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MetaがAI開発部隊を事業部へ – メタバースに対する本気度に迫る
2022/08/12 ブログ 
by kawakamitakuro 

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

MetaがAI開発部隊を事業部へ – メタバースに対する本気度に迫る

この収録を行う数日前、出演者である石角がAbemaPRIMEに出演しました。以前も一度出演したことがあった当番組ですが、今回はスタジオからの生放送ということで、その時のお話などを中心にお聞きしました。

 

普通のニュース番組とは違った面白さ

AbemaPRIMEとは、AbemaTVで放送されている生放送のニュース番組です。毎回3〜4人のコメンテーターや専門家を招き、討論するというのが主な内容となっており、石角が出演した回では、2ちゃんねる創設者のひろゆきさんなどが出演していました。六本木ヒルズにあるテレビ朝日のスタジオから放送しているため、出演者である芸能人のファンらしき人が収録中に写真をとるなど、非常に面白い収録だったと話しています。

またこの番組自体も、通常のニュース番組とは違う切り口から話題を深掘りしているところが特徴的です。専門家から芸能人の方まで、多様な意見を持った人が討論することで、新しい発見があることもこの番組の魅力でしょう。特に、それを捌く司会の平石さんが、非常にファシリテーションが上手だったことも印象的だと話していました。

 

ひろゆきさんの考え方

長谷川はひろゆきさんの隠れファンであり、書籍などもいくつか拝読しているようです。その話の中で、ひろゆきさんの思考法が非常に面白いと語っています。

この放送では「無敵の思考」という書籍の中で語っていた一節を取り上げていました。「無敵」と聞くと、「すごく強い」というイメージが先行してしまいますが、ひろゆきさんは無敵のことを「敵がいない」という解釈をしているといいます。このように、1つの言葉に対して2つの視点を持っているところが、非常に面白いです。

また、実際に放送を観て、ひろゆきさんが本で書いている文体と喋り方が非常に似ていると感じたといいます。ロジカルに、一般の方でもわかりやすい言い回しで伝える力というのは、本も喋りも同じなのかもしれません。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

メタバースへビジネスモデル変革を進めることの影響と本気度

第23回で取り上げる「今週のホットニュース」はMeta Shakes Up AI Unit Amid Drive for Growthです。

ニュースの概要

このニュースは、Meta Platforms(元Facebook)が、AI開発部隊を中央の研究所から製品グループにシフトしているという内容になります。

これは、Facebookを含む多くの大企業の慣習を打ち破るもので、AI研究を中央の拠点に集める従来のやり方とは一線を画す形となるでしょう。Meta社が今後より速い成長を目指す中で、ビジネスにおけるAI技術の採用加速を目的とされており、大きく注目されています。

 

これまでのやり方との違い

これまでMeta Platformsでは、AIの研究とプロダクト開発を切り離していました。そのため、AI研究は独自に進めていかなければならず、ビジネス全体に新しいAIの機能統合を行うことが難しいとされていたのです。

そこで、今回のようにAI開発部隊を中央の研究所から製品グループにシフトすることによって、開発した能力をビジネスの資産に転換することのハードルを下げたということになります。まさに、AIを自社製品に組み込むことに注力する時期だとする、ザッカーバーグ氏の強いメッセージとも捉えられるでしょう。

日本の感覚からすると、あまり大きなニュースには映らないかもしれません。しかし、このような巨大IT企業が大きな組織改変を行うということは、AIビジネスやIT業界にいる人間からすると、非常に象徴的なニュースとなっているのです。

 

組織編成における疑問点

長谷川は、このニュースにおいて気になった点があるといいます。それは、ディープラーニング(深層学習)の領域においてチューリング賞を受賞したヤン・ルカン氏の名前がなかったことです。

これまでAIのトップだったヤン氏は、自己教師あり学習と呼ばれる「Self-Supervised Learning(SSL)」という研究に注力してきました。これは、これまでよりも少量のデータでトレーニングをし、より良い機械学習モデルを作る手法のことを指します。この技術を使えば、人間の赤ちゃんが学ぶのと同じように学べるとしており、活動も活発に行っていました。しかし、このように研究熱心なメンバーの名前が出てこないことに関して、少し疑問が残るといいます。

これまでもザッカーバーグ氏に対して直接レポートをしたりなど、上の立場としてMeta Platformsを引っ張ってきたヤン氏。おそらく、これまで通りチーフサイエンティストとして活動するのでしょうが、具体的な組織の中身についてはわからない部分が多くなっています。

 

広告ビジネスからの脱却へ

石角は、Meta Platformsがこれまでやってきた広告ビジネスからの脱却を決意したのではないかと話しています。これまでターゲティングアドをパーソナライゼーションし、データをとって広告を出して稼ぐビジネスモデルを採用してきましたが、これからはメタという領域に集中することで、ビジネスモデルの変革を図っていることが伺えるでしょう。

Facebookという社名をMeta Platformsに変更し、組織改変も行ったザッカーバーグ氏の今後の動向にも目が離せません。もしかすると、ここから大きな発表がある可能性も考えられます。

 

データサイエンティスト目線からみる今回の変革

長谷川は、データサイエンティスト目線から今回の変革について分析しています。そこで指摘したのが、研究者というのは第一にすごく良い研究をしたいと思っている人たちが大半であるため、このような組織改変によってモチベーションが下がる可能性があるということでした。

しかし、よりプロダクト寄りになっていくことから、ロングタームからショートタームにフォーカスシフトが進んでいく可能性はあります。これにより、先ほど記載した「Self-Supervised Learning(SSL)」の開発はより一層スピード感を増していくことでしょう。

また、Meta Platformsで研究をすることの魅力について、2点挙げています。1つは、莫大なデータというものがFacebook上ですぐに手に入ること。そしてもう1つが、スーパーコンピューターを持っていることから、高度なディープラーニングモデルをトレーニングできるということの2つです。この2つの強みがある以上は、Meta Platformsは引き続き良い研究者を味方にできるのではないかと話します。

 

今週のおすすめコンテンツ   「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」

「今週のおすすめコンテンツ」は、石角の紹介する「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」です。

この本は、元MetaCOOのシェリルサンドバーグ氏が一躍有名になったきっかけでもある一冊です。技術者としてのバックグラウンドがない中で、IT業界のエグゼクティブまで上り詰め、ビリオネアになったという圧倒的成功者の彼女は、当時非常に大きな影響力を持っていました。しかし、ケンブリッジアナリティカ問題以降、アメリカでの評判は下がってしまい、ついには2022年にMetaを退社することになります。

それでも、Facebookの広告ビジネスを0から作り上げた彼女の物語は非常に勉強になる部分が多く、特に女性に必要なマインドセットや働き方という観点で石角も大変参考になったようです。また長谷川は、これからグローバルに活躍したいと考えている日本人は、この本を読んで世界的に活躍するための考え方が身につけられるのではないかと話しています。性別に関係なく、興味を持った方はぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#23の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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