2020年6月より、宮城県仙台市に本社を構えるベストパーツ株式会社との協業で「手書き文字を機械学習するAI開発プロジェクト」がスタートしました。
これは、作業動線の効率化や労務管理の最適化を図るため、機械学習を行うAIモデルの開発を進めるプロジェクトで、搭載したAIによるデジタル化された受注に関する情報は、今後社内のデータベースへと保存し、需要予測等へと活用可能な情報として展開していく予定です。
既存のビジネスモデルいかに変革していくかが、DXの最終的なゴールとしている為、現段階ではベストパーツ社のDX実現に向けた中長期プロジェクトの取組みの一部分を紹介したいと思います。
冷暖房等の住宅設備部品および部材の販売を行うベストパーツ社の取引先は、住宅設備機器メーカーや電気・ガス事業者、そしてホームセンター等と広範囲におよびます。
発注書の約9割はFAXでのやりとりの為、以下のワークフローが踏襲されていました。
これまでは発注書の到着から注文をオーダーするまで、1件あたり10分~15分の作業時間を要しており、業務効率化を図る上で、一番の課題とされていました。
これに対し、作業効率化を図るAIの立案、開発から導入、実装に至るまでを一貫してカスタマイズ可能な当社だからこそと依頼いただき今回のプロジェクトがスタートしました。
ベストパーツ社へ送信される発注書の様式は、同じ顧客でも営業所によって書式が異なることが多く、注文書の納品先は手書きで「引取りに伺います」と記載されるなど、一枚一枚が違った形式となっていました。
そのため、文字認識を特長とする「OCR(光学文字認識)」機能だけでは精度の面で対応不可能と判断し、当社ではベストパーツ社への業務調査を行い、AI診断サービスを受けていただきました。
AI診断を通して見えてきた課題を抽出し、既存データの状態を検証した後にAI実装計画を提案しベストパーツ社のニーズと環境に沿ったAIを個別に構築することにしました。
FAXの読込をはじめ、複雑かつ多岐に渡る形式にて書かれている情報を機械学習していくAIモデルを開発しました。
AIの設計には当社のUXデザイナーが間に入り、UIを見せながらFAXの仕分け実務を行う現場担当者に耳を傾け細かい改良を重ねてきました。具体的な現場の声を聞くことで、見えていなかった難点を発見し、ユーザーにとって使い勝手の良いデザインへと仕上げていくことできます。これはプロジェクトの成功には必要不可欠な要素だと考えます。
結果として、UXデザイナーがAI設計者に対してフィードバックを行うことで常にPDCAサイクルを回すことにも成功しました。
発注書データを開発したAI搭載のシステムにドラッグアンドドロップするだけで、注文番号や納期、備考欄、発注先等の赤枠で囲まれている情報を一瞬で読み取ることが可能となりました。
FAX仕分け業務の効率化に伴い、これまで充てられていた人員の削減や、属人的な作業ではないよりクリエイティブな部署への役職転換させることも可能となります。
プロジェクトの第1フェーズを終え、これから検証に入りますが、FAX一枚あたりの作業時間は半減し、FAX受注の約8割をAIを利用して処理できるようになることが期待されます。
・報道ステーション公開動画
・CEO石角友愛が報道ステーションに出演いたしました
・シリコンバレー発のパロアルトインサイトLLC、手書き文字を機械学習するAI開発
AI導入やDX推進プロジェクトを成功させる3つアドバイスもぜひご参考ください。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
社名 :パロアルトインサイトLLCAI導入をご検討中の場合は無料で相談に応じます。