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ビデオストリーミングビジネスの抱える課題
2022/08/24 ブログ 
by kawakamitakuro 

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

ビデオストリーミングビジネスの抱える課題

この収録をする数日前、出演者の長谷川が、Open AIが発表したアート画像生成AIである「DALL・E 2」(ダリ ツー)のβ版に招待されました。今回はそれを体験した感想を聞くところから放送がスタートしました。

「DALL・E 2」が実際に描いた絵や、使用してみての感想などを載せたレポートはこちらから読むことができます。

 

「DALL・E 2」とは

「DALL・E 2」とは簡単にいうと「文章から画像を生成してくれるAI」のことです。描いて欲しい画像のイメージを文章でAIに伝えると、その文章をもとにした非常にクオリティの高い画像を生成してくれます。また、伝える内容を変えることで、色々なタイプの画像を描いてくれるため、まるで目の前に優秀な画家がいるような感覚になったといいます。

ただし、注文の仕方には少し工夫が必要なようです。実際、適当なイメージだけをDALL・E 2に伝えたとしても、自分の想像通りの画像にはならなかったと話します。専門的なアート言語を使って、より踏み込んだ説明を加えることによって、絵の質も向上していくのでしょう。

 

自分の仕事を失わないために

DALL・E 2のような技術革新が進んでいくと、これまでは考えもしなかったような新しい仕事が生まれていくことになります。そうなった場合、今までと同じような仕事の仕方をしていては、もしかすると仕事が無くなってしまうかもしれません。

そうなった時には、「マシンと共に戦う」ことを心がけましょう。新しい技術に対して対抗するのではなく、いかにそれらを使いこなすかが重要になるということです。今回のDALL・E 2のようなケースでは、DALL・E 2がより良い絵を書くためにどのような指示を出したら良いか、ということを極めていくことも1つの重要な考え方になるかもしれません。その上で、人間にしかできない付加価値をつけていき、差別化していくことが大切なのではないでしょうか。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

ビデオストリーミングビジネスの抱える課題について

第29回で取り上げる「今週のホットニュース」はNetflix loses 970,000 subscribers, its largest quarterly loss everです。

ニュースの概要

このニュースは、Netflixが発表した大幅な加入者損失に関する内容となっています。米動画配信サービス大手であるNetflixは、4月から6月30日までの3ヶ月間で97万人の加入者の損失があったと発表しました。当初、同社は200万人の加入者の純減を予想していた為、その予想は上回ったものの、史上最大の四半期損失となりました。

株価も約70%の下落に見舞われており、評価額は1年足らずで3000億ドルから900億ドル以下まで減少しています。この事態を受けて、今後数ヶ月間にわたり事業戦略を調整していくと発表しており、その中で従業員450人の解雇・Microsoftとの新しい連携による安価な広告付きプランの発表など、さまざまな施策を検討しています。

 

Netflixに加入する理由

長谷川は、Netflixを一度解約してから再度契約しなおしたと話しています。その戻ったきっかけが「ハウス・オブ・カード」です。この作品は2013年に配信されて以降、Netflixの主要コンテンツとして人気を博してきました。このように、何かしらのキラーコンテンツがあると、サブスクリプションサービスにもう一度加入しなおそうと思うきっかけが生まれるのではないかといいます。

また山崎は、これまで1度もNetflixに加入したことがありません。というのも、買い物目的でAmazon Primeに加入していたところ、自動的に映像コンテンツも観られるようになっており、それで十分だと思っているからです。そして、もしサブスクリプションサービスを契約するのであれば、スターウォーズが好きなことから、ディズニープラスの方が魅力的だと話します。

このように、人それぞれが観たいと思うコンテンツによって自由に乗り換えられるところも、サブスクリプションサービスの特徴になります。ユーザーにとっては、観たい作品をその期間だけ観ることができるメリットがありますが、サービス提供側からするとユーザーの取り合いになってしまうため、登録者を伸ばすことが非常に困難となっているのです。

新型コロナウイルスの影響が小さくなってきたこのタイミングで、サブスクリプションの見直しを進めるユーザーも増えてきているため、社会情勢的にもNetflixの登録者減少に拍車がかかっていることがわかるでしょう。

 

競合はストリーミングサービスだけではない

Netflixの加入者減少は、Netflix自体の問題だけではありません。そもそものストリーミングコンテンツ自体が、レッドオーシャン化していることも挙げられます。例えば、ディズニープラスなどは持っているコンテンツのブランド力が非常に高く、加入しないと観られないコンテンツも多数存在するため、大きな脅威となっています。

また、ユーザーが1日に娯楽を楽しめる時間も限られています。その中で、スマホゲームやYouTubeなど、娯楽に関わるコンテンツは非常に多様化しているのです。つまり、Netflixの競合は映像コンテンツだけではなく、オンライン上のほぼ全てのコンテンツとなるでしょう。

そして新型コロナウイルスの収束に伴い、オンライン以外での時間の使い方も多様化してきています。このような背景を踏まえても、動画配信サービス1本でやってきたNetflixは、苦境に立たされていると言って間違いないかもしれません。

 

広告付きプラン導入から見る現状

Netflixが検討している「広告付きプラン」についても議論されています。石角は、広告がないことによるクオリティの高い体験がNetflixの武器だと感じていた分、広告付きプランに対して疑問を呈しています。

また、Netflix独自の機能として、前のエピソードのエンドロールが流れている最中に、次のエピソードを始められるというものがありました。これに関しても、ドラマのシーズン一気観などができる点で、Netflixの強みだったと感じますが、万が一広告付きプランが導入されてしまうと、これらの機能も使えなくなってしまいます。つまり、広告付きプランを導入することによって、Netflixの持っている強みが消えてしまう可能性があるのです。

そのため、広告つきプランを導入するというのは、ある意味でNetflixらしくないことだと分かるのではないでしょうか。最終手段として広告付きプランを検討しているのであれば、実はもう打つ手があまりないということも予想できます。

 

別の角度から打開策を考える

石角は、1つの選択肢として「監督や役者の囲い込み」を挙げています。ディズニープラスがスターウォーズの権利を保有したように、作品を作るプロデューサーや監督を専属契約にすることができれば、差別化要因に繋げられるかもしれません。

また、逆にNetflixが買収されるということがあるかもしれません。コンテンツは豊富に取り揃えていますし、加入者が減っているとはいえ大きなシェアを獲得しています。いずれも可能性は低いですが、Netflixがどのような戦略をとっていくのか、今後の動向にも注目していきたいと思います。

 

今週のおすすめコンテンツ「サイエンス・フェア 挑戦する未来の科学者たち」

「今週のおすすめコンテンツ」は、石角の紹介する「サイエンス・フェア 挑戦する未来の科学者たち」です。

この作品は、世界各地から集まった9人の学生たちが、名誉ある国際学生科学技術フェアで競いあう様子が描かれているドキュメンタリー作品となっています。エミー賞とサンダンス映画祭の観客賞を受賞しており、ディズニープラスに加入すればすぐに観ることができます。

このサイエンスフェア自体、アメリカだけではなく世界中で非常に大きな影響力を持つものとなっており、リアリティがあって面白い内容となっています。ぜひ、興味を持った方は一度観てみてください!

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#29の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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