
生成AIの進化によって、SNS運用は以前よりずっと手軽になりました。投稿文だけでなく、画像や動画、ナレーションまでAIで作れるため、個人でも少ない手間で継続的に発信しやすくなっています。
ただし、コンテンツを大量に作れることと、収益化できることは同じではありません。YouTubeやFacebookは、以前からオリジナル性や独自性を重視する方針を立てており、近年はその考え方がより明確になっています。
SNS収益化で重要なのは、AIにすべてを任せることではなく、人にしか作れない情報や体験、視点をコンテンツの核にし、その価値をAIで高めることです。前編では、AIでSNSコンテンツを量産しても収益化につながりにくい理由と、AI時代に価値が高まるコンテンツの特徴を解説します。

SNSコンテンツの制作工程には、企画、素材作成、編集、投稿用への加工など複数の作業があります。現在はそれぞれの工程にAIが入り込み、これまで別々に行っていた作業をまとめて進められるようになりました。
現在の生成AIは、投稿文や動画の構成案を考えるだけでなく、画像や動画そのものの制作にも利用できます。
そしてSNS各社もこうした生成AI機能を取り入れています。YouTubeは2026年5月、Shortsのリミックスなどに「Gemini Omni」を導入し、プロンプトや画像を使って映像・音声を編集できる機能を発表しました。Metaも同年7月、画像生成モデル「Muse Image」をMeta AIに導入し、自然言語による画像生成や既存画像の編集に対応しています。
T2V(Text to Video)やI2V(Image to Video)機能も使えるため、専門知識がない初心者でもコンテンツ制作を気軽に楽しめるようになってきました。
AIが変えたのは、1本の投稿を作る作業量だけではありません。すでに持っている素材を別のコンテンツへ展開する作業も効率化させました。
TikTokが提供する「Smart Split」では、1分を超える長尺動画から複数の短尺動画を自動作成し、縦型へのリフレーム、字幕、文字起こしまで行えます。「AI Outline」では、テーマを入力するとタイトルやハッシュタグ、冒頭のフック、動画構成案などを生成できます。
このようなAI機能によって、個人でも大量のコンテンツを発信できるようになってきたのです。

生成AIによってコンテンツが簡単に作れるようになったといっても、収益にすぐにつながるとは限りません。誰でも簡単にクリエイターとして参入できるようになれば、競争も激化します。ここでは、AIで大量にコンテンツを作るだけでは収益化につながりにくい理由を3つに分けて整理します。
SNSで同じようなコンテンツが流れてくることはよくあります。それはクリエイターが同時期のトレンド・テーマを追ってコンテンツをタイムリーにAIで生成しているからです。そのような状況では、コンテンツの差別化が難しくなり、視聴チャネルが分散されていきます。これでは、再生回数も上がらず、収益アップにもつながりません。
YouTubeは2025年7月、従来から表明していた「繰り返しの多いコンテンツ」に関する収益化方針について、大量生産されたコンテンツも対象に含まれることをより明確にしました。
Facebookも2026年3月、オリジナルコンテンツのリーチや収益機会を増やす一方、独自性の低いコンテンツの表示を抑える方針を改めて示しました。
つまりテンプレート化され、動画ごとの差が小さい量産型のAI生成コンテンツなどは収益性が低くなる可能性があるのです。
生成AIコンテンツに抵抗感を持つ視聴者も一定数います。
2026年2月のコペンハーゲンIT大学とミシガン大学の米国成人680人を対象にした実験では、AI支援コメントに対する「Dislike」が増える傾向が見られました。同じくコペンハーゲン・ビジネススクールなどの研究では、Instagramを模した実験で、AI生成・AI支援と表示された投稿は人間制作と表示された投稿よりエンゲージメントが低い結果が出ています。特に否定的な視聴者の反応(通報や反論)などで、収益化自体が難しくなるケースもあります。

AI時代のコンテンツ制作で重要になるのは、ほかの人が簡単には再現できない材料(情報)を持っているかどうかです。ここでは、AI時代のSNSでコンテンツ差別化につながる要素を具体的に見ていきます。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)
パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事及び東京都AI戦略会議 専門家委員メンバーに就任。
AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。
毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。
著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。
実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com
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※石角友愛の著書一覧
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