く介入する姿勢を示したことは、AI政策をめぐる権限争いの新たな局面と言えるでしょう。
大統領令案には、商務省が「過度なAI規制」を持つ州への連邦ブロードバンド資金を制限する可能性も盛り込まれており、各州に対する実質的な圧力として機能することが予想されます。また、連邦通信委員会(FCC)がホワイトハウスのAI特別顧問デイビッド・サックス氏と連携し、AIモデルの全国標準づくりを進める構想も浮上しています。州ごとに異なるルールが乱立する状況を避け、連邦主導の統一基準を整備したいという狙いが明確に読み取れます。
背景には、テック業界の強い働きかけがあります。特にマーク・アンドリーセン氏ら大手投資家は、州ごとにばらつくAI規制が産業成長の妨げになると主張し、規制を阻止する政治活動に多額の資金を投じています。トランプ政権の関係者も業界と連携し、州議会レベルのAI法案を抑制するための方策を水面下で模索してきました。ただし、州の権限を奪う規制禁止条項は以前、上院で99対1の大差で否決されており、連邦による強権的な介入には与野党から慎重論も根強く残っています。
今回の動きは、AIを活用する企業にとっても無視できない転換点です。規制が連邦レベルで一本化されれば、事業運営の予見性は高まる一方、どのような基準が設定されるかによっては新たな遵守コストが生じる可能性もあります。AIをめぐる政策環境は今後も大きく揺れ動くことが見込まれ、企業としては政策決定の行方を注視しつつ、柔軟な戦略構築が求められる局面に差し掛かっています。
記事元:https://www.theinformation.com/articles/white-house-working-executive-order-foil-state-ai-regulations
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