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チャットAIによって検索はどう変わる? – ChatGPTに対抗するには
2023/02/27 ブログ 
by kawakamitakuro 

チャットAIによって検索はどう変わる? – ChatGPTに対抗するには

今回取り上げるニュースは、日本でも話題になっているチャットAIに関する内容です。Level 5 でも取り上げた OpenAI の開発したチャットAIの「ChatGPT」は、世界中で大きな話題となりました。先日、それに追随するかのようにGoogleが新しい会話型AI(人工知能)サービスである「Bard(バード)」をリリースし、Google以外にもMicrosoftなどの大手テック企業が相次いでプロダクトをリリースしています。まさにAI戦国時代に突入したと言っても過言ではないほど、ここ数週間でチャットAI業界は大きく動き出しているのです。

 

ChatGPTとBirdの違いについて

まず初めに、ChatGPTとBirdの違いについて長谷川が解説しています。実はこの2つ、使用している言語モデルは同じもので、技術的な違いはほとんどありません。大きな違いを1つ挙げるとすれば、Googleが元々持っているデータ量の差が大きな違いとなっているでしょう。

しかし、GoogleはBirdをリリースした後すぐにプレスリリースを通じてBirdの不具合を発表しました。これによりGoogleの株価は暴落し、ChatGPTのリリース時とは反対の意味で話題となっているのです。

それではなぜ、Googleはここまで批判されてしまったのでしょうか。必ずしもChatGPTが正しい情報を提供しているわけではありません。精度的にはBirdと大きな差はないはずなのに、GoogleのBirdには多くの批判が寄せられています。その大きな理由について石角は、Googleという世界トップの検索エンジンを提供している会社であることを理由に挙げています。Googleレベルのビッグテックになった場合、少しでもBirdを通して誤った情報を提供してしまうと、立場上多くの批判に晒されてしまうのかもしれません。

 

検索とチャットAIの比較

長谷川は、チャットAIと比較した時の「検索するメリット」について指摘しています。それは、自分の欲しい情報をすぐに手に入れることができる点です。すぐに調べたい事がある場合、チャットを通じて探し出すよりも、自分の欲しい情報をクリティカルに手に入れられる方が嬉しい場合もあるでしょう。

それに対して「チャットAIを利用するメリット」は、広告がないことが挙げられます。ChatGPTを見ても、目障りな広告などは一切なく、シンプルにChatGPTの機能を使うことだけに特化しているのです。これは、広告が増えた昨今の検索エンジンに対する一番の強みと言えるかもしれません。

その点、Chromeという検索エンジンを持つGoogleや、Microsoft Edgeを持つMicrosoftからチャットAIがリリースされたことは意外です。広告ビジネスによって大きな収入を得ていたこの2つの企業が、突然チャットAIをリリースしたということは、ChatGPTに対する焦りなのでしょうか。

 

チャットAIに広告を組み込む

長谷川は、チャットAIにも広告を組み込むことは可能だと分析しています。例えば、ChatGPTを使って検索をかけた時に、その回答としてChatGPT側から広告付きの提案をすることは可能でしょう。もしかすると、よりヒット率の高い広告を利用者に提供できる可能性もあります。

しかし山崎は、ChatGPTは広告がないことこそが魅力だといいます。もしChatGPTなどのチャットAIツールで広告が提案されてしまったら、そのツールに対する信頼度は一気に低下することでしょう。「もしかすると、広告にうまく誘導されているのではないか?」とユーザーが感じる危険性があるということです。そのため、今のように広告がないからこそ「チャットAIに人格を感じる」ような錯覚が起こるのかもしれません。

 

ブラウザの重要性

最後に石角は、ブラウザの重要性について語っています。基本的に今出てきているチャットAIツールは、ブラウザがベースになっています。その点、MicrosoftやGoogleはブラウザ自体を保有しているため、検索とチャットをうまく組み合わせることによってChatGPTと差をつけることができるのではないかと考えているのです。

また、近年はモバイルも重要な立ち位置を占めていることから、Androidのシェアを持っているGoogleはより強みがあると言えるでしょう。ブラウザではなく、モバイルのチャットAIツールでポジションを取りに行くことは、1つの有効なアイデアかもしれません。

 

今週のおすすめコンテンツ「WOOL(ウール)」

今週のおすすめコンテンツは、長谷川の紹介する「WOOL(ウール)」です。

こちらのコンテンツは、元々ヨットの船長であったヒュー・ハウイー氏の書いた作品になります。世界を熱狂させたネット発の超大作であり、深みのあるストーリーは世界中で熱狂を生みました。気になった方は、是非読んでみてください。

 

Level 5 #56の実際の音源はこちらからご視聴いただけます。

 

パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

パロアルトインサイトHP:www.paloaltoinsight.com
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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