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エンジニアのバリューを変革する「GitHub Copilot」
2023/02/22 ブログ, PAIoneer PRO, The Insight 
by 関口 

エンジニアのバリューを変革する「GitHub Copilot」

OpenAIの技術によってもたらされた「AIとのペアプログラミング」

今週のテーマ:技術開発

マイクロソフト傘下のギットハブ(GitHub)は、開発者が入力するコードや機能のスニペットを提案する「コパイロット(Copilot)」というツールを発表しました。ブルームバーグが報じたところによると、ギットハブが「開発者はコパイロットを使ってコードの最大40%を生成しており、この数は今後5年以内に倍増する」と予想しているといい、エンジニアの働き方を変革するこの技術に注目が集まっています。

📖 このトピックを選んだポイント
AIの進化に伴い次々と生み出される新技術により、我々の仕事にもパラダイムシフトが起こることは疑いようのない事実です。その事実を正しく受け止め、これからの時代に必要とされる能力について改めて考えるきっかけとして、いまエンジニアの間で凄まじいスピードで広がりを見せる「GitHub Copilot」について触れたいと思います。

💡この記事から得られる3つのナレッジ
・GitHub及びGitHub Copilotの基礎知識
・開発の背景にある人工知能モデル「OpenAI Codex」
・AI時代に生まれる新たな可能性と大切な能力

📖 この記事に登場する技術キーワード
・npm
・リポジトリ

目次

GitHubとは? / GitHub Copilotとは?

GitHub Copilotの技術

一流エンジニアはGitHub Copilotをどう使うのか

他にもある!コードを書くAI

エンジニアの将来はどうなるのか?AIによって広がる未来もある


GitHubとは?

GitHubとは、Git(各ユーザーがデータベースを持つことができる分散型バージョン管理システム)を管理するサーバーであり、個人やチームがバージョン管理やコラボレーションのためにより効率的かつ簡単にGitを使えるようにするものです。

誰でもサインアップして無料で公開コード・リポジトリをホストすることができるので、GitHubは特にオープンソース・プロジェクトで人気があります。

https://kinsta.com/knowledgebase/what-is-github/

GitHubを使うことで、開発者同士が一緒にコードのレビューを行えるほか、プロジェクトの管理をしながらソフトウェア開発を行うことも可能です。2022年11月時点で3.3億件ものオープンソースのリポジトリがホスティングされていて、WalmartやBloomberg、airbnbなどを筆頭に、400万以上の組織がGitHubのエンタープライズバージョンやプライベートバージョンなどを使って自分たちのソフトをGitHubに挙げています。われわれパロアルトインサイトでもGitHubを使ってプログラムを保管、バージョン管理をしています。

(画像引用:https://github.co.jp/

GitHub Copilotとは?

GitHub Copilot(以下、Copilot)は、GitHubが2022年6月にリリースしたAIによるコーディングサポート機能です。端的に説明すると、プログラマーがこれから書こうとするコードをAIが予測し、提案してくれるツールです。まるで航空機の機長が副操縦士(co-pilot)の操縦をチェック・指導するように、開発者はAIが書いたソースコードをたたき台に、必要があれば手直しするだけでコーディングを完了できる、まさに「AIとのペアプログラミング」を可能とする技術です。

たとえば、プログラマーがJavaScriptを使用してコードを書いている場合、Copilotは文脈に即して最適なnpm(Node Package Manager:JavaScriptプログラミング言語で使われるツールで、開発者はプロジェクトの機能を拡張するために使用できるコードのパッケージを見つけてインストールするのに役立ちます。)パッケージのインストールを促したり、適切なコードスニペットを提案してくれます。コードナビゲーションもサポートしており、作業中の関数やクラスの定義を表示したり、コードに基づいて次のステップを提案することも可能です。

詳しくは後述しますが、CopilotはOpen AIのマシンラーニングアルゴリズムをベースに構築されており、AIモデルは公開リポジトリ(repository:データや情報が保存される場所)に含まれるすべての言語について学習し、大量のコードデータセットでトレーニングされています。そのため、提案の質は、その言語のトレーニングデータの量と多様性によって大きく左右されるという特徴があります。例えば、JavaScriptは公開リポジトリに多く存在し、Copilotが最も効果を発揮できる言語の1つと言えるでしょう。逆に、公開リポジトリにあまり存在しないマイナーな言語では、表示される提案の数が少なかったり、プログラムの堅牢性に欠ける場合もあります。

Open AIの技術について書いたその他の記事はこちら:

また、コードは必ずしもそのまま実行できるとは限りません。既存のソースコードを学習するという仕組み上、古いコーディングスタイルや、今では非推奨になっている実装が提案されることもあるという欠点があります。そうは言っても、Copilotの示すコードを叩き台にして0→1の作業を効率化することは非常に大きな効果を発揮します。プログラマーが「フロー状態」と呼ばれる超集中状態を維持しやすくなりよりよいコードを考えることにリソースを集中し、生産性を大きく向上させることが可能です。

もうひとつ、注目の使い方として、新しいプログラミングの概念を学ぶのに役立つという点が挙げられます。AIによって出力された提案やコードスニペットを目にすることで、プログラマーは特定のプログラミング言語やフレームワークでのコードの書き方をより深く理解することができるのです。Copilotは大量のデータセットで学習をしているため、初心者のプログラマーから、知らず知らずのうちに自分の型にはまったコーディングをしている熟練のプログラマーまで、さまざまな層のユーザーがこれまで知らなかったような新しいライブラリやパッケージを発見するのに役立つと重宝されています。

GitHub Copilotの技術

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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