Level5#63の放送回では、Amazonが新しく参入している衛星インターネットビジネスについて紹介しました。実際にSpaceXのスターリンクユーザーである長谷川CTOの衛星インターネットに対するリアルな体験談や、日本に浸透するのかなど、議論しました。
スターリンクやインターネットインフラの導入についての議論が行われていますが、同様に注目すべきはAmazonのプロジェクトであるProject Kuiperです。Project Kuiperは、スターリンクと同様に、低軌道衛星を利用したインターネット接続サービスを提供することを目指しています。
衛星通信は、地域のインフラが整っていない場所でも、低コストで展開が可能となります。アフリカの砂漠など未整備な地域などであっても、ディッシュ(衛星受信用のアンテナ)を設置するだけでインターネット接続が可能になるといいます。
新しく始まるProject Kuiperも、同様のビジョンを持っており、東京都のような都市でも役立つ構想もありますが、同じくアフリカなどプロードバンドが未導入の地域で、政府と連携して導入するビジネスモデルが有望と期待されています。Amazonが持つ技術やリソースは、開発支援にも活かされるとされています。
衛星インターネットは、僻地や離島など地理的な制約がある場所でもインターネット接続を可能にし、リモートワークやオンライン教育などの分野で活用されることで、これまでインターネットが届かなかった人々の生活や働き方を変革する可能性があります。
一方で、Amazonの開発に疑問を感じているとの議論にも発展しました。Amazonが兼ねてから発表しているドローン配送などがなかなか実現フェーズに進んでいないことを見ると、今回のプロジェクトもうまく行かない可能性もあるのではないかと指摘しています。
日本では、通信キャリアがカバレッジを広げているため、スターリンクや、Project Kuiperのニーズはまだ限定的です。ただし、雪山や森の中でZoomなどのテレビ会議ツールを利用したいといったニーズが増えてくると、Project Kuiperの需要が高まるかもしれないと指摘します。
オリジンストーリーやミッションの重要性も指摘されており、スターリンクを運営するSpaceXが持つ企業の価値観や、イーロンマスクの社会起業家精神も、顧客にとって魅力的に写っているというのはアンケートデータにも表れていることがわかります。
今後、スターリンクやProject Kuiperのような衛星インターネットサービスが、デジタル格差の解消や地域の開発に大きな役割を果たすことが予想されます。特に発展途上国では、地上インフラの整備が難しい場所において、衛星インターネットが唯一のインターネット接続手段となることもあります。
また、災害時には通信インフラがダウンするリスクがありますが、衛星インターネットはそのような状況下でも機能し続ける可能性が高いため、バックアップとしても重要な役割を担います。利用する企業にとっても、企業のCSR活動や社会貢献という、ブランドイメージの向上や顧客満足度の向上にもつながることも考えられます。
衛星インターネットの技術進歩に伴い、従来の通信キャリアとの競争が激化し、サービスの質やコスト面での改善は今後ますます期待されており、より多くの人々が高品質なインターネット接続を享受できるようになるでしょう。スターリンクやProject Kuiperなどの衛星インターネットプロジェクトは、地域のデジタル格差を解消し、人々の生活向上に貢献する可能性が高いと言えます。今後も、この分野の進歩と展開に期待が寄せられています。
Level 5 #63の実際の音源はこちらからご視聴いただけます。
AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。
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