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TECH+ 記事掲載/きっかけはAI導入、不二家など3社の事例から学ぶDX戦略の極意とは?

2021/10/13 メディア掲載実績 
by PALO ALTO INSIGHT, LLC. STAFF 

きっかけはAI導入、不二家など3社の事例から学ぶDX戦略の極意とは?

IPA(情報処理推進機構)は10月11日、「IPAデジタルシンポジウム2021 ~DX:その一歩を踏み出そう~」をオンラインで開催した。

同シンポジウムは、企業や組織のデジタル変革に必要な戦略・技術・人材に関する情報提供を目的に開催されたもの。当日はオンラインセミナーやバーチャル展示などが行われた。本稿では、基調講演「いまこそ知りたいDX戦略~DXで未来を拓こう~」の内容を紹介する。

「会社のコア」と「ウーバナイズ」という視点の重要性

パロアルトインサイト CEO AIビジネスデザイナー 石角友愛氏

同講演の登壇者である、パロアルトインサイト CEO AIビジネスデザイナーの石角友愛氏は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の戦略を考えるうえでは、「会社のコアをデジタル化する視点が重要」と言い切る。

「DXの本質は会社にとってのコアを再定義し、その部分にデジタライゼーションを起こすことで生まれる変革であり、だからこそ事業のコアから取り組むべきだ。その際、新型コロナウイルスのワクチンを開発したモデルナの戦略は参考になる。同社は創薬・研究領域では自社開発・内製化を進める一方、人事などのコアではない領域において積極的に市販のツールで省人化、コスト削減を進めている」と石角氏。

もう一つ重要な視点が、ウーバナイズやアマゾナイズだ。これらは、米国のUberやAmazonのような革新的な企業が登場することで業界が抜本的に変わることを意味する造語で、「ウーバナイスが起きた時、既存の業界では何が脆弱性となるか」「どんなビジネスモデルが影響を受けやすいか」などを考え、変化へのディフェンスを検討する、という発想がDXの参考になる。

DXを阻む3つの壁

そのうえで、DXを推進するにあたって乗り越えなければいけない3つの壁があると石角氏は言う。

1つはFOMO(Fear of missing out、取り残されることへの恐れ)の壁で、DXに対する期待は高いものの実行できていない状態を指す。FOMOの壁を乗り越えるためには、自社の課題を抽出することが重要だ。DXというと、経営企画部や事業推進室などの代表部署が単独で推進するケースが散見されるが、課題抽出にあたっては事業部との連係が欠かせず、事業部間のパイプラインを構築したり、連携役を置いたりすることが有効となる。

2つ目がPoC(Proof of Concept、概念実証)の壁で、検討や検証まではフェーズを進められるものの、事業化にまで落とし込めず、具体的なAIの活用やDXにまで至らない状態を指す。PoCの壁を乗り越えるには、PoCが目的にならないように、何のためにDXを行うかを考え、最小コストで行える検証方法を検討し、事業化までを戦略的にデザインすることが求められる。

3つ目がイントレプレナーの壁で、課題設定はできているものの人材やリソースが集められない状態を指す。リソースの確保には、経営者の理解や社内でのコンセンサスが欠かせない。

ケーススタディで示すデジタル戦略3つのアドバイス

基調講演の後半では、不二家、ベストパーツ、タイセーロジスティクスと3社のDXのケーススタディを紹介。各ケースから得られる知見をアドバイスとして提示した。

赤字事業や危機的事業にAIを投資せよ

不二家のケーススタディから学ぶべきことは、「赤字事業や危機的事業にこそAIにまつわる投資をせよ」だ。同社では、売り上げの約7割を菓子事業が占めるが、AI導入は売り上げの2割を占め、かつ赤字に陥っていた洋菓子事業で行われた。

洋菓子部門では、新商品に関する過去の売り上げデータがないため、新商品出荷にあたってのベンチマークを持てずにいた。AIを導入して特定の商品の売れ行きデータを収集することで出荷量の予測が行えるようになり、工場のオペレーションの効率化などに着手できるようになった。現在はAIの他事業部への展開も検討している。

赤字事業は少しの改善でも大きな効果を発揮するため、AI導入による効果を実感しやすい。一方、会社の生命線とも言える黒字事業での未経験の挑戦はリスクが高い。また赤字事業が改善は、黒字事業の重荷を減らすことにもつながるだろう。

円密度の高い情報を集めよ

ベストパーツのケーススタディから学ぶべきことは、「円密度の高い情報を集めよ」だ。円密度は石角氏の造語で、会社の売り上げや利益に高い影響を及ぼすデータを指し、円密度の高いデータの収集・管理は内省化すべきという意味を含む。

同社は住宅設備の施工業者向けに部品、部材の企画開発、販売を行う企業だ。従来、部材の受注の9割をFAXで行い、受注FAXの仕分け、データ入力在庫照合などを人手で行ってきたが、無駄な工程や人的エラーが起きていたため、同社では自動化やDXを進めている。

FAXは書式が発注者によってバラバラなため、OCR(Optical Character Reade、光学文字認識)による自動化が難しい。そこで、同社ではAI-OCRを導入し、必要な情報の認識・抽出、基幹システムとの連携ができるようにした。

発注に関するFAXをPDFファイルとして持っているか、データベース内に自社で管理できるデータとして蓄積できているかで、今後の発展性が異なってくる。データベースで管理していれば、データを基にした予測や提案型のビジネスモデルにも生かせる。

局所的なAI導入からDXは始まる

物流会社のタイセーロジスティクスのケーススタディから学ぶべきことは、「局所的なAI導入からDXは始まる」だ。

同社のトラックの配送先の順番を決める配車割付業務は。従来3~4時間ほどかけて人が行っていた。また、従来の配車割付では、トラック運転手の経験や業務状況に合わせて配車担当スタッフが配送先を決めるなど、細かい調整には属人的な判断が欠かせなかった。同社ではAIを導入し、判断基準をAIに学ばせて再現できるようにしたことで業務の9割を自動化することができた。

一部の業務でAIを導入した結果、同社では経営陣や社員のデータに関するマインドセットやAIリテラシーが向上。現在は複数の配車センターをまたがって横断的に運行管理などを行える、総合配車センターの設立を進めている。

最後に石角氏は、ポストコロナで長年続けてきたビジネスの攻略法もセオリーも通用しなくなっている中、「今こそ、これまで誰も問わなかった業務フローや仕事の進め方を問いただせるチャンス。これからはこうあるべきだ、と議論できる体制を整えてDXを推進してほしい」と語り、講演を締めくくった。

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