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テイラースウィフトがチケット販売を停止 – 独占の弊害とは
2022/12/26 ブログ 
by kawakamitakuro 

テイラースウィフトがチケット販売を停止 – 独占の弊害とは

DXを通した産業改革の重要性を伝える音声番組「Level 5 by Palo Alto Insight」

各回の内容を文字でもお伝えすべく、文章でまとめた記事を投稿しております。ポッドキャスト内容の概要を読みたい方はこちらの記事をお読みください。詳しい内容は音声ページよりお楽しみください。

テイラースウィフトがチケット販売を停止 – 独占の弊害とは

今回の放送が収録された日がワールドカップの日本対ドイツ戦が終わった後ということで、早速その話題を話すところから放送がスタートしました。

 

ドイツに劇的勝利

日本時間の11月25日22:00からキックオフしたこの試合は、前評判を覆す日本選手の躍動により、見事日本が2-1で勝利を納めました。ドイツといえば前々回大会の優勝国であり、今大会も優勝候補筆頭と言われていただけに、出演者3名も非常に興奮したと話しています。特に、今回は時差も少ないカタールでの開催ということもあり、生放送で視聴するサポーターも多く、瞬間最高視聴率は40%を超えたようです。インターネットの時代に、テレビを囲んで試合を観戦する景色は、何やら新鮮にも思えました。

出演者の山崎もリアルタイムで視聴したと話しており、非常に興奮したといいます。また、アメリカに住んでいる長谷川は、アメリカ人の友人から祝福のメッセージが届くなど、世界中で祝福の声が上がっているようです。

 

スポーツ観戦の思い出を振り返る

山崎は、毎大会現地に行って応援しているサッカーファンの知人がいると話しており、それだけワールドカップが世界的なイベントであることが伺えます。また現地では、日本代表のジャイアントキリングを祝福する声が多く、街を歩いても日本人であることから盛り上がる場面が多いようです。

長谷川は、2002年に開催された日韓大会のアイルランド戦を生観戦した時を思い出したと言います。関係者席で試合を観戦したようですが、むしろ落ち着いて観る人が多く、そこまで熱気は感じなかったようです。比較的安価なスタンド席で観る方が、現場の臨場感を感じられるのかもしれません。

石角は、ワールドカップに限らず生でスポーツを観戦することの楽しさを話しています。バスケットボールやメジャーリーグなど、アメリカでは多くのメジャースポーツが盛んに行われておりますので、もし現地にいった際には一度観戦してみてはいかがでしょうか。

今後も引き続き、「Level 5 by Palo Alto Insight」ではコメントを募集しております。

ぜひお気軽にご質問ください。

 

チケット業界独占による弊害とは

第47回で取り上げる「今週のホットニュース」はTicket sales for Taylor Swift tour reignite fan frustration over Ticketmasterです。

ニュースの概要

このニュースは、テイラースウィフトのライブチケットをめぐる大規模なシステム障害について取り扱った内容になります。昨年開催された東京オリンピックや、今カタールで開催されているワールドカップでも電子チケットが採用されていますが、これら電子チケットに関してアメリカで大きな問題となっているのが「チケットマスター」という会社です。

11月18日、世界的に有名な歌手であるテイラースウィフトのライブツアー前売りチケットの販売が開始された際、チケットマスターの販売ページに約2,400万人が殺到してしまい、サイトがクラッシュしてしまいました。そのシステム障害の発生を受けて、急遽チケットマスターでのチケット販売が中止になり、価格が大幅に上昇。一時、チケットが転売ヤーによって1枚560万円で販売されてしまう事態に陥りました。

これについてテイラースウィフト本人も声明を発表したり、民主党議員からもチケットマスター解体の声が上がるなど、アメリカではイベント業界を揺るがす大きな事態となっているのです。

 

チケットマスターの問題

なぜ、チケットマスターがここまで問題視されているのでしょうか。それは、チケットマスターがイベントチケット業界の約70%を占めている「独占企業状態」にいたからです。現状、アーティストのライブに限らず、多くのイベントチケットをチケットマスターから販売しており、圧倒的な権力を持っているからこそ、今回のシステムダウンに対する対応には批判が殺到しています。

長谷川はその中でも、技術的な問題点について指摘しています。確かに、チケットの販売予測を正確に読み取ることはなかなか簡単なことではありません。それでも、これだけ大きなイベントチケット販売会社であれば、それなりの準備ができたのではないかといいます。時間別に区切ってアクセス集中を分散させたりなど、他の企業のやり方をうまく取り入れることができなかったのは、チケットマスターの落ち度だったと言わざるを得ません。

 

独占状態における弊害

山崎は、独占・寡占企業の弊害について指摘しています。その業界内で圧倒的な権力を保有してしまうと、技術力を磨こうというという意識が低下し、サービス向上につながる競争力も低下してしまうでしょう。また競争力が低下してしまうと、イノベーションも起こりにくくなります。独占状態における弊害は、技術的な目線で見ても世界に大きな損害を与えることが多いのです。

しかし、独占企業のポジションにいる企業が儲かっていることも事実です。やはり自分で価格をコントロールできることから、会社としては利益が出しやすいポジションであることも確かでしょう。ここのバランスを取ることは、非常に難しいのかもしれません。

 

チケットマスターが嫌われている理由

今回の事件に限らず、これまでもチケットマスターは問題視されてきました。それは、手数料に関する問題です。TIMEの記事によると、チケットマスターで売られているチケットの平均価格は600ドルとされており、手数料によって非常に高い価格でチケットが売られていることが分かります。

それに加えて、これら手数料の中身が不透明であることも問題として挙げられます。中にはペーパーレスに関する手数料なども存在し、名前だけでは納得できない手数料も多いのです。石角は、これらの手数料を見た時に、Airbnbのクリーニング料金を思い出したと話していました。もちろん、これらの手数料を取らなければビジネスとして成り立たない可能性もゼロではありません。しかし、しっかりと納得できる形で手数料が設定されない限り、ユーザーの不満は無くならないでしょう。

 

メタバースは1つの解決策になるか

ここまでの議論を踏まえて、長谷川はメタバースが問題解決の1つになるのではないかと指摘しています。人数を制限することなく、誰もが平等にイベントを楽しめる点は、チケットに関する問題を解決する一つの手段になりそうです。

また、今回の件ではっきりと意見を表明したテイラースウィフトは、アメリカでも一目置かれる存在になっています。アーティストにとって、イベントチケット販売会社と対立することで被るリスクは計り知れません。しかし、これだけの大物アーティストが権力にひれ伏すことなく、堂々と意見をいう姿勢は非常に大切なのではないでしょうか。これからも引き続き、イベントチケットを取り巻く問題について注目していきたいと思います。

 

今週のおすすめコンテンツ「ジェニファー・ロペス ハーフタイム」

「今週のおすすめコンテンツ」は、石角の紹介する「ジェニファー・ロペス ハーフタイム」です。

こちらのコンテンツは、世界的なスーパースター、ジェニファー・ロペスに密着するドキュメンタリー作品になります。スーパーボウルのハーフタイムショーでシャキーラと共演した際に見せた彼女のプロ根性は必見です。興味のある方は、ぜひ一度観てみてください。

 

それでは、次回の放送もお楽しみに!

#47の実際の音源はこちらからお楽しみください。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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