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ウーバーの解雇ニュースから読み取る「裸で泳いでいた人は誰か」

2020/05/26 ニュースレター「Moonshot」 
by 関口 
こんにちは。パロアルトインサイトCEO石角友愛です。(ホームページはこちらです

先日の経営合理化協会主催のオンラインセミナーは200名以上の方に参加頂き、とても楽しいセミナーになりました。zoomの投票機能を使って、リアルタイムで200名の方に投票していただいたり、オンラインセミナーならではの良さがありました。また、対面セミナーでは質疑応答が多くないケースもあるのですが、オンラインだと匿名なので何十件も質問がきました。(しかも質の高い質問ばかり!)エンゲージメントが高く、参加していただいた皆さま、主催の経営合理化協会の皆さまに感謝申し上げます。

オンラインセミナーの様子

Uberが社員の25%を解雇、オフィス45箇所を封鎖

前回はAirbnbのリストラから見える旅行業界の行方を書きましたが、今回はUberです。WSJの報道によると、1ヶ月で社員25%に当たる6700人を解雇。(Uberの運転手は社員ではないためこの数字に含まれません)大事なエンジニアやビジネスオペレーションの人たちを一気に解雇し、Hacker Newsでは、「エンジニアは消耗品なのか?」という議論が巻き起こっています。

UberのCEOのDara氏の社員へあてたE-MAILによると、ウーバーイーツの需要は都市封鎖で伸びてはいるものの(去年に比べ54%伸び)コア事業であるライドの損失を補填するほどには到底至らないとのこと。エッジケースのモデルによると、今年ライド事業の売上が80%ほど下落することが予想されるそうです。結果的に、イノベーションラボのようなものやスクーター事業などの”Other Bets”を閉じてコア事業であるライドに集中するとのことです。

私が興味深いと思ったのは、自動運転のR&DユニットであるATG(Advanced Technologies Group)は存続すると発表したこと。ウーバーにとっては自動運転の実現は長期的投資であるため、残したそうです。短期的な計画と長期的なビジョン、両方大事ですね。

潮が引いた時に初めて誰が裸で泳いでいたか分かる

「only when the tide goes out do you discover who has been swimming naked」ですが、上記は投資家のウォーレン・バフェット氏の名言です。マーケットが調子がいい上昇市場のブルマーケットの時はどんな会社もうまくいくものであり、マーケットの調子が悪い、弱気相場のベアマーケットの時に、会社の本質が数字で現れる、という考えです。根本的に脆弱性のあるビジネスモデルの会社、キャッシュが足りない会社、異常な速度で広告費や顧客集客費にキャッシュを垂れ流している会社などが初めて、不景気になって分かるというものです。

キャッシュリッチかつ本業で利益を出しているGAFAなどのビッグテックは、Covid19耐性が(少なくとも今の所は)あることが先日の決算発表で明確になりました。ビッグテック企業の解雇ニュースも殆ど流れません。それどころか、Amazonではコロナによる需要増加でここ数ヶ月で社員を7万人以上追加採用しました。

それに比べると、Uberはやはり「裸で泳いでいた」企業なのかもしれない、という論調も最近アメリカで聞きます。Uberのような大企業だけではなく、「裸で泳いでいたかどうか」みなさんの周りにある会社、働いている会社、経営している会社でも同じように考えることができます。本業のフォーカスを失わずに、しかし常に未来を見ながら、いつも危機と隣り合わせであること(常在危機)を忘れずに経営していきたいものですね。

Uber創業ストーリー「Super Pumped」を読む

そういう私ですが、最近読んだ本で、最高に面白かった本の一つにUber創業物語をNew York Timesのジャーナリストがエビデンス豊富にまとめたSuper Pumped-the battle for Uberがあります。色々と問題児のイメージがある創業者のTravis氏ですが、どうしてあそこまでVCを憎むようになったのか、過去を知ると理解できます。

私が参考になるなと思ったのは、Uber立ち上げ当初、運転手さんにUberのアプリをインストールしてもらう際にうまくいかず導入の壁があったため、それを超えるために、iPhoneを大量に自分たちで購入し、アプリをプリインストールして運転手に無料で配布したそうです。iPhoneを無料でもらえることが訴求力になり運転手さんもどんどん集まったそう。

パロアルトインサイトでも、弊社が開発したAIアプリなどをどのようにユーザーに届けるかのGo-to-market戦略のお手伝いをすることもありますが、ベータ版のユーザーであれば100人程度でも十分なケースも多いので、その場合余力がある会社は自分たちでデバイスを購入して、無料配布すればいいですよね。そんな発想の転換を学びました。

ちなみにSuper Pumpedとは、ウーバーの当初の会社のエソス(ウーバー社員10か条みたいなもの)の一つでTravis氏が一番大事にしていたもので、超気合いが入ってやる気満々のハッスル状態でいつもいろ!ということです。この標語が、欲しいものはどんなことをしても手に入れる、敵はどんな手段を使っても倒す、というメンタリティの企業文化を作ったのです。

アフターコロナのDX戦略

パロアルトインサイトはデジタルトランスフォーメーションとAI開発の専門家集団として、コロナ危機を乗り越えるために経営者が今すぐ取り組むべきデジタル対策のアドバイスや実装をしています。自分たちの知見を少しでも日本の経営者の皆様の役に立てたいという考えがあるためです。

コロナ危機前は、デジタルトランスフォーメーション(DX)やその結果としてのAI導入、社内でインハウスで構築するデータプラットフォームなどを、ラグジュラスな投資案件と考えている経営者も多かったのではないでしょうか。しかし、その考え方は正した方が良いでしょう。なぜなら、デジタル化こそがコロナ危機を乗り越えるため必要不可欠なステップだからです。

例えば、先日話していた経営者の方は、うちは受注の9割をFAXで受けている」と言っていました。オフィスにいなければ受注が受けられない状況は、コロナウイルス対策強化(=テレワーク強化)の中で障害になります。FAXで受け取る内容を、OCRでデジタル化して担当者にE-MAILで送られるようなシステムを作らないと、誰かがこれからもオフィスで待機しなければいけなくなります。

また、環境整備がなされないままテレワークだけが導入されてしまい社員が家から会社のパソコンに繋げられない(VPNの設定がされていない、回線パニックなど)という話しを聞きました。同時に、顧客情報などの個人情報はクラウドにあげられないため、オンプレミス(社内で管理しているサーバー内)で保管しなければならずリモート環境でデータにアクセスしたくてもできない、という話しも聞きます。

私たちが考えるコロナ対策として優先順位を高くすべきデジタル化は以下の4つです。

  1. VPN環境の整備セキュリティ強化をした形での拡張可能なリモートワーク環境の設定、必要なツールの導入
  2. オンプレミスデータの見直し(暗号化、クラウド化できるものとそうでないものの見直し、データアーキテクチャーの再構築)
  3. オンラインプレゼンスの強化対面で営業をしていた会社も今後はウェブサイトでの集客やユーザーニーズの理解、コンバージョンなどの機能を持つことが必要になってくる。既存ウェブサイトやオウンドメディアを持っている会社は、今強化をしてユーザーのエンゲージメントを高めるチャンス)
  4. リモート環境での社員の評価(慣れないテレワークで、曖昧な評価基準の中何を優先して作業すればいいか分からない社員が増えている。メンタル面での配慮も必要になってくる)

コロナ対策デジタル化無料相談窓口

上記4つのポイントに関して、今すぐデジタル化を行いたい、そのためのアドバイスが欲しいという方に無料でアドバイスを行う窓口を設置します。お気軽に下記からお申し込みください。

コロナ対策デジタル化無料相談をする
それでは良い1日をお過ごしください。コメント、感想などあればお気軽にメールに返信してください。皆さまもどうぞご自愛ください。

パロアルトインサイトCEO 石角友愛

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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