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バイオテクノロジー企業「LyGenesis」肝臓を生み出す技術
2022/09/14 ブログ, The Insight 
by kohei 

バイオテクノロジー企業「LyGenesis」肝臓を生み出す技術

臓器移植を待つ人を救う画期的な方法

今週のテーマ:技術開発

パロアルトインサイトの石角です。医療の分野ではさまざまな技術革新が進んできましたが、いまだに「他人の臓器を移植する」ことでしか救えない命がたくさんあります。そして、移植用の臓器は慢性的に不足しているのが現状です。

無料ニュースレターのMoonshotの冒頭でも注目企業として紹介したアメリカの新興企業の技術が注目を集めています。「1つの臓器で75人の治療が可能」「体内に5つのミニュチュア臓器を作る」という、驚きの手法を紹介します。

シリコンバレーから現役データサイエンティストのインサイトをお届けする「The Insight」。今回取り上げるのは、アメリカのバイオテクノロジー企業「LyGenesis」です。

💡この記事から得られる3つのナレッジ

・LyGenesisの技術が持つ意義
・異所性肝臓を生み出す3ステップ
・LyGenesisのさらなる挑戦の内容

📖このテーマを選んだポイント 医療の分野における斬新な挑戦であり、大きな期待を集めているため。
📖この記事に登場する技術キーワード
  • 異所性臓器(ectopic organ)
  • リンパ節(lymph node)

目次

LyGenesisの事業内容と中心人物

LyGenesisの技術が持つ意義

異所性肝臓を生み出す3ステップ

今後に向けたLyGenesisの動き

AIビジネスデザイナーのワンポイントアドバイス


LyGenesisの事業内容と中心人物

まずはLyGenesisがどのような企業なのかを解説します。

事業内容

LyGenesisは臓器再生技術を開発するバイオテクノロジー企業です。特に移植手術ができない患者の体内で、肝臓を再生することに注力しています。

臓器提供者(ドナー)の細胞を患者のリンパ節に注射し、体内にミニュチュアの臓器を作り出すというのが、LyGenesisが開発している手法です。なお、体内にもともとあるものを残したまま、別の場所に埋め込む臓器を「異所性臓器」と呼びます。

LyGenesisは動物実験を繰り返し、技術を磨き上げてきました。そして2022年8月、この技術が人の臨床試験まで進んだと「MIT Technology Review」の記事で報じられたことから、注目を集めています。

3人の中心人物

2017年にLyGenesisは創業されました。アメリカのペンシルバニア州ピッツバーグに本社を構えています。創業と経営の中心人物は以下の3人で、ハフォード氏がCEOです。

  • マイケル・ハフォード:起業家で医薬品開発者(写真左)
  • エリック・ラガース:幹細胞生物学者(写真中央)
  • パウロ・フォンテス:移植外科医(写真右)

(画像引用:https://www.lygenesis.com/our-science

 

LyGenesisの技術が持つ意義

なぜLyGenesisの技術が必要とされているのか、その意義を解説します。

移植臓器が足りない

LyGenesisの技術を使えば、移植用の臓器不足を緩和することが可能です。

ほとんどすべての国にいえることですが、移植用の臓器はつねに不足しています。臓器の提供を待ちながら亡くなっていく人は少なくありません。

LyGenesisの技術であれば、1つの肝臓から取り出した細胞を使って、約75人分の治療が可能であると見積もられています。1つの肝臓で救えるのは1人に限られる現状と比べると、大きな進歩です。

また移植手術においては、ドナーとなる人が現れたとしても、損傷が激しいなどの理由でその臓器が使えない場合が多くあります。しかし、LyGenesisの技術であれば、従来なら廃棄された臓器を利用できます。一部でも健全な部分があれば、その部分の細胞だけを取り出して使えるのです。

手術は大きなリスク

LyGenesisの技術は「大規模な手術を必要」としない点も、重要なポイントです。

特に肝臓を移植することには、大きなリスクが伴います。大きな臓器である肝臓を取り出すには、皮膚を大きく切り開き、肋骨を持ち上げなければなりません。病気で体力が落ちている人にとって、大規模な手術を行うこと自体に命の危険が伴うのです。

一方、異所性肝臓を生み出すための手術は、のどから内視鏡の管を送り込んで行われます。臓器移植の手術と比べて、患者の体にかかる負荷はずっと少なくて済むのです。

異所性肝臓を生み出す3ステップ

異所性肝臓は以下の3ステップで生み出されます。順に詳しく解説します。

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石角友愛
<CEO 石角友愛(いしずみともえ)>

2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が擁する3名のDXアドバイザーの一員として中長期DX戦略について助言を行う。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

実践型教育AIプログラム「AIと私」:https://www.aitowatashi.com/
お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

 

※石角友愛の著書一覧

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