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SHEINの圧倒的低価格の裏にある「データ活用」とは
2022/12/23 ブログ 
by kawakamitakuro 

SHEINの圧倒的低価格の裏にある「データ活用」とは

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

SHEINの圧倒的低価格の裏にある「データ活用」とは

今回の放送が流れる11月24日、アメリカではサンクスギビングデーと呼ばれる1大イベントが開催されます。日本語で「感謝祭」と言われており、アメリカ全体が休日になるような大きなイベントです。そこで、出演者3名のサンクスギビングデーの思い出を語るところから、放送がスタートしました。

 

ターキーを食べる慣習

石角は、サンクスギビングデーといえばターキー(七面鳥)だと言います。サンクスギビングデーは日本でいう「お正月」のような位置付けであることから、おせちがターキーになっているとイメージすれば分かりやすいかもしれません。そのほかにも、マッシュポテトやパンプキンパイなど、おなじみの料理がたくさん振る舞われるようです。

また、石角は全寮制の高校に通っていた時の思い出についても話しています。当時、アメリカ人学生はサンクスギビングデーになると故郷に帰っていたことから、寮の中は留学生のみになっていたようです。そこで、寮に住んでいる先生がターキーなどの料理を振る舞ってくれて、留学生みんなでそれを食べるという習慣が、とても好きだったといいます。

日本ではあまり馴染みのないサンクスギビングデーですが、アメリカ系の金融機関では当日に特定の取引を停止するほど、文化として根付いている休日のようです。それほど、アメリカ人にとっては大切な1日となっているのでしょう。

 

次の日にはブラックフライデーが開催

日本でもお馴染みになってきたブラックフライデーですが、実はサンクスギビングデーの次の日に開催されます。今では特定の1日というより、ブラックフライデー周辺の数週間が一大セールのようになっており、非常に安い価格で商品が買えることで有名です。

AmazonなどのEコマースでも積極的にブラックフライデーセールが開催されるようなので、もし気になっている商品があっりした場合は、この時期をめがけて一気に買い物をしてみてはいかがでしょうか。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

SHEINがここまでシェアを拡大できた理由

第46回で取り上げる「今週のホットニュース」はFast-Fashion Juggernaut Shein’s Sales Close In on Zara, H&Mです。

ニュースの概要

このニュースは、急拡大する中国初のファッションブランド「SHEIN」について取り上げたニュースになっております。先日、東京にもポップアップストアをオープンしたこのブランドは、日本のみならずアメリカでも非常に注目されており、2024年にはアメリカでIPOをするようです。

日本では多くの人気YouTuberがSHEINの洋服を紹介しており、Z世代を中心に旋風を巻き起こしています。流行りに合わせたデザイン性の高い商品をとにかく安く手に入れることができることが特徴で、企業価値だけでいうと約144兆円まで上昇しているようです。これは、H&MとZARAの企業価値を足しても届かないほどで、まさに競合を圧倒的に上回る企業価値を誇っています。

 

SHEINの持つ強み

元々、ミレニアム世代の中国人3名でスタートした会社であり、立ち上げから一貫して、日本やアメリカ・イギリスなど世界150ヶ国以上で事業を展開してきました。売り上げは非開示であるものの、2021年には2兆円を超えたと推定されています。

そんなSHEINは、なぜここまで急激にシェアを拡大できたのでしょうか。その理由として、大きく2つの強みが挙げられます。その1つが、驚異的な販売率です。ウォール・ストリートジャーナルの記事によると、販売率(セルスルー率)と呼ばれる「メーカーから受け取った在庫の量に対する在庫の総量の割合」が脅威の98%だったことが挙げられます。つまり、100商品のうち98商品が売れているということになるのです。これは言い換えると、売れていない商品がほぼ無いということになります。売れない商品はサイトに置かず、売れる商品をしっかりと販売する姿勢こそが、SHEINの強みなのです。

そして、もう1つの強みがSHEINにはあります。それは、1番最初は小ロットで生産するということです。各工場に最初から大量発注するのではなく、100着や200着など小規模な発注を最初に行うことで効率化を図っているのです。色々なところにサプライを抱えてネットワークかすることで、リスク分散をしているということになります。この2つの強みを駆使することによって、SHEINのシェア拡大が実現されたのではないでしょうか。

 

ユニクロとの比較

山崎は、SHEINとユニクロの比較をしながら両社の特徴について分析しています。どちらも世界的に有名なファッションブランドではありますが、やはり決定的な違いは商品点数の違いであるといえるでしょう。

ユニクロの年間商品点数は約1000点とされているのに対し、SHEINの年間商品点数は15万点にも及ぶとされています。つまり、ユニクロは定番商品をずっと売り続けているスタンスであるのに対して、SHEINでは流行りのデザインを積極的に多く生産しているのです。このことからも、SHEINが王道のやり方とは逆の姿勢を見せていることがわかるのではないでしょうか。

また、これだけ数多くの洋服を生み出すためには、相当な数のデザイナーも必要になることでしょう。そこで、デザインなどもAIを駆使しているのではないかと予想できます。人間だけの力では成り立たない部分を、しっかりと技術力でカバーしているのかもしれません。

 

ファッション業界の流れに逆らう

石角は、アメリカにおけるファッション業界の動きについて触れながら、SHEINのスタンスがユニークなものであることを指摘しています。昨今のファッション業界では、トランスペアレントであることやエシカルであること、そしてサステイナブルであることに重きを置く風潮がみられますが、それらの流れとは逆の「大量の洋服をとにかく安く販売すること」でシェアを拡大している部分が非常に面白いです。

もちろん、労働環境をちゃんと維持しながら生産しているのかなど、しっかりと向き合わなければならない問題はあるでしょう。しかし、安い値段で洋服を販売することにより、貧困層向けにもファッションを楽しんでもらえる機会を創出することができるかもしれません。いずれにせよ、アメリカでIPOを目指すのであれば、しっかりと向き合わなければならない課題がありそうです。

 

Amazonを超える存在になるか

ここまで、ファッションブランドとしてのSHEINについて取り上げてきましたが、実際にショップを覗いてみると、決して洋服だけ売っているわけではないことが分かります。中には、Nintendo Switchのコントローラーが販売されていたりと、家電系にも幅を広げているようです。

近い将来、家具や雑貨などの商品も増えていった先には、Eコマース業界のトップであるAmazonを超えることがあるかもしれません。そうなった場合、1ファッションブランドとしてのSHEINではなく、Eコマース業界のSHEINとして、世界をリードする企業にまで成長するのでしょうか。今後も、SHEINの動向に注目していきたいと思います。

 

今週のおすすめコンテンツ Podcast「The REWORK」

「今週のおすすめコンテンツ」は、長谷川の紹介するPodcast「The REWORK」です。

こちらのコンテンツは、長谷川CTOも尊敬するデイヴィッド・ハイネマン・ハンソンが立ち上げた会社である「37signals」が始めたPodcastになります。技術者目線での放送が非常に面白いと話しており、とても勉強になる番組です。興味のある方は、ぜひ一度聴いてみてください。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#46の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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