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AIで声を分析し病気を診断するプロジェクトとは
2022/11/08 ブログ, The Insight 
by kohei 

AIで声を分析し病気を診断するプロジェクトとは

アメリカの医療問題に挑むAIを活用した最新事例

今週のテーマ:医療技術

パロアルトインサイトの嶋崎です。毎年欠かさず健康診断を受けている方は多いかと思います。注射で採血されたり、バリウムを飲んだりするのが苦手、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。健康状態を知るための検査は、人の体に負担をかけてしまうことがあります。

もし声のデータを送るだけで、AIが病気の診断をしてくれるとしたら、体への負担はとても軽くなるでしょう。しかも、その診断が熟練した医師と同じように正確で、医療が整っていない地域を含めて、誰もが受けられれば最高です。そんな未来の実現につながるプロジェクトが、アメリカで始まりました。

image

シリコンバレーから現役データサイエンティストのインサイトをお届けする「The Insight」。今回取り上げるのは、人の声のデータから病気を診断することを目指すプロジェクトです。

💡この記事から得られる3つのナレッジ
・「Voice as a Biomarker for Health」プロジェクトの概要
・「Bridge2AI」プログラムの目的
・声のデータを集めることの倫理面や法律面での課題
📖このテーマを選んだポイント
医療においてAIを活用するための先進的な取り組みであるため。
📖この記事に登場する技術キーワード
  • 機械学習(Machine Learning)
  • 連合学習(Federated Learning)

目次

「Voice as a Biomarker for Health」プロジェクトの概要

アメリカ国立衛生研究所の「Bridge2AI」プログラム

プロジェクトが目指していること

声のデータを集めることの倫理・法律面の課題

AIビジネスデザイナーのワンポイントアドバイス


「Voice as a Biomarker for Health」プロジェクトの概要

プロジェクトの名称は「Voice as a Biomarker for Health(健康の生体指標としての声)」です。まずはプロジェクトの概要を紹介します。

データベースを構築することが目的

プロジェクトの目的は、人の声を大量に集めて、データベースを構築することです。そして将来的には、声のデータをAIで分析して、その人がどんな病気の疑いがあるかを診断することを目指しています。

神経系の疾患や障害は、人の声に影響を及ぼすことがわかっています。たとえば、アルツハイマー病になると低音でゆっくり話すようになったり、脳卒中になると滑舌が悪くなったりするのが特徴です。大量のデータを集めれば、こうした「疾患や障害と声の関係」をより明確にできます。声には病気に関するたくさんの情報が詰まっているのです。

診断に使われるデータとしては、他に遺伝情報やCT画像などがあります。しかし、それらは収集と分析に費用がかかったり、放射線被曝のリスクがあったりします。一方、声はずっと簡単に集められて、健康に悪影響もなく、費用もあまりかかりません。そのため、診断に用いるデータとして期待が持たれています。

南フロリダ大学を中心とする共同研究

本プロジェクトは複数の機関が共同で進めています。主導しているのは南フロリダ大学(University fo South Florida:USF)です。他には以下の機関が参加しています。

🏫本プロジェクトに関わる機関
  • コーネル大学
  • アメリカとカナダの10の研究機関
  • Owkin(AIスタートアップ企業)

USFのYael Bensoussan博士(下図左)とコーネル大学のOlivier Elemento博士(下図右)が、共同研究責任者を務めています。

 

(画像引用:https://hscweb3.hsc.usf.edu/blog/2022/09/13/usf-health-cornell-earns-inaugural-nih-funding-to-create-artificial-intelligence-platform-for-using-voice-to-diagnose-disease/

アメリカ国立衛生研究所の「Bridge2AI」プログラム

本プロジェクトは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の「Bridge to Artificial Intelligence(Bridge2AI)」プログラムから資金供与を受けています。

「Bridge2AI」プログラムは、2021年10月に開始されました。生物医学の分野でAIを活用できる環境を整えることを目指しており、有望な取り組みに資金を提供しています。2022年11月までに4件のプロジェクトが選定されました。

「Bridge2AI」プログラムのミッションをより具体的に言えば、「AIが機械学習(Machine Learning)を行うために必要なデータセットを用意する」ことです。すでに生物医学分野には、これまでに蓄積してきた豊富なデータがありますが、それらの多くは機械学習には適していません。そこで本プログラムによって、以下の条件を満たすデータセットを構築しようとしています。

💡求められるデータセット
  • 信頼性が高い
  • 倫理的に入手可能
  • 明確に定義されている
  • アクセス可能である

「Voice as a Biomarker for Health」プロジェクトは4年間の予定であり、初年度はNIHから380万ドル(約5億6000万円 *$1=147円)が提供されます。その後の資金は、毎年のNIHの会議で承認される金額によって決まり、全体では1,400万ドル(20億5000万円 *$1=147円)に達する可能性があります。プロジェクトへの期待の大きさがうかがえる予算規模です。

機械学習については、関連記事「“ディープラーニングのゴッドファザー”ことヒントン教授が生み出した次元削減」で詳しく解説しました。ぜひあわせてお読みください。

プロジェクトが目指していること

「Voice as a Biomarker for Health」プロジェクトが目指していることを、より詳細に解説します。

 

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パロアルトインサイトについて

AIの活用提案から、ビジネスモデルの構築、AI開発と導入まで一貫した支援を日本企業へ提供する、石角友愛氏(CEO)が2017年に創業したシリコンバレー発のAI企業。

社名 :パロアルトインサイトLLC
設立 :2017年
所在 :米国カリフォルニア州 (シリコンバレー)
メンバー数:17名(2021年9月現在)

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石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

※石角友愛の著書一覧

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