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OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法 – 書籍紹介
2021/11/29 ブログ 
by kohei 

OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法 – 書籍紹介

パロアルトインサイトCEO石角友愛が読み、お勧めする「AI」や「DX」にフォーカスを当てた書籍を紹介してまいります。
紹介した本を通してAI/DX時代の知識・キャリア・思考法を伝えてまいりますので、DX/AI時代を生き抜く戦略を一緒に磨いていきましょう。

OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
著者:クリスティーナ・ウォドキー

出版:日経BP

 

 この本はクリスティーナ・ウォドキーさんというコンサルティングのプリンシパルとして 企業を洞察団体から実行団体に移行するためのトレーニングを行っている方が書かれた本です。カリフォルニア美術大学とスタンフォード大学夜間講座で次世代のアントレプレナーを対象に教壇に立っている方で、これまでLinkedIn、myspace、Yahooなどの企業の再設計と初期製品の販売を指導されている方です。コンサルティングやトップ IT企業の経験を生かしOKRの本を執筆し、非常に日本でもヒットしました。私がなぜこの本を紹介したいとかと言いますと、私自身グーグル本社で働いていた時にOKRを使っており、そのOKRの設定の仕方が今でも自分の仕事の仕方に生かされているなと思ったからです。今皆さんが働いてる会社でOKRでゴール設定をしていなくても、この考え方がすごく役に立つと思います。

OKR とは?

 OKRというのはそもそも何なのかというと、Objectives & Key Results の略です。Objective は目標、Key Results が KR の部分で結果を意味します。OKRという手法は実はintelが開発したものなのですが、その後にシリコンバレーのIT企業が続々と導入し、Google やfacebook などの有名な会社で使われています。OKRは社員一人一人が各自作り、そのチーム全体のOKRを作る。そして、そのチームをまとめあげた部署全体のOKRをさらに作り目標設定をしているのが当たり前に文化の一部になっていました。

 書籍ではOにあたるObjectives の設定は、満たす必要がある条件が3つあると書かれてます。まずは形成的で人を鼓舞する内容であるということ。例えば、自分やチームのメンバーが毎朝ワクワクしながらベッドを飛び出したくなるような、そんな内容であることが大事であると書かれています。

 次に、時間的な縛りが定められているということも条件として挙げられています。基本的には1か月単位、四半期単位で実現できる目標設定が望ましいと言われています。実現に1年以上かかる目標は、戦略やミッションという長期的なジャンルであり、OKRではより短期的な目標設定、時間軸が大事になります。

 そして3つ目の最後のポイントが各チームが独立して実行できることです。大企業では部署が相互に依存し合っている関係が多いため、さまざまな苦労が考えられます。そのためどこかの部署のせいで達成できないということがある意味言い訳として通用してしまうこともありますが、チームが独立して実行できることをOKRのゴールに持ってくることで、そのような言い訳ができず、自分にアカウンタビリティを持たせる=ちゃんと責任をとって仕事をすることがこのOKRの大きな効果の一つにです。

 次にこの KR:Key Results の考え方を紹介します。Oで記した感覚的な言葉を定量化することがこのKRの部分です。ポイントは非常にシンプルで、どうやったらOを満たしたか確認できるか、という軸で数字にして考えるということです。例えば、KR の基準として測るものは成長率やエンゲージメントのメトリックス、売上を何パーセントアップするか、品質維持のために何個バグを改善できるか/直せるかです。カスタマーサポートセンターで設定するのであれば、お客様からくる様々なリクエストを1ヶ月で何件こなせるかです。

 数で定量的に効果測定できることをKRに持ってくることが大事です。KRを賢く選べば成長とパフォーマンス、売上と品質のように、相反する指標を用いながらうまくバランスを取ることができると言われています。しかし、実際に自分でOKRを設定するのは難しくKR は実現可能な数字にちょっとプラスしストレッチゴールであると良いと言われています。自分は絶対できることを数字にする、ゴールにするのではなく、すごくガンバったら実現可能なところをゴールにする、難しいけど不可能じゃない難易度で設定をすると良いと言われています。例えば、顧客満足度の改善をOと設定した際、目標が達成されたことを証明するためにはどのようなKRが必要なのか考えた時には、顧客満足度アンケートの点数を何%平均点を上げる、電話の受付対応時間を何%少なくする、レスポンスレートを何パーセント上げるなど、いろいろな考え方があります。

アカウンタビリティ意識を高める

 私が当時Googleで働いている際には、OKRを3ヶ月に1回設定していました。そして、3ヶ月前のOKRを見直してゴールを達成できたかどうか、達成できなかったらその理由は何かチーム全体で話し合いをし、今期のOKRを設定しておりました。それこそ新入社員もみんな設定していました。日本では新卒は会社に入社したばかりだとなかなかアカウンタビリティを持つことを意識できないかもしれませんが、実際にOKRを作る過程で自分の仕事が会社全体の中でどのようなインパクトになっているかを理解ができ、会社で学んでいるだけではなく会社に対してどのように貢献ができるのかというアカウンタビリティの意識が調整されるのですごく大事なプラクティスだと思います。

 大企業となると数字と定性的なゴール、ビジョンを作って定量的にゴールを計測する、プログレスを計測するというのはすごく大事なことです。現在は日本企業でもOKRに似たものを導入してる会社って増えていると聞ので、ぜひ皆さんの会社でOKRを提案してみてはいかがでしょうか。

 またに、KPI とOKRはどう違うのかという質問を耳にするのですが、KPI とOKRは根本的に全然違うものです。OKRのほうがより本質的で組織や個人の成長に機能する、人事よりの指標であり、目標達成のために大事な指標です。是非皆さんにも今日から自分の組織にOKRを導入し正しい目標設定に生かしていただけたらと思います。

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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