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「AI経営で会社は甦る」冨山和彦 – 書籍紹介 vol.9
2022/01/11 ブログ 
by kohei 

パロアルトインサイトCEO石角友愛が読み、お勧めする「AI」や「DX」にフォーカスを当てた書籍を紹介してまいります。
紹介した本を通してAI/DX時代の知識・キャリア・思考法を伝えてまいりますので、DX/AI時代を生き抜く戦略を一緒に磨いていきましょう。

AI経営で会社は甦る

著者:冨山和彦
出版:文藝春秋

 

 この本は経営共創基盤(IGPI)の会長として知られる冨山さんが執筆した書籍です。冨山さんは東大法学部を卒業してからスタンフォード大学でMBAを取得され、ボストンコンサルティンググループ・コーポレートディレクション代表取締役を経て産業再生機構COOに就任しました。カネボウやJALをはじめとする多数の企業で立て直しを行ってきた、企業再生の第一人者です。近年は、AI経営やDX経営に関する多数の書籍を執筆しています。

AI技術の現代へ繋がる予測がまとめられた一冊

 この著者の冨山和彦さんには、2021年9月に、私が連載を持つ「日経クロストレンド ダイバージェンス時代のDX戦略 第3回/ホワイトカラーの仕事は激減する」、「日経クロストレンド ダイバージェンス時代のDX戦略 第4回/企業にリストラされる人の特徴 日本の社会は新陳代謝が不可避でゲストとしてお招きし対談をさせていただきました。ポストコロナ時代で日本企業がやらなければいけないDX戦略の課題について、とても楽しく対談していただいたのを覚えています。

 その中で「AI経営で会社は甦る」で書かれていたことや、その他の著書についても色々と話をしました。私が本を読んだのは3年前でして、当時の日本において経営目線で、しかもマクロな視点で、AIがなぜビジネスで大事になるのかということを書かれた本があまりなかったので、私も初めて読んだ時にすごく感銘を受けた記憶があります。出版された2017年はデジタル改革でAIやIoTの技術がほぼすべての産業に影響及ぼし、産業構造や競争の構図を根底からくつがえすことになると述べていました。また、これまでデジタル革命の影響が及ばなかった医療や介護・建設現場などの労働集約的なサービス産業のほか、農業など第1次産業に至るまで波紋は広がっていくと予想しています。まさしくその通りになっているなというのが、今改めてこの本を読み返して私が感じることです。

日本のものづくり精神は現代にも生きる

 この本でわかりやすく書かれていることの1つが、C(カジュアル)とS(シリアス)の対比についてです。今までの日本は「ものづくり」を強みとしており、冨山さんがいうところの「カイシャケイエイ」のようなモデルで一生懸命オペレーショナルエクセレンスを極めてきたと思います。このようなインプレメンタルに品質改善をして、少しずつより良いもの作っていく姿勢に対し、ソフトウェアエンジニアやIT業界というのは良くも悪くもカジュアルだったのです。

 ゲームやコミュニケーションにおけるソフトウェアMVP(Minimum Viable Product)は、とにかく粗々でもいいから世に出して、みんなの使い方を見てバグがあればフィックスするというような、すごくカジュアルな考え方だったんです。日本のものづくりの「オペレーショナルエクセレンスを極めて、納品するときは最高のものを」というようなシリアスな商品開発・生産・製造の仕方と相容れないというところを説明しており、シリアスな世界と日本のものづくりの姿勢を、どう繋げるかということに焦点を当てているのです。どっちがいい悪いというよりも、AI経営をする上でカジュアルの世界を経営者として知っておく必要があるところもすごく面白い内容だと思います。

シリアスな世界にこそビジネスチャンスがある

 デジタル革命の中で、カジュアルの世界では差別化が難しく価格競争になりやすいことからなかなか稼げなくなるため、これからのビジネスチャンスはSの世界、シリアスな世界で逆に新しいテクノロジーを生かしてどう生産性を上げるかが大事だと書かれています。私もよく色々なところでDXの講演をしたり、ニュースピックスで「AIビジネスデザイン基礎」という講座を担当したりしているのですが、生徒の皆さんとAIビジネスついて講義をする中で、「日本が中国やアメリカに負けないよう、どのように今後のAI戦略を考えてくべきか」という質問がよく出てきます。その答えこそがテクノロジーAIといったものを活用して生産性を上げること、日本ならではのビジネスチャンス・オポチュニティなのではないかと、私もこの本を読んで改めて感じました。

 この本が書かれてる時代感は数年前ではありますが、やはり根本的な考え方としては今読んでも全然色褪せておりません。AI時代のリーダー像・働き方についても多く書かれており、分断されるG(グローバリゼーション)とL(ローカライゼーション)の世界の対比なども紹介されています。この日本が高度経済成長時代に産業の構造が変わってくる中で、私たちの仕事の仕方を根本から見直さなきゃいけないという非常に示唆に富んだ本になっています。皆さんのAI時代、自分がビジネスパーソンとしてどういったマインドセットで仕事をしていけばいいのか考えていらっしゃる方は「AI経営で会社は甦る」をぜひ読んでみてください。

 

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パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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