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CEO石角友愛インタビュー 〜ハーバードビジネススクール、Googleから、現在に至るまでの経歴や、今後実現したいこと〜
2022/06/06 ブログ 
by suzuki 

CEO石角友愛インタビュー〜ハーバードビジネススクール、Googleから、現在に至るまでの経歴や、今後実現したいこと〜

 

こんにちは、パロアルトインサイトコンテンツ制作チームです。パロアルトインサイトは2017年の創業から今年で5年が経過しました。節目のタイミングということで、今回はパロアルトインサイトCEOの石角へのインタビューを実施しました。「AI・DXの専門家」として多数のメディアで活躍する石角がどのような教育を受けてきたのか、またGoogle入社を経て起業に至るまでの経緯、シリコンバレーでの暮らし、パロアルトインサイトとして実現したいことなど、盛りだくさんの内容です!ぜひご覧ください。


目次:

生い立ち〜高校1年生16歳で単身渡米

アメリカでボーディングスクール〜大学までを卒業

日本での3年間のビジネス経験を経て、ハーバード・ビジネススクールへ

HBS卒業後、Googleへ入社した理由

パロアルトインサイト創業のきっかけ

CEOと子育てする親としてのライフスタイル

パロアルトインサイトが今後実現したいこと


石角友愛(いしずみともえ)プロフィール:

2010年ハーバードビジネススクールでMBAを取得し、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーの2社を経てシリコンバレーにてパロアルトインサイトを起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI・DX戦略の提案からAI開発・導入まで一貫したAI・DX支援を提供している。2020年からは、AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授や、東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして教育の分野でも幅広く活動している。
毎日新聞「石角友愛のシリコンバレー通信」、日経xTREND「ダイバージェンス時代のDX戦略」ITmedia「石角友愛とめぐる、米国リテール最前線」など大手メディアでの連載を持ち、最新のIT業界に関する情報や、シリコンバレーのトレンドを発信している。
著書に『いまこそ知りたいDX戦略』、『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。


英語ができなくても単身渡米を決意した、16歳の夏

ーーーまず、石角さんがこれまでどのような経験をして、現在パロアルトインサイトの代表をしているのかご存じない方に向けて、創業までの経緯をご紹介いただけますでしょうか。

私は、東京生まれの東京育ちで、小学校から高校までお茶の水女子大学附属に進みました。当時、そのような環境の中で、社会に対する疑問や言葉にできない怒り・焦りのようなものを感じていたように思います。小中高と附属だったので、この先もずっと同じ友達と仲良く同じような環境にいて、ただ流れに乗って大学受験の準備をしているだけでいいのかと思い悩んでいました。そこで、当時16歳だった高1の夏に突然、親にアメリカに行きたいと宣言しました。実はその当時はアメリカのことをそこまで知りませんでしたが、まずは現状を変えたかったというのが大きいですね。

アメリカでの学生時代振り返って思うこと

ーーー高校生が単身渡米というのは非常に挑戦的だなと思うのですが、当時怖さなどはなかったのですか?

怖さというより、むしろ高校に入ってから突然、受験システムみたいな話が出てきて、自分の歩く道がいつの間にか決められているような「レール感」が出てきて、先が見えてきてしまったことに対する窮屈さを感じていました。
社会に対しての疑問や怒りなどがある時期だったので、 このシステムに対する理不尽さに疑問を感じて、自分の中のモヤモヤを吐き出して返してくれる相手が欲しかったという気持ちが勝りました。当時は語学力もそこまで高くなかったので、単身渡米してからは、高い英語力がなくても通える全寮制のボーディングスクールに通い、まずは語学力を身につけることからスタートさせました。

大学時代は「心理学」を専攻、その経験がAIビジネスにも生きる

ーーーその後、ボーディングスクールを卒業して、アメリカで大学まで卒業し、日本に一時帰国されていますが、その当時のエピソードを伺えますか?

ボーディングスクールは2校通って、その後2001年にオバマ前大統領も通ったことで知られるロサンゼルスのリベラルアーツカレッジであるオキシデンタル・カレッジに進学しました。現在の私は、AIや経営に関するイメージが強いと思いますが、実は大学時代、主に学んだのは「心理学」でした。ボーディングスクールの時から心理学に興味があり、学んでいました。そのため、長期休みで帰国した際には、精神科医の先生にインタビューしたり、日本の長期入院患者の社会復帰を助ける作業所でのボランティアなども経験しました。実は、アメリカの心理学というのは、主に実験の行い方や統計学といったサイエンスの一貫として学ぶことが多いのです。Meta(元Fecebook)のマーク・ザッカーバーグも心理学を学んでいたことでも有名ですね。その後、日本へ帰国し、起業家を支援するインキュベーションビジネスを立ち上げ、3年間ほど運営しました。

再びの渡米、名門ハーバードビジネススクールで得た経験

ーーー再度、渡米して2006年にハーバードビジネススクールに入学されましたが、大学院ではどのような学びがありましたか?

ハーバードビジネススクール(以下、HBS)には、国籍も年齢も様々な生徒が集まっていました。同級生には既に起業して輝かしい実績をあげているなど、非常に優秀な人も多く、入学した当初は自分なんかがこの中に入学していいのかなという不安な気持ちにもなりました。しかし、当時の教授に「みんな理由があって選ばれているから自信を持って」という言葉をかけられ、救われた経験があります。HBSの留学中は課題の山で、常に精一杯の生活が続きましたが、この教授の一言もあり何とか卒業を迎えることができました。
振り返ってみても、この2年間のチャレンジはかけがえのない期間だったなと思います。やはりMBAを取ることで自信にも繋がりましたし、行く前と行った後では、全く別の人間になれたと思っています。

第一子出産直後に卒業、シリコンバレーへ移住しGoogleに入社

ーーーハーバードビジネススクールを卒業後、Googleに入社されますが、就活時のエピソードをお伺いできますか?

2010年にHBSの卒業を迎えるのですが、当初はグーグルで働けるなんて思ってもいませんでした。シリコンバレーで働く人の中でMBAホルダーは珍しくない存在ですし、ましてや私自身はこれまでIT企業での就業経験もなかったからです。さらに、卒業の直前に第一子の出産があったため、乳児を抱えた状況で就職先を探さなければならない状況でした。そうした中でも、HBSの在学中に結婚した夫が理解を示してくれたことで、“就活”を始めることができました。HBSの卒業後はシリコンバレーに拠点を移し、まずは娘を預ける保育園を探しました。2010年当時でも保育料が非常に高かったのを覚えています。
その後、実際に腰を据えて就活を始められたのは、2011年初頭からでした。シリコンバレーの就活事情というのはあまりイメージできないかもしれませんが、HBSでMBAを取得しているとはいえ、どれだけ応募しても、しばらくは受け入れてもらえないことが続きました。さすがにこの時は凹みましたね。ただ、「ここまできたら覚悟を決めてとことんやり続けるしかない」と心に決めることができたのも、夫と娘の存在が大きかったと思います。100社くらいのIT企業やスタートアップに応募をしましたが、結果的には本命のGoogleに入社することができました。

「AIの民主化」を掲げ、日本企業とシリコンバレーの架け橋に

ーーーグーグルへ就職するまでにそこまで苦労されていたとは知りませんでした。そのグーグルを辞めた後、AIスタートアップ2社を経験されてから2017年に当社パロアルトインサイトを創業されました。なぜシリコンバレーに拠点を置きながら、日本企業に向けたAI提供という形を選んだのでしょうか?

Googleを辞めてからスタートアップ企業2社を立ち上げたのですが、その経験から、日米の構造的な違いに気付きました。起業した2017年当時、アメリカではソフトウェアエンジニアの7割がユーザー企業に属していましたが、日本では大部分がITベンダー側に所属していました。そして、ちょうどその頃とある企業から「われわれはよいデータを保有しているが、活用方法が分からない。どうにかならないか」との依頼を受けたことがきっかけで、「日本企業では、自社の課題を壁打ちする相手が本当にいないのだ」と確信したのです。そこで、「かゆいところに手が届く」形でエンドツーエンドのサービスをクライアントに届けることのできる会社が今後求められると考え、起業に思い至りました。
2022年現在も、まだ多くの日本企業で、最高技術責任者(CTO)やデータサイエンティストなどの役職が設けられていないため、貴重なデータを生かしきれていないことが多いです。そんな企業に対して、「AIの民主化」を支援することが我々のミッションだと思っています。

子育てをしながらの社長業で重要な「ワークライフインテグレーション」

ーーー現在はAIスタートアップの女性経営者でありながら、2児の子供の母としての顔もあると思いますが、日頃はどんなライフスタイルを送っているのでしょうか?

私はアメリカで、11歳と6歳の2児の親という立場と、パロアルトインサイトのCEOとしての2つの立場がありますので、それぞれの時間をいかに効率的に使うかを常に考えています。昨今は働き方改革の一貫で「ワークライフバランス」という言葉がよく使われると思います。しかし、仕事と家庭のバランス(=両立)という言葉にプレッシャーを感じている人は実は多くいると思っていて、特に働く女性の多くは同じ気持ちを持っているのではないかと思っています。私自身、そもそも「両立」なんて不可能だと思っていますので、まずは「自分はスーパーウーマンではない」と受け入れることが大事ではないかと思います。
そこで、私が大事にしている心得が「ワークライフインテグレーション(仕事と生活の統合)」です。これは、どちらも両立しなければいけないプレッシャーや、どちらかを選んだらもう片方を犠牲にするトレードオフの考え方ではなく、「限られた時間をいかに自分が納得できるように使うか」「その時々で、いかにして最大限に集中して過ごすか」を考えることが重要である、という心得です。
コロナ以前の私は、ほぼ毎月海外出張を繰り返していたのですが、実は当時からずっと「ワークライフバランス」という言葉が胸に重くのしかかっていました。しかし、「ワークライフインテグレーション」の心得を知ってからは、自分を責めることなく、「これでいいんだ」と自分の行動に納得ができるようになりました。そこで、色々と試した結果、一番自分にフィットしているのは、仕事と家庭におけるワークフローを細分化して、自分が最大限に貢献できるハイインパクトな作業に特化し、そうではないところはアウトソースするか、自動化できる仕組み作りをする、という方法であることに気がつき、現在はこの方法を実践しています。
私の場合、ワークライフバランスという言葉から脱却したことには大きな意味がありました。家庭と仕事の両立が不安で子供を産むことを躊躇したり、せっかく目の前にきたキャリアチャンスを諦めたりすることがあるくらいなら、「ワークライフインテグレーション」というコンセプトを胸に、より自分らしい「仕事と生活を融合したライフデザインの仕方」を探してみると良いと思います。

AI・DXを浸透させ、AIを通じて社会課題の解決を目指す

ーーー最後に、パロアルトインサイトで成し遂げたいことについて一言お願いいたします。

我々は、「日本企業に最先端のAI技術をかゆいところに手が届く形で届けたい」という想いを胸に、「戦略的なAI活用やデジタルトランスフォメーションを推進することで日本企業を元気づけること」を究極的なミッションに掲げています。日本のAI導入率は世界と比較すると遅れていますが、これからは全ての企業がデジタルカンパニーになるべきで、AIやDXに関わらない企業は、業種を問わず存在しなくなってゆくでしょう。今後、AIに任せられることは積極的に任せて「その企業にしかできないこと」に集中していくことができれば日本経済もより良い形で発展できるのではないかと思っています。そのため、引き続き多種多様な日本企業における「AIの民主化」を支援してゆきたいです。
また、ESG(環境・社会・ガバナンス)の領域でのAIの活用も考えています。企業の競合優位性と、ESG・脱炭素の取り組みには相関性があると言われており、この分野でのAI活用はインパクトが大きいと考えているからです。例えば、ガソリン等のエネルギー価格高騰に対する省エネAIの開発や、データセンターでのAI活用で電力効率化を目指すことも可能です。そのような多様な事例を増やして、企業のESG推進支援に協力していきたいと思います。
さらに、コロナ禍やウクライナ情勢などでも先行きが不透明な状況が続く中、今後は多くの業界で人手不足が問題になると予想されています。既にアメリカの小売業界、飲食業界では、働き手不足が深刻化しており、ロボットやAIの活用が課題解決策として見直されています。こういった社会課題を解決するAI活用という面でも貢献していきたいと思っています。

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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