Google、Apple、Netflix、世界的スタートアップが誕生し続ける”シリコンバレーの凄さ” – NHKラジオ「マイあさ」vol3

世界的スタートアップが誕生し続ける”シリコンバレーの凄さ”

日本企業にも活かせる、人材の多様性や、起業文化の浸透

▼目次

政府が1000人の起業家を送り込むプロジェクトの真意は

シリコンバレーがスタートアップに適しているわけ

名だたるビッグテックが集まる理由

イノベーションが生まれやすい環境とは

ビジネスが陳腐化しない理由

日本版シリコンバレーが実現しないのはなぜ？どんな条件が必要？

■政府が1000人の起業家を送り込むプロジェクトの真意は

7月に、アメリカを訪れていた萩生田経済産業大臣（現・政調会長）は、革新的なビジネスを生み出すスタートアップ企業が集まるシリコンバレーの大学や企業を視察し、今後5年間で1000人規模の日本の起業家を派遣し、競争力の強化につなげる方針を表明しました。この取り組みは、2006年からすでに始まっており、これまで50以上のスタートアップ企業が生み出されているといいます。日本の起業家や企業の新規事業担当者をシリコンバレーに派遣する支援策を大幅に拡充し、2027年までの5年間でこれまでの10倍の1000人規模の人材を派遣する方針を表明しました。これは、シリコンバレー現地での企業経営者や投資家などと、みずからのビジネスプランについて意見を交わすことで、日本人起業の意識や感性の向上を目指すものとされています。

このニュースは非常に歓迎されるニュースですが、既に起業している人を派遣するということなので、重要な視点として起業家を増やすことが重要だと考えています。そんな「起業家のタマゴ」の背中を少しでも軽くするような取り組みであればもっと良くなるでしょう。

■なぜシリコンバレーがスタートアップに適しているのか

そもそもなぜ「シリコンバレー」という名前になったのかですが、歴史を振り返ると、1970〜80年代にシリコンを材料とする半導体メーカーがサンフランシスコの沿岸部の地域に一斉に集まってきて、半導体の製造に当たったことに由来しています。町の経済が安定化することで、企業に投資するベンチャーキャピタルも発展していき、そのベンチャーキャピタルの出資をうけて新しいスタートアップ企業が生まれるという、現在にもつながるシリコンバレー特有のポジティブなエコシステムが徐々にできあがっていきました。

シリコンバレー起業の一番とも言えるメリットは、グーグルや、Appleなどこの世界最大のハイテク企業が多く集まっており、その強力なネットワークを活用することができることがあると思います。特に、IT企業・スタートアップ企業を支える経済圏が確立されていて、人脈や、インフラ、起業家間同士の交流が活発に行われています。人脈づくりの活動を現地では「networking（ネットワーキング）」といい、毎晩様々なところで投資家とベンチャー起業家やIT業界が交流するイベントが行われています。つてがない状態でも有名企業に所属する人物や、優秀な人材と知り合うこともできます。そんな世界最高水準のエンジニアなどの技術者と交流できたり、最先端のイノベーションが生まれる環境に拠点を持つことは、サービスの改善や新規サービスの開発にとって、非常に参考になると考えられています。

また、街全体が起業に挑戦することに対してポジティブに受け止められる土壌ができているのも特徴で、街中の至る所で新しいサービスやテクノロジーのテスト運用が行われています。何気ない生活の中でも常に最先端のテクノロジーに触れていることが実感できるのも良い点です。

■グーグル、Apple、Netflixなど名だたるビッグテックが集まる理由

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